キーワードは軍産複合体
2005年8月6日
宇佐美
何故、米国で9.11の事件が発生したり、米国はイラク侵略を行ったりするのでしょうか?
これらの現象を解く鍵は、アイゼンハワー大統領(当時)が「離任演説」にて警告を発した「軍産複合体」にあるようです。
この件に関しては、佐藤雅彦氏による『月刊 紙の風船爆弾(文末の補足を参照してください) 2005年8月号』の「日本マスコミが沈黙した米英の戦争陰謀計画」との記事に紹介されていますので以下に抜粋させて頂きます。
「軍産複合体」という言葉を初めて世に広めたのは、第二次世界大戦中に西ヨーロッパ連合軍の最高司令官をつとめ、ナチスドイツを降参させた勲功で大統領になつた「アイク」 ことドワイト・アイゼンハワーである。…… アイゼンハワーが「軍産複合体」批判の演説をしたことは、逸話として語り継がれている。しかし、実際にどんな警世演説だったか知る横会が少ないので、長くなるが、ここに離任演説の一部を引用しておう──。 先般の世界戦争 (=第二次世界大戦) まで合衆国に軍需産業などというものは存在していませんでした。農具の製造業者が必要に駆られて武器を作っていたにすぎなかった。だがもはや緊急避難的な即興作業で国防を行うなどという危ういことをしている場合ではない。やむを得ない事情であったとはいえ、我が国は途方もない規模の恒久的な軍需産業を創りだしてしまったのです。そればかりか国防関係機関に勤務している人員は今や男女あわせて三五〇万人にも達している。我が国が軍事による安全保障に毎年費やす金額は、この国の全企業の所得総額を優に超えている。…… でもそれが重大な問題をもたらしかねないことを、忘れてはなりません。なぜなら我々が汗水たらして働き、様々な資源を投入し、生計を立てるという暮らしの営みが、すべてこれに絡めとられてしまっているからです。我が国の社会の成り立ちそのものが、姿を変えてしまったのです。「軍産複合体」は、みずから意図的に追求する場合もあるしそうでない場合もあるが、正当な権限のない影響力を政府に及ぼそうとしてくる。こうした影響力によって政府が乗っ取られてしまわぬよう、我々は政府の各種審議会の場で″乗っ取り阻止″ に努めねばなりません。向かうべき目標をまちがえた権力がとんでもない災厄をもたらす恐れは、現に存在しているし、これからも存在し続けるでしょうから。この複合体の重圧によって我々の自由や民主主義の手続きが危うくなることを、許してはならない。そういう状況に慣れてしまったり、軽視することがあってはならないのです。市民社会が見識をもち、油断なく警戒を続けることで、産業界と軍が結合した途方もなく大きな防衛組織を暴走させることなく平和目的に導いていくことが初めて可能になる。安全保障と自由がともに十全なる発展を遂げていけるよう、そうした状況を生み出していかねばならないのです。 |
そして、佐藤氏は次のような恐ろしい事実を紹介しています。
しかしアイクがこの演説をしているさなかにも米軍とCIAはキューバに侵略戦争を仕掛ける陰謀計画を着々と準備していた。「カストロの信奉者」を自称する偽の「テロリスト」 に派手な犯罪を起こさせたり、民間機そっくりに偽装した軍用機を偽装キューバ軍に撃墜させたり(これはチャーターしておいた民間機を実際に飛ばして旅客のすり替えを行うという手品まがいのトリック付きだ)、キューバ軍に偽装した米軍作戦部隊が米国都市にテロリズムを仕掛けるなどの〃自作自演〃で米国の議会と国民を騙してキューバ侵略戦争を承認させる等々、二〇〇一年の 「9・11事変 で起きたのとそっくりな偽装テロリズムを巧妙に仕組んだ 「ノースウッヅ作戦」計画が超極秘裏に練られていたのだ(同計画の詳細は小社刊『もうひとつの反戦読本2/徹底暴落イラク侵略のホンネと嘘』を参照)。 軍産複合体という〃悪性新生物〃が生まれて自己運動を始めたことで、戦争は儲かる商売になつた。ヴェトナム紛争からの米軍撤退を思慮していたケネディはテキサスで暗殺され、そのテキサスから選出されていたリンドン・ジョンソン副大統領が急きょ大統領に昇格して、ヴェトナム戦争が一気に拡大されたわけである。……これは四十年前の出来事であるが、軍産複合体に寄生する巨大企業の重役たちが、レーガン政権、父ブッシュ政権、そして現在の(テキサス知事から大統領になった)小ブッシュ政権に閣僚として乗り込んでいる。ラムズフェルドも軍人あがりだが、軍需企業の重役から閣僚になった典型的な人物なのである。 |
1989年12月3日、当時のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長兼最高会議議長とブッシュ大統領(第41代・父)がマルタで会談(マルタ会談)し、東西冷戦の終結を告げられ、世界は軍備から解放される道を歩みだす筈でした。
このまま軍縮の道を進めば、「軍産複合体に寄生する巨大企業の重役たち等、又、その軍事産業自体」の将来は暗く閉ざされてしまう筈だったのです。
ところが、その1年と1月ほどの後の1991年1月17日米国は(「駐米クウェート大使の娘の偽証により、米国世論の操作し、多国籍軍を編成して」イラクに対して攻撃を開始し、湾岸戦争を始めてしまいました。
(この戦争の大儀の胡散臭さは、多くの方も記述しています。
そして拙文《ストップ・ザ・コイズミ(3)》などもご参照いただきたく存じます。)
この件に関して佐藤雅彦氏は次のように記述されています。
一九九一年一月に勃発した「湾岸戦争」の〃大義〃とは、前年の八月の「湾岸危機」に際して、彼ら侵略者を武力で追い出すということだった。 けれども、このもっともらしい〃大義〃自体がインチキだったことは、今や歴然としている。 たとえば米英が、一方ではクウェイトにイラク石油の盗掘やフセインヘの侮辱的言動を唆し、また一方ではフセイン大統領にクウェイトへの武力制裁の〃黙認〃をほのめかしていたのである。これらのことは、湾岸戦争が始まる前から暴露されていたし、湾岸戦争終結直後にも、戦時中に米英がついた嘘が暴露された。例えば、米国議会や国連に「対イラク戦争」開戦を認めさせるために、在米クウェイト大使館員の娘が「侵略現場に居合わせたクウェイト人女性」だと嘘をついて「イラク兵が病院の保育器に入っていた未熱児を次々と引きずり出して殺した」云々という真っ赤な嘘をついていたことや、そしてこの詐欺芝居がクウェイト政府系の偽装NGOの業務委託に基づき、米国共和党系のPR会社「ヒル&ノールトン」 によって展開された一種の心理戦だったことなどである。 これらの暴露は戦争の一端をあぶり出した。つまり、英米が中東湾岸地域の産油国同士の喧嘩を煽っておきながら、混乱に乗じて武力を投入してそのまま居座り、主要産油国であるイラクに因縁をつけ続けたというのが、「湾岸危機」および「湾岸戦争」とそれ以降の湾岸情勢の実態だったのである。 |
そして、この湾岸戦争の米国等の不条理については、拙文《暴君はフセインですか?米国ではありませんか!》にも引用させて頂きましたが、ラムぜー・クラーク氏(1961〜68:米国法務省次官、長官)の著した『湾岸戦争』(地湧社発行)に詳述されております。
そして、米国で2001年9月11日、いわゆる「同時多発テロ」が発生するや、ブッシュ大統領は「テロは悪、対テロ戦争は正義の戦いであり、21世紀型の”新しい戦争”」などと宣言します。
(拙文《戦争とテロ》から以下を再掲します。)
ブッシュ米大統領は12日午前(日本時間同日深夜)、主要閣僚との会議後に声明を発表、11日の同時多発テロを「戦争行為」と非難し、敵対組織との戦いに全力を挙げる決意を表明した。 (毎日新聞9月13日) |
ブッシュ大統領は、次のような演説をするのです。
各国は米国の側につくのか、テロリストの側か、選択しなければならない。 (毎日新聞9月21日) |
このように民主主義の国の大統領が勝手に独断で選択肢を2つの絞ってしまったのです。
そして、この9.11同時多発テロの胡散臭さは《『911 ボーイングを捜せ』 公式サイト》を御覧頂き、又、『911 ボーイングを捜せ』のDVD或いはビデオを「ハーモニクスプロダクション:郵便振替:00180−7−666318」に申し込まれて、御覧になれば、“百聞は一見にしかず”の喩え通りに、ペンタゴンに突っ込んだのはハイジャックされたボーイング機ではなく、ミサイルの類である事が判ります。
(貿易センタービルへ突っ込んだのも、ハイジャック機ではないと類推できます。)
なにしろ、ハイジャック犯はビンラディンと言いつつその証拠は未だ上がっていません。
(小泉首相は、“そのはっきりした証拠は米国から提示されたが、犯人の逮捕のためには、今は秘密”と語っていましたが、未だに犯人(ビンラディンは捕まっていません。)
従って、「9.11同時多発テロ」というのは、湾岸戦争同様に「東西冷戦」後の軍事産業を維持拡大する為の、文字通り「新しい戦争」の創造と思えてなりません。
この件は、次の記述を見れば尚はっきりします。
クリントン政権時代の一九九〇年代に、政治浪人として″在野″から再度の権力奪取を狙っていたネオコン連中は、一九九七年六月に「米国の新世紀のためのプロジェクト」(PNAC)という圧力団体を立ち上げ、半年後の九八年一月に「サダム・フセイン排除勧告」を作成してクリントンに突きつけた。これはサダム大統領を〃政治的に暗殺〃して政権転覆を実現するために戦争を仕掛けろと唱えたもので、イラク侵略戦争を堂々と宣言した最初の文献といえる(PNACとこの勧告文書の詳細は小社刊『もうひとつの反戦読本』を参照)。 イラク侵略戦争は「9・11事変」に対する米国の報復気運に便乗して実施された〃陰謀〃だ。なにしろ小ブッシュ政権の首脳部連中は「9・11」騒動の勃発直後から証拠もないのにイラクが反抗の黒幕だと断言し、宣伝していたのである。 |
このネオコン連中によるPNACがらみの胡散臭さを、先の拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(1)》に引用させて頂いた、マイケル・ムーア監督の著作『おい、ブッシュ、世界を返せ!(訳:黒原敏行、発行:アーティストハウスパブリッシャーズ)』からの一部を再掲させて頂きます。
二〇〇〇年に政権を握ると、息子ブッシュは国防総省をこのいかれた極右グループの手に渡した。 9・11のあと、ラムズフェエルド国防長官とウォルフォウィッツ国防副長官を始めとする戦争屋集団が、″新たな永続的対テロ戟争″政策のひとつとしてイラク攻撃への道を押し進んだ。それから一気呵成に七百億ドルの新たな兵器の購入を含む四千億ドルの国防予算を計上した。 9・11のおかげで、ウォルフォウィッツと彼のタカ派の仲間は国民にアピールできる敵を見つけたのだ。クリントン政権のCIA長官ジエイムズ・ウールジーも一役買って、第四次世界大戦が始まったとはやした(冷戦が第三次だったんだってさ)。彼らの考えでは、″対テロ戦争″は一国主義にもとづく無制約の戦争となり、冷戦と同じくらいか(五十年)それ以上、もしかしたら永久に続くかもしれないという。嘘だと思うなら、ドナルド・ラムズフェエルドの言葉を聞いてみるといい。「それはおそらく熱い戦争ではなく冷たい戦争になるだろう。考えてみると、冷戦はおよそ五十年間続いた。大規模な戦闘はなく、対立関係が持続したのだ……いまわれわれが直面している状況もそのようにとらえたほうがいいだろうと、わたしは考えている」 うわ――終わりのない戦争ですか。これが現実だと信じさせることができれば、国民はなんだってやらせてくれるわけだ。国民を護るという建前を掲げるかぎり。…… |
この記述から、東西冷戦後の新たな軍事産業の生き残り、いや!それ以上に発展の為の理由付けとしての、″新たな永続的対テロ戟争″の構築の手際を知る事が出来ます。
即ち、「9・11」騒動は、″新たな永続的対テロ戟争″の構築の手始め足掛かりであって、ビンラディンらのテロ犯の仕業とは到底思えなくなります。
なにしろ、拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(2)》にも抜粋させて頂きましたが、ウォーターゲート事件のスクープで有名なワシントンポスト紙編集次長ボブ・ウッドワード氏の著作『ブッシュの戦争(日経新聞社発行)』で、次の記述を目にします。
『ブッシュの戦争』から順次抜粋させて頂きます。
先ず、138ページです。
パウエルは、アルカイデが同時テロの背後にいるという論拠を築く必要があるといった。 「これは法的案件ではない」ラムズフェルドが反論した。「事件との関連はありません」問題になっているのは、特定のテロリズム行為ではありません。アルカイダがテロリズムを信奉しているのは、だれもが知っています。ビン・ラデインその他が、公に何度も繰り返して述べている。これまでも、彼らに対する正式起訴、連邦法による刑事告発を何度となく行なってきた。「なかには臆病な国もあります――それぞれ異なった展望を抱いているのです。われわれの論拠を支える証拠がない場合には連合がばらばらになると、マスコミはいうでしょう」 |
180ページです。
われわれは白書を望んでいるのか? あるいは必要なのか? と、ラムズフェルドが疑問を投じた。まずい前例をこしらえることになりかねない。われわれがテロリストもしくはテロ支援国家に先制攻撃を行なおうと決めたとする。そうなったとき、当然、白書が発行されるものという期待が生じる。それが無理な場合もある。国家安全保障にかかわる軍事行動の決定は、往々にしてごくわずかな証拠に基づいており、それらの証拠は法廷ではまったく通用しない場合もありうる。白書を出すのは、自分たちの首を絞めるようなものだ。 |
(他の記述は、先の拙文をご参照下さい。)
9.11の事件が、ビンラディンらのテロ犯の仕業ではないにしても、「ネオコン連中によるPNAC」などの組織の仕業とはとても考えられない!
3000人以上の一般市民をテロ犯でもない組織が殺害するなど信じられないと!
しかし、理由もなく米国軍などによって侵略されたイラクの一般市民の死者数はそれをはるかに上回っています。
(http://www.iraqbodycount.net/)をご参照下さい。
Civilians
reported killed by military intervention in Iraq |
|
---|---|
Min | Max |
23209 | 26264 |
勿論、米国兵士も亡くなっています。
(大儀もない戦争の為に!)
そして、大儀のない事がイラク侵略の前から、英国閣僚達も知っていた事実が、暴露されたのです。
この件について、当初に掲げた佐藤雅彦氏の記述から抜粋させて頂きます。
その後もイラクへの軍事攻撃を正当化する理由をあれこれとデッチ上げたが、最も声高に喧伝されたのは周知のように「イラクは大量破壊兵器を隠している」という言いがかりであった。……だが今やこれが嘘だったことは米政府自体が事実上認めてしまっている。 ……その陰謀の決定的な証拠として、今年五月一日に『サンデータイムズ』紙にすっぱ抜かれた。米英の政府首脳が二〇〇二年の夏、すでに謀議をめぐらして、イラクに戦争を仕掛けるためのもっともらしい理由づけのデッチ上げを企てていたことが、暴露されたのだ。 この謀議がイギリス首相官邸で行なわれたことことから、謀議の記録文書は「英国政府官庁街メモ」(ダウニングストリート・メモ)と呼ばれている。 …… 小ブッシュとブレアが戦争犯罪人だという決定的証拠が、英国政府首脳の謀議メモという形で出現したことで、まず英国、そしていまや米国で、政府追及の嵐が吹き始めている。反戦運動の指導者として知られる英国労働党のジョージ・ギャロウェイ下院議員は、六月一日にアル・ジャズィーラTVのインタビュー番組に出てこう語った──「ブッシュとブレアと日本の総理大臣とベルルスコーニ(イタリア首相)。こいつらは犯罪人ですよ。 こいつらは世界の大量殺戮を進めてきた元凶だ。だから我々はこいつらを裁判にかけねばなりません」。初めに侵略戦争ありきのイラク開戦計画謀議が暴かれたことで、戦争首謀者とその ″使用人〃どもの責任追及が始まるのは必至の情勢である。「大量破壊兵器保有」 のデマを根拠に侵略戦争を後押しした小泉首相やその取り巻きも、もはや安泰ではいられない。 |
『ダウニングストリート・メモ』の抜粋
秘密情報につき本人以外の閲覧を厳禁する−閲覧が必要な英国政府要人のみに閲覧を許可する …… イラク案件についての首相の会合(七月二三日) 七月二三日、貴殿(マニング卿)は、本件複写文書の送付先として上記に列挙した関係者たちと共に、ブレア首相とイラク案件について議論した。 …… C(秘密諜報部MI6のデイアラヴ長官)、は 先日ワシントンで行った(CIAのテネット長官との)会談の結果を報告した。それによれば(米国政府は)イラクへの軍事行動をもはや取り止めにはできないと考えている。 ブッシュはサダムを放逐したがっている。それも軍事行動で。しかもテロ活動と大量破壊兵器を結びつけて軍事攻撃を正当化することによってだ。しかしそのために、諜報成果と事実とを政策の都合に合うように、現にねじ曲げているのである。NSC(米国の国家安全保障会議)は国連ルートでの問題解決を辛抱づよく待つつもりもないし、イラク政府側の記録についての調査結果を発表する気もない。しかも軍事行動が終わってからどうするかについて、ワシントンではほとんど議論されていないのである。 …… 米国の選択肢はおおむね次のどちらかとなる − 。 (a)充分な準備をしたうえでの開戦──米軍は時間をかけて25万人規模の軍勢を整え、それから短期間(72時間)の空爆を行ったのち、南方からバグダードに向けて兵を進める。 この場合、開戦までに90日間かかる(準備に30日、クウェイトヘの配備に60日間が必要)。 (b)急襲で助走をつけての開戦──中東戦域にすでに配備されている兵力(6千人×3箇所)を用いて空爆を続ける。この空爆を開始するためにイラク側に非があるような「開戦理由」をデッテ上げる。開戦までの準備期間は60日間かかるが、本格的開戦の前に空爆で″助走″をつけるわけだ。これは危険を伴う選択肢だ。 …… (ストロー)外務大臣は、 今週この案件についてコリン・パウエル(国務長官)と話し合うつもりだと述べた。具体的な日程こそまだ決まっていないがブッシュがすでに軍事行動開始の腹を決めているのは疑いようがない。 だが攻撃理由が見当たらないのだ。サダムがイラク近隣諸国を脅しているわけでもないし、イラクの大量破壊兵器能力はリビアや北朝鮮やイランよりも劣っている。だから我々としては当然のことながら、サダムに国連査察団の受け入れ再開を迫る最後通牒を突きつけるという計画を練る必要がある。これを使えば軍事力の行使を法的に正当化することも可能になるのではないか。 …… (ブレア)首相は、 もしサダムが国連査察団の受け入れを拒めば政治的にも法的にも風向きががらりと変わるだろう、と述べた。「大量破壊兵器を製造しているのは他ならぬサダム政権だ」という趣旨で、イラクの政権交代と大量破壊兵器問題は結びつけることができる。リビアやイランを相手にするのとは別の戦略がいろいろあるだろう。政治的な理由づけがうまく行けば、民衆はイラクの政権交代を支持してくれるだろう。 そこで重要な問題が二つ出てくる。 第一は計画通りの軍事行動を実施できるか、 第二はその軍事行動の計画をうまく実施できるような政治戦略が、我々にあるかどうか、という問題だ。 …… (フーン)国防大臣は、 (ブレア)首相が英国も軍事関与したいと思っているなら早く決断を下す必要がある、と述べた。国防大臣はさらに、米国では(国連を通じたサダムヘの)最後通牒つきつけの手続さに手間をかける価値などないという意見が多数を占めている、と注意を促した。首相がブッシュに率先して (サダムへの最後通牒つきつけを国連に行わせる)政治状況を作り出すことが重要であろう。 |
このメモの全文は、安濃一樹氏のホームページ「イラク侵略という巨大な犯罪」に詳述されています。
(http://japana.org/peace/japana/secret_memo.html#note1)
そして、このような米英の思惑が罷り通っては、「何でもあり」の世界になってしまいます。
従って、このメモが暴露されて政権が苦境に陥っているのでは?と思われる英国で最近発生したテロ事件も同じ類(?)と感じてしまいます。
犯人と思われる人々が、短時間の間に捕まり、彼らの疑わしい行動が映像として紹介されたりしていると、なんだか恐ろしい事が起こっているのでは?と考えざるを得ません。
なにしろ、当局(?)が前もって疑わしい(自分達に不都合な)人物達をマークして、彼らを犯人として仕立て上げるのに好都合な彼らの行動の映像、証拠類を蓄積しておいて、或る時(政権担当者たちに有利になる時)に、当局が独自で((彼らを運び屋に仕立て上げたりして)彼らを巻き込むようにして)テロ事件を画策、実行して、彼らを直ちに犯人に仕立て上げて逮捕するかもしれません。
何でもあり状態の今では、先の『ブッシュの戦争』162ページに紹介された内容をどう理解すべきでしょうか?
木曜日、イギリスではブレア首相が下院の緊急本会議で、ウサマ・ビン・ラデインのアルカイダ・ネットワークが9・11同時テロの犯人であることを示す証拠があると言明した。首相官房は、主張事実をきわめて詳細に述べた一六ページにおよぶ秘密扱いでない文書をインターネットで公開したが、国家機密に属する具体的な細部の情報は公開しなかった。 イギリスの報告書公開は、同盟国や各国首脳の要求を浴びたパウエル国務長官が証拠を公に示すと約束した一二日後のことだった。また、木曜日にはパキスタン外務省が、9・11にビン・ラデインが共犯であることを示す充分な証拠をアメリカから提供されたので、法廷での起訴が可能であると発表した。アメリカの事件をイスラム国家が明確に支持したことは有益だった。 一日にして、パウエルとラムズフェルドが対立していた白書発行の件は消え去った。 |
英国ブレア首相の“ウサマ・ビン・ラデインのアルカイダ・ネットワークが9・11同時テロの犯人であることを示す証拠がある”との発言の信憑性を私は疑わざるを得ません。
小泉首相も当時
“米国からは、ビンラディンが犯人である確たる証拠を示して貰ったが、 犯人逮捕に支障をきたすので、今は、その証拠を公にする事は出来ない。” |
と語っていましたが、小泉氏は今もって、その証拠を私達に示してはくれません
それにしましても、ブレア政権の人達が認識していた事実を、ブッシュ大統領との親密度を誇る小泉氏が知らなかった筈はないでしょう!?
若し知らなかったとしたら、小泉氏は余程の頓馬と言う事です。
そして、知っていたとしたら、とんでもない日本国民に対する大嘘吐きです!
そして、イラクへ(アフガニスタンの場合も)攻め込む理由もなく侵略し多くの方々を殺害した事が許されるのですか!?
従って、先の佐藤雅彦氏の下記の記述は重要な意味合いを有しています。
英国労働党のジョージ・ギャロウェイ下院議員は、六月一日にアル・ジャズィーラTVのインタビュー番組に出てこう語った──「ブッシュとブレアと日本の総理大臣とベルルスコーニ(イタリア首相)。こいつらは犯罪人ですよ。 こいつらは世界の大量殺戮を進めてきた元凶だ。だから我々はこいつらを裁判にかけねばなりません」。 |
そして、悲しい事に小泉首相は、大儀無きイラク戦争の片棒を担ぎながら、イラク国民へ謝罪していません。
そして、“イラクに民主主義を齎した”との戯言を言っています。
このような極悪非道の行為を共犯して行った米英日などの国自体が“民主主義国家”なのでしょうか?
(本日8月6日の朝日ニュースターの“パックインジャーナル”にて元参議院議員の平野貞夫氏は、
“日本は、民主主義国家ではなく北朝鮮同様の独裁国家” |
と指弾していました。)
どんなに民主主義が良いものであったとしても、民主主義で死者が生き返るのですか?
小泉首相は、先ずイラクの方々へ謝罪して、亡くなられた方々に追悼の念を捧げるべきです。
ところが、イラクの人達を置き去りにして、小泉氏は「靖国参拝」に固執しています。
何故でしょうか?
雑誌『正論』(平成17年8月号)「靖囲神社の本務とは」で軍学者兵頭二十八氏は次のように記述しています。
……靖国神社は、十九世紀の帝国主義時代を日本国民がサバイバルするために建立された、近代日本にまさにあるべき戦捷祈願の国定施設であった。 維新の元勲が戌辰の役を振り返れば、伏見で初弾が放たれた慶応三年百三日(旧暦)こそが日本の近代の夜明けだ。 その近代日本の護国の鬼たちを漏れなく等しく顕彰することで、これからも、戦争を指導する者と指揮される者が団結できる。 さいしょから靖国神社は、戦死者の冥福を祈る場ではなかったし、今後もあるべきでない。 いわんやそこで不戦平和を誓うなど、戦死者を愚弄する暴挙にしかならぬ。…… |
このような靖国神社への参拝に何故小泉氏は拘るのでしょうか?
確かに自分が自民党総裁になる際に、日本遺族会へ公約を護る為とも考えられますが、小泉氏のこのような行動を一番喜ぶのは誰?どんな組織、団体?
それはアイゼンハワー元大統領が危惧した「軍産複合体」ではありませんか!?
日本は軍国化し、近隣の韓国中国から敵対視されれば、アジアは不安定になり各国とも軍拡へと走るでしょう?!
そして、その現象をほくそ笑み、それで大儲けするのは?
小泉氏は「軍産複合体」(?)に良いように踊らされ利用されているのではありませんか!?
(若しかしたら、彼らの一員に取り込まれているのでは?)
又、『週刊朝日(2005.8.5)』のコラム「ギロン堂」で田原総一朗氏は次のように記述しています。
産経新開(7月21日のコラム「正論」で、上坂冬子氏の「新憲法へ関心高まる世論を実感」という文章を読んで、感慨を覚えた。 1992年5月、上坂氏が新潟市主催の講演を頼まれながら、「中央公論」5月号で「憲法はいまのままでいいかと思うかと、国民に問いかけてはどうか」と書いたために、新潟市から講演を断られたという出来事を、私ははっきりと覚えている。確か、憲法記念日の講演だったのではないだろうか。 …… 92年というのは、日本の世論が大きく変わる微妙な年であった。 きっかけになったのは、もちろん湾岸戦争だ。イラクによるクウェート侵攻に対して、国連安保理の採択によって、多国籍軍が結成。91年2月にイラク軍をクウェートから追い返したが、日本の自衛隊は参加しなかった。 アメリカに求められて130億ドルを提供したが、肝心のクウェートからは評価もされなかったのである。 この一件をきっかけに、自衛隊による国際貢献が必要だとする意見が盛り上がり、しだいに改憲論も勢いが増していった。 …… だが、「正論」で上坂氏が力を入れて書いているのは、新潟の〃事件〃のことではなく、7月15日に札幌で行われた自民党新憲法制定推進本部主催の「新憲法──国民の声を聞く集い」のことであった。 中曽根元首相の基調講演の後、パネルディスカッションのメンバーとして、上坂氏は参加した。2千人収容の会場が超満員で、会場には入れずに帰った人もたくさんいたという。 上坂氏にしてみれば、やっと健全な時代になりつつあるということなのだろうが、上坂氏の健全さは評価しながら、時代に対してはいささか危惧を抱いている。 …… 私は護憲派ではないが、護憲派が講演やメディアから締め出されつつあるのは、とても危険な兆候だと思わざるを得ない。 |
小泉首相の提灯持ちに成り下がってしまった田原氏は「キーワードは軍産複合体」を故意に無視しているのでしょうか?
湾岸戦争のキーワードが「軍産複合体」であれば、東西冷戦後の世界平和を再び軍拡の世界に引き戻そうとするのが狙いなのですから、軍隊の行使を拒否してお金での解決など望まれもせず感謝もされないでしょう!
(お金だけは望まれますが、感謝などあるはずはありません!)
そして、今では、中曽根元首相らの音頭とりで、その音頭に日本中が浮かれながら平和憲法を放棄し、自衛軍という軍隊を持とうと踊り狂っているのです。
このような改憲の動きも、「キーワードは軍産複合体」ではありませんか?!
戦争(軍拡)して誰が喜ぶのですか?!
(補足)
『紙の爆弾(9月号)』に、この雑誌の発行所の「鹿砦社」の松岡利康氏は、7月12日次の理由(名誉毀損行為)で逮捕されたと書かれています。
その拘置理由は
第一 阪神タイガースの元スカウト、 渡辺省三氏が死亡した問題で、長女の直子氏が執筆した原稿を「スキャンダル大戦争」に掲載。その中で、松岡と直子氏は共謀し、元阪神タイガースの球団職員二名の名前を実名で表記し渡辺省三氏の殺害に深く関与しているかのような内容を記した。 第二 パチスロ業者のアルゼの代表者について、私生活上の行状やその犯罪行為を内容とする事実などを掲載、個人のプライバシーを侵害した。 第三 アルゼの代表者の有罪判決について、判決文をインターネットで掲載した。 |
この三点が問題であり、名誉毀損行為だとしているのである。
松岡利康氏の逮捕理由は以上の点にあるのでしょうか?
彼の雑誌には、米国ブッシュ大統領の暴露記事などが載ったりしていました。