アメリカは民主主義の国ですか?
2003年11月23日
&26日
宇佐美 保
アメリカブッシュ大統領は、2003年3月18日に“イラクは完全な大量破壊兵器の廃棄を求める国連決議に違反した”旨のイラクのフセイン大統領に対する最後通告演説(一部を以下に抜粋)を行い、国連の決議なしに一方的、且つ強引にイラク侵略を行いました。
イラクの場合、国連安保理決議が90年代初めに採択されている。678決議(90年11月の武力行使容認決議)、687決議(91年4月の湾岸戦争停戦決議)の両決議はいまだに効力があり、米国および同盟国は大量破壊兵器の武装解除のために、武力を行使する権利がある。攻撃の正当性が問題なのではない。われわれの意思が問題だ。 (2003年3月18日毎日新聞夕刊から) |
このアメリカの侵略に対して、イラクは大量破壊兵器をアメリカに対して行使しませんでした。
そして、イラクを徹底的に破壊した後、今もって、イラクの大量破壊兵器は発見されていません。
ですから、当然ブッシュ大統領のイラク侵略の口実は誰が考えても嘘であることが判ります。
それなのにブッシュ大統領は“アメリカはイラクに民主主義をもたらす為に武力行使した”と大きな顔をして言って居ます。
可笑しいではありませんか!?
民主的に運営されるべき国連を蔑ろにして、他国に民主主義を授けてやるとは、盗っ人猛々しいの最たるものです。
更には、アメリカが民主主義の国であることを標榜するなら、国連の常任理事国制度を早急に廃止すべきでしょう。
何処の国の一票も平等であるべきではありませんか?
それなのに、ブッシュ大統領は、最近ではイギリスにまで行って、“イラクにおける民主主義は必ず成功する。イラクの人々が自由を放棄することはありえない”と語っています。
だったら、アメリカは、国連決議を蔑ろにして、勝手に「イラクに大量兵器が存在する」と偽って、イラクの国(そして国民)を滅茶苦茶の破壊してしまったのですから、アメリカは、イラク破壊に対する賠償金を一先ず国連に拠出して、早急にイラクの占領を止め、イラクから撤退すべきではありませんか!?
そして、イラクの復興を完全に国連主導で行うように取り計らうべきではありませんか!?
イラク侵略の半年前(2002年9月20日)に、ラムゼー・クラーク氏(アメリカ元司法長官)は「国連安保理への公開書簡」の中で、次のように記述しております。
(下記のホームページより抜粋させて頂きます)
(http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/news/033.html)
1)ジョージ・ブッシュは、イラク攻撃と政権転換を決意して大統領になった ジョージ・ブッシュは、彼の戦争を止められることなく即座に行うため、速やかに行動している。彼は先週金曜日の演説で(訳注:2002年9月13日)、イラクが国連の査察を受け入れるとは信じないと発言した。ブッシュは、イラクが即座に無条件で査察を受け入れると信じるのは「まやかしの希望」であり、国連が行動を起こさないなら、アメリカ単独でも攻撃をすると約束した。ブッシュは、イラクと戦争し、力づくで彼の傀儡を立てイラクを支配させたいという欲望にとりつかれている。…… |
このラムゼー氏の予言は、次のような記事(毎日新聞11月16日付け)となるのでしょう。
イラク統治評議会は15日、来年6月までに暫定政権を発足させて主権を回復し、米国などによる占領統治を終結させることで米英占領当局(CPA)と合意したと発表した。憲法を起草したうえで、05年末までに正式な政権を発足させる。…… |
即ち、「来年6月までに発足する暫定政権」をアメリカは傀儡政権の仕立て上げるのでしょう。
更に、ラムゼー氏は……
2)ジョージ・ブッシュは、終わりなき戦争という無法の世界へと、米国を導き、国連とすべての国を拉致する ジョージ・ブッシュは、彼の「テロリズムとの戦い」において、どんな国、組織、人々に対しても、警告なく、自分だけの裁量で、攻撃を仕掛ける権利を主張してきた。…… ナチスのゲシュタポ長官だったハインリヒ・ヒムラーの「まず射て、尋ねるのは後。そうすればお前を守ってやろう」という言葉は、ジョージ・ブッシュによって正しさが証明されている。…… ジョージ・ブッシュが「テロリズムとの戦い」を宣言して以来、他の国々も先制攻撃の権利を主張している。…… テロリズムとの戦いにおけるジョージ・ブッシュの力の主張を根拠に、他国を攻撃したり、自国の人々の人権に対する侵害を強めることは、今や多くの国に蔓延しているといっていい。…… |
そして、ラムゼー氏が警告するブッシュ大統領の手法は、ヒトラーと同じである事が判ります。
下記のホームページには、次のような記述があります。
(http://www.mainichi.co.jp/life/family/syuppan/chronicle/1939_45_1.html)
ドイツ帝国議会 ポーランドとの戦端開始を告げるヒトラーの陸軍への布告は1939年9月1日午前5時40分。ヒトラーの帝国議会での演説は「ポーランドの攻撃防衛のため、ドイツ軍は本日払暁、ポーランドにたいして行動を開始した。この行動は、現在のところ、戦争と呼ぶべきものではない。単に、ポーランドの攻撃によってもたらされた交戦と称すべきものである」 |
如何ですか?
ブッシュもヒトラーも同じではありませんか!
両者とも、大量破壊兵器によるテロとか、相手国の侵略とか、在りもしない「勝手な言い掛かりを付けて相手国に侵略」するとは!
そして、……
3)イラクではなく、アメリカこそが国連の独立と目的への最大の脅威である イラクは戦争を正当化する脅威だというブッシュ大統領の主張はまやかしである。イラクの軍事力の80%が91年に破壊されたことは国防総省が明らかにしている。大量破壊兵器を作るための材料・設備も、国連の8年以上にわたる査察で90%が破壊された。イラクは、1990年には、近隣諸国に比べて強大だった。今では、弱い国である。…… |
このラムゼー氏の記述通りに、イラクはアメリカの侵略に何らの反撃も出来ませんでした。
更に、……
4)ジョージ・ブッシュはなぜ今イラクを攻撃しなければならないと決めたのか 米国あるいはその他のどんな国にとっても、イラクが脅威だという合理的根拠はない。イラク攻撃の理由は、ほかに求めなければならない。…… 彼がイラクに戦争をしかける動機としては、健全だった経済と財政黒字を何兆ドルもの赤字に変えてしまった大統領として支持を挽回すること、米国の一部特殊権益層に役立つ新世界秩序という、悪夢になるはずの夢を達成すること、イラクに対するブッシュ家の恨みを晴らすこと、アラブ民族を一国ずつ弱めていくこと、イラスム教国を叩いてイラスム勢力を弱らせること、あるいは中東での米国の支配を強化すること、イラクの石油を支配下に置いて米国の利権を強め、この地域の石油に対する支配をさらに徹底して、石油価格を思い通りにすることなどがあるだろう。これらのどの目的によるにせよ、イラクに対する攻撃は犯罪であり、侵略の定義に関する1974年12月14日の国連総会決議をはじめとする国際条約および国際法の非常に多くに違反しているのである。…… |
この「イラクの石油を支配下に置いて米国の利権を強め」の記述に対しては、昨日(11月22日)のBS-ジャパン(「ほねホネ本音」)の番組中で、早稲田大学大学院教授の川村亨夫氏は、次のように語っていました。
1979年にフセインが政権を奪取して以来、今年の3月(イラン侵略以前)まで、(フセインは石油を)米英に絶対に渡していない。 |
(この件は翌日のサンデープロジェクトでも“米英は石油利権の恩恵をフセインから受けていなかった”と青山氏が語っていました。)
更に、ピースウィング・ジャパン統括責任者の大西健丞氏も次のように語っていました。
4月末の段階で米英が展開した時に、(イラクの)北部にいたのですが、(彼等が)最初に守ったのは病院ではなくて、キルクーク周りの油田施設だった。 あからさまに遣り過ぎて、「病院くらい守れよな!」と思った位。 現場の人達(イラク人)は、それを見て「ああ、やっぱりオイルの為に来たんだな」といった風になっちゃった。 |
更に川村氏は、次のようにも説明していました。
3ヶ月前は40〜50万バーレルだった石油産出量は、現在175〜185万バーレル、来年上期にはエクソン・モービル等のハイテクが功を奏すると350万バーレル、3年後の目標は600万バーレルにもなる。 今は17の油田から汲上げているが、隠されていた他の油田を含めると油田の数は80にもなり、埋蔵量がサウジアラビアを抜いている上、石油の1バーレル当りのコストが、北海油田、サハリン油田が14〜18ドルなのに対して、1ドルという低さである。 |
このような「宝の山」に足を踏み入れながら、幹部達が石油利権にドブ浸かりのブッシュ政権(拙文《ブッシュ元大統領と国防関連企業》、《9・11の同時多発テロを今思うと》)が、イラクからおめおめと引き下がり、全権(利権)を国連に委譲するとはとても考えられません。
更に、この利権に関し驚くべき事には、「ケネディー大統領を暗殺したのは、軍需産業石油産業との癒着が大きかったジョンソン(暗殺当時)副大統領であった」と、ジョンソン大統領の顧問弁護士の一人であったとのバー・マクレラン氏と、彼の告発本を紹介していました。
(拙文《ケネディー暗殺はジョンソンの陰謀》を御参照下さい)
更に、ラムゼー・クラーク氏は著作《湾岸戦争(地湧社発行)》で次のように記述しています。
1992年には、米国の世帯数の1%の最富豪族が、米国の全資産の37%、営業資産の62%、公開株の49%、非居住用不動産の45%を所有するに至った。 |
この様に米国では最富豪族(全世帯数のたった1%)が、米国の資産のほぼ半分を所有して、その彼等の資産が、ブッシュの利権目当ての戦争で増大するのでしょう。
そして、その戦争の担い手は、決して富豪達の家族とは関係のないマイノリティーの家族なのです。
朝日新聞(2003年4月17日付け(拙文《戦争の亡者と人間の盾》にも引用させて頂きました))には、「米軍支えるマイノリティー」との次のような記事が載っていました。
…… 全体では米国民の約7割が支持していると言われる今回の戦争。だが、多様性がモザイクにもたとえられる米社会の反応は、決して一様ではない。たとえば、ニューヨークの地元テレビ局が開戦後に世論調査をしたところ、こんな数字が浮かび上がった。 ▽白人39% ▽ヒスパニック48% ▽黒人72% イラク戦争に「反対」する人の比率である。犠牲になる度合いに比例するように、マイノリティーに戦争への懐疑が広がっていることがうかがえる。「白人が仕掛けた戦争」と見る、冷めた空気がそこにはある。…… 「徴兵制の廃止から30年間、米国は兵役の負担を貧乏人とマイノリティーに押しつけてきた。政権を担う者がイラク攻撃にかくも熱心なのは、息子や身内が戦場に行く心配がないためだ」…… アジア系やアメリカ先住民系も含めたマイノリティー全体では米軍全体の37・5%を占める。 |
マイノリティー(軍隊の37.5%)が(ブッシュ政権の欺瞞情報に洗脳されて)、米国の1%の大富豪(白人?)の為に、外国利権を強奪する米国は自由と平等と民主主義の国なのでしょうか?
なにしろブッシュ(親子)政権は、欺瞞情報で世界を欺きます。
父親の場合の代表例は、クウェート大使の娘(ナイラと偽証)のイラク兵による嬰児虐待事件のでっち上げ。(拙文《暴君はフセインですか?アメリカではありませんか!》を御参照下さい。)
そして、息子ブッシュによる、イラク戦争中に捕虜になり、戦争のヒロインとして大々的に報道された元米陸軍兵士リンチさんにまつわる欺瞞情報等々。
(ところが、最近、米テレビのインタビューを受けたジェシカ・リンチさんによって「私は利用されただけ」と、軍当局の情報操作を批判されたお粗末でもありました。)
又、「政権を担う者がイラク攻撃にかくも熱心なのは、息子や身内が戦場に行く心配がないためだ」との件に就いては、アカデミー賞の挨拶で“ブッシュよ恥を知れ!”と発言した(拙文《戦争の亡者と人間の盾》を参照して下さい)マイケル・ムーア監督の「ブッシュ大統領への公開書簡」に、次のように記述されています。
(下記のホームページより抜粋させて頂きます。)(http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/news/049.html))
ホワイトハウス在住 議会の535人の議員のうち、軍隊に入隊した息子や娘を持っている議員はたった一人(南ダコタ州のジョンソン上院議員)だけだ。あんたが本当にアメリカのために立ち上がろうと思うなら、あんたの双子の娘達を今すぐクウェートに送りこみ、化学兵器用スーツを着せたらどうだい。それから、軍隊に入れる年齢の子供達を持つ議員さんたち全員が、この戦争のために自分たちの子供たちを犠牲にするかどうか、見せてもらおうじゃないか。え、何だって? そんなことできないって? なるほど、そうだろうさ、そのとおり。俺たちだって、そんなことできないわけだよ。…… …… [訳注:アメリカ独特のブラックユーモアの皮肉に注意。不法に大統領の座を得たブッシュに「大統領」というタイトルを与えず、わざとブッシュを「知事」と呼んでいる。……] |
又、ラムゼー・クラーク氏の「国連安保理への公開書簡」は、次のように続きます。
5)中東における大量破壊兵器の脅威を減少させるための理性的な政策はイスラエルを含むべきである …… イスラエルは、ジョージ・ブッシュの対テロ戦争の宣告を口実に、パレスチナ民衆に対する数十年来の攻撃を増強して、ヨルダン川西岸およびガザ地区の都市と町を無差別に破壊し、国際法と何度もの国連安保理事会および総会の決議に違反して、さらに多くの土地を奪い取っている。 イスラエルは40年間にわたって、他のどの国よりも多く国連の決議に違反し、無視してきた。イスラエルのそういう行為は免責されてきたのである。…… |
本当に何故、フセイン政権以上のイスラエルの暴走に目をつぶり、イラクだけを破壊するのでしょうか?
今朝(11月23日)の、サンデープロジェクトの番組中で、石破茂防衛庁長官は、“フセイン政権はミサイルを隠し持っていたし、クウェートを侵略したし、自国民であるクルド人に対して毒ガスを用いて大量殺人を行った極悪非道の倒されねばならない政権であった”旨の発言をしていました。
しかし、拙文《暴君はフセインですか?アメリカではありませんか!》にも引用させて頂きましたが、毎日新聞2003年1月7日の朝刊には、「発信情報の確度に疑問も」の記事には、このクルド人殺害事件に対して次のように書かれていました。
この事件には実は謎が多い。当時、米中央情報局(CIA)のイラク担当だったステファン・ペレティエ氏(米国の陸軍戦争大学元教授)は「毒ガスはイラクではなくイランのものだった」と主張する。当時はイラン・イラク戦争のさなかで、犠牲者はイランしか持たないシアン(青酸)ガスで死んだ兆候を示していた、というのだ。 元教授によると、ハラブジャを現地調査した国防総省の情報機関は90年春、部内報告として、クルド人殺害はイランのガスによるものと結論付けていた。ところが、連邦議会の調査委員会は「イラク軍がマスタードガスと神経ガスでクルド人10万人を殺した」と発表し、イラク虐殺説が広まったという。 だが、密室ではなく戸外に散布したガスで一度に10万人も殺せるのか――。首をかしげる専門家も少なくなかった。その後、広報誌のように「5000人」という死者数が多用されるようになったが、昨年10月のCIAの報告書は死者を「数百人」と記し、宣伝用の数字(5000人)と大きな食い違いを見せている。 真相はやぶの中だが、ハラブジャ事件に限らず、確たる証拠がなくても、一度表に出た情報は独り歩きして世論を形成していく。米政府が広告界の大物を雇い入れるのは、世界的なイメージ戦略を重視しているからだ。 |
又、イラクのクウェート侵略に対して、ラムゼー・クラーク氏は著作《湾岸戦争》で次のように記述されています。
イラクに関する国際論議の圧殺
米国は持てる力を駆使してメディアをコントロールし、挑発もないのにイラクはクウェートに侵攻して、しかもサウジアラビアヘの侵攻さえ狙っている、と世界の人々に思い込ませようとした。実際はそうではない。米政府はイラクに強硬姿勢をとるよう暗々裡にクウェートをそそのかしており、それにより、サダム・フセインがクウェートに侵攻することを願っていたのである。言われているようなサウジアラビア侵攻の恐れはなかった。 …… 反イラク感情を国際的に高めるため、イラクがクウェートを占領するとすぐに、イラク軍によって残虐行為が行われているという報道が開始され、この報道が組織的かつ誤解を招くように広められた。このような報道のほとんどすべてが虚報であった。メディアは脚色された噂を報じた。少女がワイヤーでつり上げられて殺された、子供が撃たれているといった報道は、一度も実証されなかった。だが、イラク破壊に必要な憎悪を高めるのには成功した。 ブッシュ大統領は、イラク兵により保育器の乳児が三百十二人も殺されたという作り話を何度も引き合いに出して、反イラク感情の国際的高まりに大きな役割を果たした。大統領はまた、湾岸の米軍兵士に向けた感謝祭のメッセージで、サダム・フセインは「自国の国民、罪もない女性や子供をガス室に送っている独裁者だ」と述べた。国防大学の調査やその他情報機関のリポートはそのガス室など存在しないと報告しているが、ブッシュ大統領はこれを無視した。 ブッシュ大統領の罪もないイラク人への同情は、単なる見せかけのものだった。なぜなら、ブッシュ大統領の言う通りガス室の殺戟がサダム・フセインにより行われていたと仮定しても、米国の爆撃と国際的な制裁による何万人ものイラク市民の殺戟を上回ることは ないからである。…… |
日本政府はクルド人虐殺事件、更には、イラクのクウェート侵攻に対してどれどけの調査をしたというのでしょうか?
(アメリカ情報を丸飲みしているだけなのではありませんか?!)
6)選択肢は戦争か平和かである 国連と米国は、戦争ではなく、平和を追求しなければならない。イラクに対する攻撃は、世界を、数十年におよぶ暴力の蔓延へと運命づけるパンドラの箱を開けることになるだろう。平和は可能であるばかりではない。科学技術によって、この惑星と自分自身を破壊する人類の能力がいかに高められたかを考えれば、平和は不可欠なのである。 |
今から、1年2ヶ月も前警告された、ラムゼー・クラーク氏による、「国連安保理への公開書簡」、そして、特に、この最後の警告「イラクに対する攻撃は、世界を、数十年におよぶ暴力の蔓延へと運命づけるパンドラの箱を開けることになるだろう」通りに、イラクそして、世界は惨憺たる状態に陥ってきました。
(斯くも的確な、そして勇気ある警告を発せられるラムゼー・クラーク氏を、私は大変尊敬し、彼に敬意を表します。)
ですから、このラムゼー・クラーク氏の「国連安保理への公開書簡」の全文を、掲載して下さっているホームページに皆様もお訪ねになることをお勧め致します。
(http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/news/033.html)
そして、ラムゼー・クラーク氏の著作《湾岸戦争》を是非ご一読下さい
(拙文《暴君はフセインですか?アメリカではありませんか!》に於いて多々引用させて頂いております。)
湾岸戦争等に於いて、悪いのはフセインのイラク、正義はアメリカと信じて居られる方は、是非ともクラーク氏の著作《湾岸戦争》をご一読下さい。
いつまでも、アメリカ正義を信じて(或いは信じる振りをして)、日本はアメリカの同盟国などと言いながら、アメリカに盲従していっても良いのでしょうか?
今ではもう、次のような新聞記事(朝日新聞2003年11月25日付け)が登場する事態となっているのです。
「小型核」予算が成立 米、軍備増強姿勢を反映 ……ブッシュ大統領は24日、小型核兵器の研究を10年ぶりに解禁する内容を盛り込んだ総額4013億ドル(約43兆7千億円)の04会計年度国防権限法案(国防予算案)に署名し、同法は成立した。地中貫通型の核兵器開発費も盛り込まれており、軍備増強を目指すブッシュ政権の姿勢が色濃い内容だ。 5キロトン(広島型原爆は15キロトン)を下回る小型核兵器の研究開発は、94会計年度の国防権限法案にある「スプラット・ファース条項」で禁止されてきた。今回の国防権限法ではこの条項が10年ぶりに撤廃された。 米国が小型核兵器の保持を目指せば追随する国が現れ、新たな軍拡競争につながりかねないと批判されている。だが、ブッシュ政権は、小型核兵器を「使える核」と位置づけ、核抑止力のために必要だと考えている。 今回の国防予算には、地下施設を破壊する5キロトン以上の地中貫通型核爆弾の開発費1500万ドル(約16億3500万円)も前年に引き続き盛り込まれている。 |
このように、破壊力が従来よりも小さければ「使える核」と位置づけるアメリカの姿勢が、放射能の悪影響を知りながらも劣化ウラン弾をイラク等で平然と使用しているのでしょう。
「国連安保理への公開書簡」を提出したラムゼー・クラーク氏は、アメリカ人です。
「ブッシュ大統領への公開書簡」を提出したマイケル・ムーア監督もアメリカ人です。
アメリカ人全てが狂っているのではないのです。
アメリカの中枢を占拠してしまっているごく一部のアメリカ人達が狂っているのです。
日本が同盟国というなら、そして、彼等のお友達というのなら、彼等に盲従するのではなく、彼等に苦言を呈するべきではありませんか!?