第18話 |
「光量子仮説」から「電磁子仮説」への移行
2016年6月20日 宇佐美 保
「フリー百科事典ウィキペディア」を見ますと、
アインシュタインが構築した相対性理論について「人類に大きな利益をもたらす様な研究と言えるのかと言えば疑問」との声、……
そして、次の結果に落ち着きます。
光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって1921年のノーベル物理学賞を受賞した。
先ずは、この「光の粒子性(光量子)」に関して、百科事典(デジタル日立平凡社)を参照し、次のように箇条書きさせて頂きます。
1 | 光のエネルギーは hν というひとかたまりの大きさでやり取りされる | |
2 | 最低の hν のエネルギーをもつ光の状態は光子(または光量子といい,粒子として見た光のこと)が1個ある状態 | |
3 | 単位体積中に光子が n 個あるとすると,古典電磁気学の光のエネルギーとの関係は, (但し、hはプランクの定数) |
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4 | E0(光の電場の振幅)が大きくなると光子の個数は増えるが、 個々の光子のエネルギー hν が変わるわけではない。 |
おかしいですよね、
私は、この「光量子仮説」を否定しようとしているのです。
電磁波が電流を運ぶ(ガイドする)とすると、電磁波も光の一種です。
ところが、前話「第17話 表皮効果という誤解された電気抵抗」に於ける「測定結果:2」を見ますと、1MHz(発信時間:1㍃秒)の交流の1パルスが、電線(同軸ケーブル)を600b移行すると、その交流1パルスの発信時間が、ほぼ1.5倍の1.5㍃秒に引き伸ばされていることが分かります。
となりますと、信号数(ν)は、1/1.5倍に変化してしまいます。
これでは、上に掲げた「第1項」の“光のエネルギーは hν というひとかたまりの大きさでやり取りされる”が崩壊してしまいます。
しかし、一般的には、私の様なへそ曲がりと異なって、交流といえども連続波での観察を行いますから、このような事実に気が付くことはありません。
何しろ、連続波で観測すれば、「第17話」の「測定結果:3」のように、1MHzの交流は、600b先でも、1MHzの交流として観測されてしまうのですから!
でも、1パルス、即ち、光量子は、1MHzの光量子から、約0.67MHzの光量子へ変化したと考えざるを得なくなります。
これは変です。
それでも、何か測定上のミスではないかと思われる方も居られましょうが、次の「測定結果:1」をご覧ください。
この測定結果のように、青色、赤色、緑色、カーキ色の各々、サイン波(1MHz:周期=1㍃秒)1パルス分を、1周期分(1㍃秒)ずつ時間をずらして(あたかも連続パルスの場合のように)測定し、それら各波を合算すると、空色の(擬似的)連続波を得ます。
この合算した連続波が、通常の連続波での測定値と一致することを、薄緑色の(合算値−連続波)引き算値が、ゼロボルトを示すことから明らかとなります。
もっと可笑しな例を掲げましょう。
電源(パルスジェネレータ)から、20MHzの矩形波信号を、電源出力部と、前話同様に600b長の同軸ケーブル(末端を50Ωの抵抗で整合終端処理)末端への出力し、結果として「測定結果:2」を得ました。
(注:電圧のピーク値が、入力時の1Vから、600b先では20数mVへと激減しているので、上の測定結果の(1-2)は、電圧の目盛を、入力波の50倍で表示しています)
何故このように変化してしまうのでしょうか?
一般的には、600bの電線の抵抗による損失の結果(前話の計測では、抵抗値は、77.4Ω)で、計算すると、約0.56Vとなる筈です
(次の、「図:1&2」参照)
このように「図:1」から、「図:2」に変化し散るなら、「光量子仮説」の光量子の振動数は一定(20MHz)のままで、数のnが電線の導体抵抗起因で減少したと考えられましょうが、実測結果は、「測定結果:1-2」のように、矩形波(20MHz矩形波の1パルスの発信時間:0.025㍃秒)から全く変形し、発信時間も大雑把に見て、2㍃秒と、約100倍に増大しております。
(この件も、後に紹介しますが、連続波による観察では、前話で否定した「表皮抵抗」として片づけられて、多くの方はお目にしたこともない波形でしょう)
このような変形する電磁波を粒子的に表現するには、粒子単位を振動数としては不適切で、より細かい単位で、粒子を表現すべきでしょう。
その為には、「図:3」のように、矩形波信号を時間的に細分するだけでなく、強度的(電圧的)にも細分化した「量子的電気信号」の概念の導入が必要となりましょう。
従って、「測定結果:1」の各観察波形は、概略的に、量子的電気信号(時間的にはプランク時間(tp=5.391 06…… × 10-44 s)で分割された信号)「図:3」□枠の一つを小丸印(●)として表示しつつ次の「図:4&5」のように、書き換えられるでしょう。
(このような「量子的電気信号」を運ぶ「電磁波」を本著では、光の(電磁波の)周波数に全く無関係な存在として、敢えて「光子」とは別の名の「電磁子」と命名しました)
このような「電磁子」を考慮しますと、「直流」とは、限りなく長く同一強さの「電磁子」という息を吐き続けることであり、交流とは、私達一般的な呼吸のように、一定リズムで、「電磁子」という息を、吐いたり吸ったりしている状態と例えることが出来ましょう。
そして、周波数とは、この息のリズム(吸ったり吐いたりの間隔)となりましょう。
勿論、一般的な電磁波に対しても、この「電磁子」という息を、吐いたり吸ったりしている状態と例えることが出来ましょう。
そして、従来のように電磁波の振動数を、縄とか、糸とかの振動数に例えることによって、多くの誤解が誘発されてきたのだと存じます。
(補足)
今回の「測定結果:1」のように、1波分(1パルス)のサイン波での測定結果では、サイン波からの逸脱が認められるのに、それらを数波合算したり、連続波で測定すると、元のサイン波状態で観測される例は、新『コロンブスの電磁気学 第6巻 交流理論は砂上の楼閣』の23頁に見ることが出来ますので、その部分をここに抜粋掲載します。
尚、この測定は、コイルとコンデンサを直列接続した「共振回路」の実験での測定結果です。
前の『第17話 表皮効果という誤解された電気抵抗』に於ける、「測定結果:2」の1波長分でのサイン波からの逸脱状況は、『第14話 トランスの理論も誤解です(交流編)』の「測定結果:1」にも見ることが出来ます。
他の測定でも、このような現象は容易に観測できますので、「光量子仮説」はご退場いただくべきと存じます。