ブッシュ氏とその政権の危険性(2)
2003年12月23日
宇佐美 保
拙文《アホでマヌケなアメリカ白人とポチ》、《ブッシュ氏とその政権の危険性(1)》にて指摘致しましたが、マイケル・ムーア監督最新の著作のタイトルのように、 “おい、ブッシュ、世界を返せ!”と私達は声をあげるべきと存じます。
そして、更には、ウォーターゲート事件のスクープで有名なワシントンポスト紙編集次長ボブ・ウッドワード氏の著作『ブッシュの戦争(日経新聞社発行)』を読んでも、この感が強くなります。
この書『ブッシュの戦争』は、ボブ・ウッドワード氏が、「読者へのノート」の中に次のように、綴っています。
本書は、二〇〇一年九月一一日の同時多発テロからの一〇〇日間における、ジョージ・W・ブッシュ大統領の戦いの報告である。 本書のために入手した情報には、もっとも重要な懸案を論議し決定するために、この一〇〇日間に延べ五〇回も開催された国家安全保障会議など、さまざまな会議の筆記記録が含まれる。大統領や主要閣僚の発言を引用した箇所の多くは、こうした記録に拠る。それ以外にも、個人の記録、メモ、日誌、内部文書、議事録といった文書も、発言の引用そのほかの部分の根拠となっている。 それにくわえ、わたしはブッシュ大統領、主要閣僚、ホワイトハウスのスタッフ、国防総省・国務省・CIAで現在もさまざまな地位に就いている政府関係者など、戦争のための意思決定と遂行にかかわった一〇〇人以上にインタビューした。情報源の多くには繰り返しインタビューを行ない、そのうちの何人かには五回か六回、あるいはそれ以上のインタビューを行なった。インタビューは大部分がバックグラウンド――情報は使用してよいが情報源の氏名は本書では伏せるという条件――のもとに行なわれた。情報源のほぼ全員から録音許可を得たので、本書では情報源の話を正確に字句どおり伝えることができた。…… |
このような状況下で書かれた著作ですから、ブッシュ氏、そしてその政権幹部の言動、更には人柄をも窺い知る事が出来ます。
一読しますと、ブッシュ氏が、度重なるホワイトハウスへのテロ攻撃の警報や避難の進言をも無視して、ホワイトハウスで執務を続ける偉大なる大統領と思えるように綴られていますが、よく読むと、多くの疑問点にぶつかります。
(ご一読を薦めます。)
そこで、私が気になった点を、以下に列挙させていただきます。
1)
勘に頼るブッシュ |
182ページには、次のような記述があります。
「勘に頼るしかないと思う」とブッシュはいう。「わたしは教科書どおりにやるような人間ではない。直感で動く人間なんだ」 ブッシュと補佐官たちは、この戦争のための教科書はないということを、ひしひしと感じていた。 |
192ページでは、
わたしは直感だけでもやれる。わたしはベトナム戦争時代の申し子だ。戦闘のマイクロマネージメント(微細な点まで定めて部下に自由裁量を与えない管理方法)と目前の戦術の方向性を決めることは、似て非なるものだ」前者のようなやりかたはしないと、ブッシュはいった。「それよりは、意識を大切にしたい。切迫感ではなく、目的意識と、前進しようという意欲だ」そういうアメリカらしい強みが失われているのではないかと、ブッシュは心配した。…… |
223ページでは、
「大統領という仕事の面白さは、じつに不思議だが、あまり郵便物に目を通さないことなんだ。ひとついえるのは、わたしが直感に頼っているということだ。 |
341ページには、
ブッシュのリーダーシップの手法は、ともすればせっかちなものになりがちだった。行動と解決を要求する。一度進路に乗ったら、突き進むことに全エネルギーを集中し、めったに振り返らず、迷いや全力を傾注すること以外のすべてを鼻であしらい――嘲ることまである。後悔の念を抱くことはほとんどないように見える。とっさに浮かんだとしか思えないような短く強い言葉を吐くこともある。 「信じがたいかもしれないが、わたしは自分たちのやっていることに迷いを持ったことがない」ブッシュは、のちのインタビューでこう答えている。「疑問を抱いたことはない……正しいことをしていると信じている。一点の曇りもなく」 ライスは、この特質を知っていた。だが、迷いが健全な政策をこまやかに支える場合もあると、ライスは思っていた。どんな決定を下すときでも、入念に考え直すという過程がなくてはならない。注意信号旗を立てたり、必要とあれば赤信号を点灯するのは、自分の仕事だ。 |
更に酷い事に、345ページでは、政権幹部以外の他人の見解に耳を貸さないと大見得を切っている様が紹介されています。
「なによりも大統領は背骨のカルシウムでなければならない。わたしが弱くなれば、チーム全体が弱くなる。わたしが迷えば、間違いなくいろいろな迷いが生じるだろう。われわれの能力へのわたしの信頼の度合いが低下すれば、それが組織全体に伝わってゆく。要するに、われわれは自信を持ち、決意を崩さず、一体になることが不可欠だ」 ブッシュは、チーム全員が同じ気持ちであることを望んだ。「わたしの周辺には不安定なものなどいらない……こういう厳しい局面に、心配で気が気でないというような雰囲気があるのは好ましくない」 そういう不安はマスコミが増幅したものだと、ブッシュは決めつけていた。ブッシュは、マスコミの報道に対して、斜に構えていた。「社説は読まない。テレビも見ない――ケーブル局は過度に興奮した伝えかたをするし、いわゆる専門家や退役大佐のたぐいの話は、単なる雑音にすぎない」…… |
更に、445ページには、著者のボブ・ウッドワード氏に直接語った言葉が紹介されています。
わたしが、ブッシュ大統領の最終インタビューのために、クローフォードに赴いたのは、その四日後、2002年8月20日のことだった。…… インタビューのあいだ、「わたしは教科書どおりにやる人間ではない。直感で動く人間なんだ」という発言も含め、ブッシュは十数回にわたり、自分の″直感″や″直感に従った″行動のことを口にした。政治家、大統領、最高司令官であるブッシュの役割が、自分の直感――自然のままに出てくる結論や判断――への信仰を原動力としていることは明白だった。ブッシュは、自分の直感を二番めの宗教のように信じていた。 |
このこれらの正気とも思えない「ブッシュ氏の直感頼り」には、私は愕然としてしまいました。
社説は読まない。テレビも見ない……と言うくだりは、拙文《アホでマヌケなアメリカ白人とポチ》で引用させて頂いた『アホでマヌケなアメリカ白人(柏書房発行)』に書かれていますように、
“ジョージ、あなたは成人レベルの読み書きができますか?” |
との著者ムーア監督の心配通りなら、社説など読んでもご理解できないでしょう。
でも、拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(1)》にも、引用させて頂きましたマイケル・ムーア監督のDVD作品『アホでマヌケなアメリカ白人』の中で、
ブッシュ氏は“私は、えん罪など無いと信じています。死刑になった者は全員有罪の筈です。” |
と宣うて居られるのですから、ブッシュ氏の直感には大いなる疑問を抱き、恐怖を感じます。
なにしろ、さきのに抜粋しました192ページの“「勘に頼るしかないと思う」とブッシュはいう。……”の直ぐ後には、ブッシュ氏がとても理性を有した人物でない様が描かれています。
ニューヨークの爆心地を訪問したときの光景が、いまもブッシュの脳裏に焼きついている。「そこにいた人々が、疲れた顔で、こちらの目を覗き込み、『やつらを叩きつぶせ』というんだ。だから、やつらを叩きつぶす。疑問の余地はない」その時点では、ブッシュは国民の強い圧力を感じていなかった。「いっぽうで、わたしの体、わたしの時計は――自分でもどうしようもない――本能だけになっている……やる気満々になっている。 |
まるで野獣ではありませんか!?
群衆が『やつらを叩きつぶせ』と喚いても、ブッシュ氏が大統領であるなら、先ずは群衆の高ぶる気持ちを静める事が大切ではありませんか!?
それには、ブッシュ氏ご自身が冷静であるべきではありませんか?
なのに、“いっぽうで、わたしの体、わたしの時計は――自分でもどうしようもない――本能だけになっている……やる気満々になっている。”では、9.11テロ問題の本質を見失ってしまうではありませんか?
それとも、9.11テロの本質をブッシュ氏自ら隠蔽したかったのですか?
少なくとも、マイケル・ムーア監督は、著作『おい、ブッシュ、世界を返せ!(訳:黒原敏行、発行:アーティストハウスパブリッシャーズ)』の中で、
“あなたは前の月にCIAから受けた報告をもっと真剣に受け止めているべきだったと考えていたんですか? あなたはアルカイダがアメリカ国内でのテロを計画している、そのテロには航空機が使われるかもしれないとの報告を受けていた。” |
と、ブッシュ氏の警戒を怠った罪を訴えておられます。
(拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(1)》にも抜粋させて頂きました)
又、コンノ・ケンイチ氏は著作『世界はここまで騙された(9.11は狂言!!)(徳間書店発行)』の中で、9・11について調査を任された米国国家委員会が、2003年3月31日に公聴会を開いた際の、世界貿易センタービル(WTCビル)で夫を亡くした、ミンデイ・クラインバーグさんの次の発言が紹介されています。
「今、9・11の真実が、かつてないほど求められています。どうして、あのようなことが起こったのか、国の防衛機構のどこに欠陥があったのか、必ず明らかにしてください。 9月11日の朝、ブッシュ大統領は小学校を訪問しました。大統領が教室に入る前に、NORAD(北米航空字音防衛司令部)はすでに、ハイジャック航空機がWTCビルに衝突したという情報を得ていました。にもかかわらず、大統領はそのまま子供たちのいる教室に入り、子供たちが本を読むのを聞くのです。 ブッシュ大統領は、そのとき情報を知らなかったのでしょうか。それとも知っていたのでしょうか。これは、他のハイジャックされた3機にもいえます。重大情報が真っ先に大統領に伝わるようにしているのは、そのためのものです。 もし情報が伝わらなかったのだとしたら、いったい誰のせいなのでしょうか。 私は、一度なら偶然だと信じますが、このようにたて続けた起こるなら、もはや偶然とは呼べません。委員の皆さん、どうか私たちの疑問に答えてください。あなたがたは、国内の対テロ戦争の責任者であり、指揮官なのです。 決められた手順に基づけば、FAA(米連邦航空局)や国防総省のマニュアルには、あらゆる緊急事態への対処法が明確に示されて、定期的に訓練されていました。それによれば、FAAはNORADに通報し、戦闘機を出動させることになっています。航路を外れた族客機の進路を遮断して、パイロットと通信を回復させるのが、軍用機の任務です。 まして9月11日は監視強化期間中でした。米国の北東防空システムは完全な配備態勢をとり、指揮官たちが常時司令本部に陣取って、戦闘機は武器と燃料をたっぷり積んで待機していたのです。 テロリストたちの幸運は、これらが全く有効に機能しなかったことです。 …… さらにいえば、戦闘機は最高スピードを出していませんでした。 もし最高速度で飛んでいたら、戦闘機は相前後してニューヨークとペンタゴンに到着し、確実に多くの人命が救われていたはずです」 |
更に、コンノ・ケンイチ氏は、次のようにも記述されています。
イラク攻撃が行われる前の1月15日、米国全土で「反戦平和デモ」が行われ、参加者はニューヨークだけでも25万人にも上った。 目を引いたのは9・11で家族を亡くした人々の参加と、そのプラカードだった。 「ブッシュ、逃げ隠れはできないぞ! 大虐殺の罪で告発してやる!」 「イラクも、アルカイダも、9・11と無関係!」 「イラクヘの進攻は、むしろテロの脅威を増大させる」 「イラクの人たちが、私たちに何をしたというのか」 「罪のない人々の命が脅かされるのを、黙って見ているわけにはいかない!」 かけがえのない家族を突如として失った人たちが、こうしたスローガンを掲げて、 反戦を訴えているのである。 9・11の遺族たちがイラクを訪問し、米国の攻撃で遺族を失った家族たちと同じ悲しみを分かち合い、互いを励まし合っていること自体、本来なら異常な光景である。 遺族たちがイラクを訪問し、親交を深めることはブッシュ政権に大きな痛手となる。案の定、彼らは露骨な圧力をかけてきた。米国財務省による、次の通達である。 「イラクで遺族が薬や玩具を寄付することは、イラクヘの経済制裁を定めた法律に違反するので、25年の禁固刑と100万ドルの罰金を科す」 2003年10月19日の読売新聞は「米同時テロ賠償訴訟 月末にも本格化2100遺族ら1兆ドル(約110兆円)請求」と大きく伝えている。これは日本の国家予算を大きく上回る金額で、目的は「訴訟を通じ、テロ支援の個人や組織をあぶり出し、追いつめること」だという。この記事を見ても、9・11は伝えられてきたような単純なものでないことが伝わってくるだろう。 |
そして、ボブ・ウッドワード氏『ブッシュの戦争』に戻りますと、このような、ムーア監督やコンノ・ケンイチ氏の記述を裏付けるが如き、大変気になる言動が、記されているのです。
2)証拠無用と力説するラムズフェルド国防長官 |
即ち、ラムズフェルド国防長官は、9.11のテロ犯をアルカイダと特定するには証拠無用と力説しているのです。
この点を、『ブッシュの戦争』から順次抜粋させて頂きます。
先ず、138ページです。
パウエルは、アルカイデが同時テロの背後にいるという論拠を築く必要があるといった。 「これは法的案件ではない」ラムズフェルドが反論した。「事件との関連はありません」問題になっているのは、特定のテロリズム行為ではありません。アルカイダがテロリズムを信奉しているのは、だれもが知っています。ビン・ラデインその他が、公に何度も繰り返して述べている。これまでも、彼らに対する正式起訴、連邦法による刑事告発を何度となく行なってきた。「なかには臆病な国もあります――それぞれ異なった展望を抱いているのです。われわれの論拠を支える証拠がない場合には連合がばらばらになると、マスコミはいうでしょう」 |
180ページです。
われわれは白書を望んでいるのか? あるいは必要なのか? と、ラムズフェルドが疑問を投じた。まずい前例をこしらえることになりかねない。われわれがテロリストもしくはテロ支援国家に先制攻撃を行なおうと決めたとする。そうなったとき、当然、白書が発行されるものという期待が生じる。それが無理な場合もある。国家安全保障にかかわる軍事行動の決定は、往々にしてごくわずかな証拠に基づいており、それらの証拠は法廷ではまったく通用しない場合もありうる。白書を出すのは、自分たちの首を絞めるようなものだ。 |
次の234ページにも驚くべき発言が見られます。
九月三〇日日曜日、長官たちは大統領抜きで集まった。 ……ラムズフェルドは白書の件に話題を転じた。三日前、ナショナル・パブリック・ラジオでパウエルが「まもなく情報が伝えられます」と語って、その案が浮上した。 「主張の正しさを公に証明しなければならないという前例はまずい」とラムズフェルドがいった。 「そのつぎには自分たちの主張の正しさを証明するのに充分な情報がないかもしれないし、われわれに襲いかかる可能性のある脅威に対してわれわれが先制攻撃をかける能力を損なうおそれがある」いつかは、というよりは早晩、先制攻撃が必要になるはずだった。先制攻撃という発想は、そのころ初めて口の端にのぼったが、その後一年のあいだに重要性を増していった。 |
そして、162ページでは、イギリスの言明にて、米国からの証拠提示の件が立ち消えになった事が紹介されています。
木曜日、イギリスではブレア首相が下院の緊急本会議で、ウサマ・ビン・ラデインのアルカイダ・ネットワークが9・11同時テロの犯人であることを示す証拠があると言明した。首相官房は、主張事実をきわめて詳細に述べた一六ページにおよぶ秘密扱いでない文書をインターネットで公開したが、国家機密に属する具体的な細部の情報は公開しなかった。 イギリスの報告書公開は、同盟国や各国首脳の要求を浴びたパウエル国務長官が証拠を公に示すと約束した一二日後のことだった。また、木曜日にはパキスタン外務省が、9・11にビン・ラデインが共犯であることを示す充分な証拠をアメリカから提供されたので、法廷での起訴が可能であると発表した。アメリカの事件をイスラム国家が明確に支持したことは有益だった。 一日にして、パウエルとラムズフェルドが対立していた白書発行の件は消え去った。 |
何と恐ろしい事はありませんか!?
ラムズフェルドは、“自分たちの主張の正しさを証明するのに充分な情報がなくても、われわれに襲いかかる可能性のある脅威に対してわれわれが先制攻撃をかける能力を保持する為に今回も、証拠提示はすべきでない”旨を発言しているのですから、今後、(多分今回も)
十分な証拠が無くても、彼等は他国に攻撃を掛けようとしているのです。
(そんな彼等の意を汲んでか、ブレアが彼等に助け舟(?)を出していたのです。)
そして、大変不思議です。
本当に、9.11の犯人は、オサマ・ビン・ラディンですか?アルカイダですか?
(マイケル・ムーア監督は“サウジアラビアの関与”、コンノ・ケンイチ氏は“イスラエルの関与”を疑っておられます。このお二方の説得力のある記述は、拙文《9.11の真犯人は誰?》で抜粋させて頂きたく存じます。)
それにしましても、ラムズフェルドは何と恐ろしい人物ではありませんか!?
コンノ・ケンイチ氏は、彼の顔を見るたびに背筋が寒くなると記述されています。
私も同感です。
3)イラクのみならず、更なる戦争の拡大 |
そして、更に、恐ろしい人物がテレビ画面に登場します。
リチャード・パール(元国防政策委員長)氏です。
このパール氏に関して、コンノ・ケンイチ氏は、次のように記述しています。
米国防総省・軍事政策委員長で、新保守派の総師でもある。 暗黒のプリンスの異名をとり、イスラエル最大の新聞エルサレム・ポストの役員でもある。新保守派の中でも、パレスチナに対して最も強硬な方針をとり、イスラエルの極右勢力「リクード」と深いつながりがあるらしい。…… ……1996年、右派極右のネタニヤフ政権が誕生し、その政策提言書の作成にあたったのが彼だった。「イスラエルは和平路線から完全に決別し、力による政策に転換すべし」と主張し、クリーンブレイク(完全なる決別)と名付けられた書類には、「イスラエルの脅威になるイラクのフセイン政権の転覆は、イスラエルの重要な戦略目標である。そしてイスラエルが中東の覇権を得るため、中東周辺諸国の不安定化を計る」という恐るべきシナリオが記されていた。…… 彼は最近イラク戦争について、…… 『戦争には聖域はない。これは全面戦争だ。われわれはさまざまな敵と戦っている。いたるところに敵はいる。最初はアフガニスタン、次はイラク、小賢しい外交などやめて全面戦争を推し進めれば、われわれを讃える歌を子孫は歌うだろう』と…… |
何と恐ろしい人物ではありませんか!?
悪魔ではないでしょうか?
しかし、この悪魔の如きパール発言を裏付けるような言動が、『ブッシュの戦争』の至る所に記述されているのです。
しかし、その前に、パール氏の“イスラエルの脅威になるイラクのフセイン政権の転覆は、イスラエルの重要な戦略目標である”発言を裏付けるが如く、コンノ・ケンイチ氏の著作には、次のように記述されています。
先ずは、66ページです。
ラムズフェルドは、イラク問題を提起した。アルカイダだけではなくイラクも攻めればいい。イラク問題に関するラムズフェルドのこの発言は、ひとりだけの意見ではなかった。ポール・D・ウォルフォウィッツ国防副長官も、テロリズムに対する戦争の第一ラウンドでイラクを主要攻撃目標にするという方針を唱えていた。 9・11同時テロ以前、ペンタゴンは長期にわたりイラクに対する軍事選択肢を検討していた。会議の出席者はみな、大量破壊兵器を入手して使用すべく血眼になっているイラクのサダム・フセイン大統領を脅威と見なしていた。テロリズムを相手に本腰で総力戦を行なうのなら、イラクをいずれは攻撃目標にせざるをえない。9・11はただちにフセインを征討する好機を提供してくれたわけで、それに乗ずることもできるのではないかと、ラムズフェルドは提案した。 パウエルは、その時点でイラクを攻撃することには反対で、アルカイダに焦点を絞るのは、アメリカ国民の視線がそこに集中しているからだと反論した。「どのような行動にも大衆の支持が必要です。 |
そして、80ページには、
その日のペンタゴンでのマスコミ向け説明会は、ブッシュ・シニア政権時代にチェイニーのもとで国防次官をつとめたポール・ウォルフォウィッツ国防副長官が行なった。ウォルフォウィッツは、レーガン政権やブッシュ・シニア政権の元高官を中心とする国家安全保障に関して保守的な集団のなかでも、ことに強硬な意見を代弁することが多かった。この世でイラクのフセイン大統領ほど危険な存在はないと信じ、ブッシュがテロリストをかくまうものを本気で征討するつもりなら、フセインをそのリストの一番にあげるべきだと唱えている人々である。 イラクはブッシュ大統領と補佐官たちにとってアフガニスタンと同じくらい重大な問題である、と彼らは主張した。術策に長け、なにをやるかわからない不死身のフセインが、9・11後にアメリカ施設にテロ攻撃もしくは限定的な軍事攻撃を行なうことを決意し、なおかつブッシュがそれに対抗できなかった場合、泥沼化するおそれがある。 ラムズフェルドが、前日の国家安全保障会議で大統領にイラク問題を提起していた。そしていま、ウォルフォウィッツは、いくつかのテロ支援国家に対して公式の警告を行ないたいと論じている。それもまた、第一ラウンドの攻撃目標にイラクを加えるよう大統領を促す動きの一環だった。 |
更に、111ページです。
アフガニスタン戦よりも成功の可能性がはるかに高い軍事作戦というものがありうるのか? とライスがたずねた。そこでイラクがふたたび狙上に載った。 ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官は奮い立った。五七歳のウォルフォウィッツは、態度は穏健に見えるが、政策は強硬派である。一九九一年の湾岸戦争で、地上戦を唐突に中止してフセインを権力の座に残したのは間違いだったと、固く信じている。 大統領就任以来、ブッシュはフセインの力をひそかに弱める手だてを捜し求めていた。ウォルフォウィッツがイラクの反体制派組織への援助活動を推進し、パウエルがあらたな制裁措置への支持取り付けに奔走した。フセインがいまなお大量破壊兵器を開発し、入手し、ひいては使用しようとしているという不安があるし、国連がイラクに査察団を送りこまないかぎり、脅威の正確な実態を知るすべがなかった。9・11同時テロは、アメリカがフセインを討伐するための新しい突破口となったのである。 ウォルフォウィッツはその好機に飛びついた。アフガニスタン攻撃は、見通しが明るくない。約一〇万名のアメリカ軍兵士が、進攻後六カ月にわたってアフガニスタンの山岳戦であがきがとれなくなるおそれがある、とウォルフォウィッツは説いた。いっぼうイラクは、固くても簡単にぼきりと折れる可能性のある強圧的な政権だ。つぶせるかもしれない。フセインが9・11同時テロに関与していた確率は10ないし50パーセントだというのが、ウォルフォウィッツの見積もりだった。とはいえ、テロリズムとの戦いに本腰で取り組むのなら、アメリカはいつの日かフセインを打倒しなければならない。 |
次の116〜120ページでは、アメリカの攻撃目標が、アフガニスタン、そして、イラクだけではなく、何と我が国の近くまでに及んでいる事が記述されているのです。
主要閣僚――パウエル、ラムズフェルド、テネット、カード、そして副大統領――の具申が聞きたい。午後四時にローレル・ロッジで会議が再開されると、ブッシュはそういった。 …… つぎはカードだった。外交政策の経験にとぼしいカードは、一般論から切り出した。「成功の定義はなんでしょう?」とたずねた。なにはともあれ――大統領が繰り返し確認しているように――砂を叩く(砂漠のテントに巡航ミサイルを撃ち込むというようなクリントン政権の弱腰の外交を揶揄している)戦争ではないことを実証するのが肝心だ、といった。「各 国はアメリカの味方か敵か、ふたつにひとつです。境界線が曖昧で、結果が明瞭でない場合、敵方に移ってしまうものもあるでしょう」そこでパウエルとラムズフェルドの言葉をまねた。「UBL(ウサマ・ビン・ラディン:筆者注)だけに限定しないことです。アルカイデのメンバーはすべて敵なのです」 「アルカイダも、だ」ブッシュはカードの言葉をさえぎり、アルカイデのみが相手の戦いではないことを全員に念押しした。 インドネシア、フィリピン、マレーシア、イエメン、ソマリアといった他の地域での同時行動も考慮すべきだ、とカードは論じた。「同じ日に世界中の攻撃目標一〇カ所を、十五個のSEALチームが同時に攻撃すれば、われわれは世界のどこへでも手が届くという重要な意図を伝えることになります」 |
そして、182ページです。
会議中に、ラムズフェルドがいった。「テロリズムとの戦いの一環として、アフガニスタン以外の地域でもなにかを進めるべきではないだろうか? 成否や進捗をアフガニスタンだけで評価されることのないように」 ラムズフェルドが、アフガニスタンを成功の尺度にしたくないと思っていることが、いよいよ明白になっていった。攻撃目標があまりにも貧弱だからだ。どれほどの成果といえるのか? |
そして、202ページです。
ラムズフェルドは、来週早々に軍事行動が開始できるかというブッシュの質問に、まともに答えていなかった。その話題については言葉を濁し、いつもの自分の主張をまたぞろ持ち出し、この戦いは焦点を小さく絞りすぎているし、アフガニスタンだけに固執しすぎているのではないかという懸念を口にした。「いいですか。特殊作戦をいくつか、同時に世界の他の場所で行なうことが肝要であるはずです。地上で行動を起こすべきです――アフガニスタンに特殊部隊を投入する――しかし、それが無理なら、ほかの場所でやればいいではありませんか」自分のチームはあらゆるテロリストの隠れ家に突入し、妨害や破壊工作を行ないます。
ラムズフェルドはどこでもいいから軍を動かしたいのだろう、と思ったものが何人かいた。……」
次の222ページからの抜粋は、ブッシュの見解です。
「フセインが関与していると見ているものは多い」とブッシュはいった。「それは当面の問題ではない。フセインが関与していることをつかんだら行動を起こす。結局のところ、十中八、九からんでいるにちがいない」 そういって、ブッシュは退席した。ライスは、ブッシュといっしょに大統領執務室に戻った。 |
またもや、287ページでラムズフェルドです。
ラムズフェルドが、アフガニスタン以外の戦域におけるテロとの戦争という問題を提起した。誰も興味を示さなかった。 |
そして、先のカード氏以外に、当のラムズフェルドが、“対テロ戦のリストの上のほうには、フィリピン、イエメン、インドネシアがある……”と289ページで発言しています。
チェイニーが、一同が避けていた困難な課題を持ち出した。「ビン・ラデインを捕らえられず、天候が悪化して、作戦の進捗が鈍ったら、一二月や一月にわれわれはどういう立場に置かれるだろう?」 「世界の他の地域でアルカイダを撲滅するためになにかをやるべきだ」ラムズフェルドが、またぞろ自説を開陳した。アフガニスタンでの対テロリズム作戦が滞った場合はいつでも他の地域で軍事行動を起こせばいいと、いまだに考えていた。地球全体で執り行なうという大統領のテロとの戦いの方向性とも一致します。拡大された対テロ戦のリストの上のほうには、フィリピン、イエメン、インドネシアがある。フィリピンは人口八三〇〇万人の島国で、カソリックが優勢ですが、南部ではイスラム教徒反乱分子が根を張っています。ことに注目すべきなのは、アルカイダとつながりがあると見なされているテロ組織アブ・サヤフ集団です。イエメンは、二〇〇〇年二〇月のアメリカ海軍イージス駆逐艦〈コール〉に対する自爆テロ攻撃以降、アルカイダの存在が拡大しているし、パレスチナのハマス(イスラム抵抗運動)、イスラム聖戦機構、その他のテロリスト組織の代表者の根城でもある。インドネシアでは、イスラム過激主義者がいたるところにはびこっています。 しかし、ラムズフェルドに同調するものはいないようだった。 |
またもや、296ページでのラムズフェルドの発言。
「世界の他の地域で目立った行動を起こさなければならない時期がいずれきます。」ラムズフェルドがそう唱えるのは、これで五度目か六度目だった。何日も前からそれを検討したくてしかたがないのだが、他の側近は乗ってこなかった。 |
そして、挙げ句の果てに422ページで、ラムズフェルドは「イラク攻撃が機密事項である事」を露呈してしまいます。
二〇〇二年一月九日、《ワシントン・ポスト》のダン・バルズ記者とわたしは、9・11同時テロ後の一〇日間を取りあげた連載記事のインタビューのために、ラムズフェルド長官を国防絃省に訪ねた。案の定ラムズフェルドは具体的な事柄は語らず、幅広い戦略的概念を論じょうとした。テロリストを阻止する必要性、世界を立て直す好機など、多岐にわたる一二項日のメモを作成していた。 わたしたちが取りあげたかったのは、場面ごとの具体的な話だったので、攻撃の翌日、ビン・ラデインに加えてイラクにも目を向ける必要があるだろうかとラムズフェルドが質問したときのことを、バルズがたずねた。 「馬鹿野郎ども、なんてことをしてくれたんだ!」ラムズフェルドは激昂した。「くそ機密事項をばらしやがるとは……。いや、ここは……」 心配には及ばない、とわたしは請け合った。 「わたしはなにもいわなかったぞ」ラムズフェルドは、大声を出したのはほかの人間だという演技をした。民間出身の特別補佐官ラリー・デイリタに向かってこういった。「ラリー、わたしのうしろで怒鳴らないでくれ」 テープを一八・五秒間、空白にしておきます、とはわたしはいった。 のちに国防総省が公開した一九ページのインタビューの記録は、ラムズフェルドの怒号と″馬鹿野郎ども々と″くそ″という部分が省かれていた。 |
これらの、ブッシュ政権幹部達の恐るべき言動が事実である事は、先にも引用させて頂きましたコンノ・ケンイチ氏の著作『世界はここまで騙された』の次なる記述からも納得出来ます。
先ずは、104ページから。
2002年9月20日、米国を守るための新しい国家安全保障宣言が発表された。いわゆる「ブッシュ・ドクトリン」である。根幹は「米国の脅威になる国に対し、先制攻撃を仕掛ける」というもので、つまりは米国のイラク攻撃を正当化する宣言だった。 ブッシュ大統領は、次のように演説している。 「脅威が具体的な形をとる前に、われわれは敵との戦いに立ち上がる。それは国連を意に介さない単独攻撃で、国連決議は不要だ。目的は米国による中東の民主化で、イラクを手本にして中東全体の民主化を目指す」 この演説の原型は、11年前に存在していた。「冷戦後の国防計画の指針」とされた草案で、現ネオコンの中心人物ウォルフォウィッツによって書かれたものである。しかし、この文書は内容が過激すぎたため、当時のブッシュ政権(現大統領の父)によって、一度は闇の中に葬られた。 |
更に、108ページから抜粋させて頂きます。
ブッシュ大統領は2002年6月1日、ウェストポイント陸軍士官学校卒業式の演説で、「米国は世界60ヵ国を敵として、世界戦争を始める」と堂々と公言した。 確かなことは、一度は葬り去られた新保守派の戦略が、9・11を境にして起り、米国民に支持されるようになったことである。 |
更に、168ページです。
2003年9月25日、ぞっとするようなニュースがニューヨークから伝えられた。「米国は同時テロの2カ月後には、7カ国を攻撃する計画を立てていた」というのだ。 この情報は、ウェズリー・クラーク元NATO最高司令官が、近く出す本の中で明らかにしたもので、ターゲットは、イラク、リビア、イラン、シリア、レバノン、ソマリア、スーダン。この計画は、「悪の枢軸」と名指しした国々に対し、5年がかりで武力行使を行うという壮大なもので、イラク進攻とサダム・フセイン元大統領の打倒は、その一環だったと述べている。 終末(核)戦争は目前に迫っているのだ! |
勿論、マイケル・ムーア監督も、拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(1)》にて引用させ得て頂きましたように
“9・11のあと、ラムズフェエルド国防長官とウォルフォウィッツ国防副長官を始めとする戦争屋集団が、″新たな永続的対テロ戦争″政策のひとつとしてイラク攻撃への道を押し進んだ。それから一気呵成に七百億ドルの新たな兵器の購入を含む四千億ドルの国防予算を計上した。” |
と警告されておられます。
4)パウエル氏の孤立 |
ボブ・ウッドワード氏の著作『ブッシュの戦争』を読んでいると、チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツ各氏等と、パウエル氏とは若干言動が異なっているのに気が付きます。
この件を抜粋します。
先ず426ページです。
パウエルにとって最大の難事は、戦時内閣に顕著な意見の相違はなかったと見せかけるよう求められていたことだった。ブッシュは内紛を公にするのを許さないだろうし、パウエル自身もみずからの掟――軍人は従うべし――に縛られていた。 ブッシュは、銃を持ってこい! 馬を引け! といった命令を下しかねない。そういったアラモ砦流のマッチョな態度が、パウエルには不安だった。とはいえ、ブッシュはそれほど馬鹿ではないし、単騎で突撃するというようなやりかたが突っ込んだ吟味に耐えないことは承知しているはずだと思っていた。いや、そう願っていた。アフガニスタンでの戦いが、そういう理解を深める手本になったと思いたかった。 パウエルからすれば、機械のなかの幽霊(哲学者ライルがデカルトの身心二元論における精神の扱いを批判した表現)はラムズフェルドとチェイニーだった。ふたりともたえず銃や馬に頼ろうとする。 |
更に、パウエル氏は孤軍奮闘している様が、438ページに伺えます。
八月上旬、パウエルはインドネシアとフィリピンを歴訪したが、例によってそのあいだも、本国の情勢をつねに把握していた。イラク問題がずっと沸き立っていた。湾岸戦争時にブッシュ・シニアの国家安全保障問題担当大統領補佐官をつとめた穏やかな物腰のプレント・スコウクロフトが、八月四日日曜日の朝のトークショーで、イラク攻撃は中東を‶煮えたぎる大釜に放り込むようなもので、その結果、テロリズムとの戦いをだいなしにする‶と述べた。 かなり露骨なものいいだが、基本的にはパウエルも同意見だった。パウエルはそれまで自分の分析と結論を大統領の前で明らかにしたことはなかったが、そうする必要があると悟った。アメリカに向けて地球をほとんど半周する長いフライトのあいだ、パウエルはいくつか覚書を作成した。国家安全保障会議で行なわれてきたイラク関係の議論は、おおかたが戦争計画にまつわるものだった――時機、方法、部隊規模、さまざまな軍事攻撃の想定。それには周囲の状況を見る目がまったく欠落していると悟った。パウエルが親しくつきあっている世界各国の姿勢や見解には、まったく目を向けていない。覚書は、三ページないし四ページにびっしり書き込まれていた。 湾岸戦争時、統合参謀本部議長をつとめたパウエルは、戦いたがらない勇士という役割を演じ、イラク封じ込めは成功し、戦争は必要ないかもしれないと、ブッシュ大統領に進言した。あるいは主張が弱すぎたかもしれない。軍事顧問の責任者だったので、強硬には論じなかった。軍事ではなく、政治的問題だったからである。だが、いまは国務長官だから、専門は政治!世界政治だ。厳しい言葉も辞さず、自分の見解が一点の曇りもなく明確になるように、確信と結論を述べなければならない、 とパウエルは決意した。大統領は、チェイニーとラムズフェルドからすでに充分に話をきいている。 いわば戦時内閣のAチームだ。パウエルはBチーム、つまりまったく異なる見解を示すつもりだった。この意見は、まだだれも口にしていないはずだ。大統領にパワーポイントを使ったブリーフイングなどよりましなものを提供するのは、自分の務めだ。 ワシントンに戻ると、パウエルは大統領に会いたいとライスに告げた。八月五日月曜日の夕方、ブッシュはふたりを居室に呼び寄せた。話し合いは晩餐の席に及び、居室内の大統領の執務室に移動して続けられた。 イラクの問題について周囲に目を配ると、戦争のもたらすあらゆる成り行きについて、より広い観点から見る必要があることに気づいた、とパウエルはブッシュにいった。 |
しかし、忠臣パウエルがバカ殿(?)に進言しても全く効果無いようです。
以下は、453ページからです。
わたし(ボブ・ウッドワード氏:筆者注)が、ブッシュ大統領の最終インタビューのために、クローフォードに赴いたのは、その四日後、2002年8月20日のことだった。…… …… パウエルの貢献についてたずねたとき、ブッシュの反応はあまり熱のこもらないものだった。「パウエルは駆け引きがうまい」ブッシュはいった。「外交家は必要だ。わたしは自分がかなり優秀な外交家になれると思っているが、ほかのだれもそう思ってはくれない。たしかに、自分は駆け引きがうまいなどとはいいたくない。まあ、それはそれとして、パウエルは戦争経験があって、外交手続を備えているからね」 パウエルは個人的に会うのを希望しますか? と、わたしはきいた。 「電話をかけてきて会いたいといったことはない」ライスが同席し、何度か内密に話し合いを持ったことは認めた。「パウエルのことを考えてみよう。わかった。ムシャラフの扱いが非常にうまかった。 ひとりでムシャラフをこちら側に引き込んだ。あれは見事だった。パウエルは連合をまとめる必要性がわかっていた」 |
この『ブッシュの戦争』を読んでいますと、「アフガニスタン、イラクの戦争は、ブッシュ氏の新たな世界戦争の始まり」であることを思い知らされます。
日本がイラクへ自衛隊を派遣する事は、このブッシュ氏の世界戦争を支持する事ではありませんか?
そして、何年も前、我が国の小沢一郎氏は、“担ぐなら、軽い神輿が良い”と語った事を思い起こします。
チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツ氏等のネオコンが、軽い神輿を担ぎ、その周りを大きな団扇を持ったコンドリーザ・ライス補佐官が、ネオコン達を扇ぎ立て、世界を破滅へと導いて行く様子が、そして、平和憲法をかなぐり捨て、形振り構わず、その神輿について行く哀れな日本の姿が目に浮かんで来てしまいます。
こんな事でよいのでしょうか?
(補足)
このボブ・ウッドワード氏の著作『ブッシュの戦争』には、ブッシュ政権の利権がらみの話は、具体的には描かれていません。
しかし、ブッシュ氏が「米国は世界60ヵ国を敵として、世界戦争を始める」と公言したり、或いは「″新たな永続的対テロ戦争″政策」を打ち出す事自体が、軍需産業に深い繋がりを持つブッシュ政権幹部達の軍需利権がらみそのものでしょう。
しかも、拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(1)》に引用させて頂いたようにマイケル・ムーア監督は、次のように、ブッシュ政権の石油利権性を暴露しています。
アフガニスタンに襲いかかってタリバンとアルカイダの上に爆弾を落とした――そのほうが捕まえるより簡単ですからね。大物はほとんど逃げてしまいました。
こうしてアフガニスタンは〈ユノカル〉のものになったわけです。アメリカ特使になったのは誰か? もと〈ユノカル〉の顧問だった国家安全保障会議のメンバー、ザルメイ・ハリルザド。アメリカが据えた新生アフガンの指導者は?もと〈ユノカル〉の顧問、ハミド・カルザイだ。
二〇〇二年十二月二十七日、トルクメニスタン、アフガニスタン、パキスタンの三国はパイプラインの建設に関する合意書に調印した。これでカスピ海沿岸の天然ガスが手に入ることになり、ブッシュさん、あなたのお友達はみんな喜びました。 |
ですから、当然イラク等の利権がらみの話は、別の席で