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戦争なんていらない

2003103

宇佐美 保

 小泉首相の次の発言には情けなくなり、且つ、危険性を感じました。

 

首相が20日の参院有事法制特別委で、……自衛隊について発言した主な内容は次の通り。

 私は、自衛隊が我が国の平和と独立を守る軍隊であることが正々堂々と言えるように将来、憲法改正が望ましいという気持ちをもっているが、いまだにその機運には至っていない。

 外国の侵略に対して戦う集団となれば、外国からみれば軍隊と見られても当然でしょう。日本では憲法上の規定がある。自衛隊を軍隊とは呼んでいない。そこが不自然だから、憲法を見直そうじゃないかという議論がいま出ている。

 ……いずれ憲法でも自衛隊を軍隊と認めて、違憲だ合憲だという不毛な議論をすることなしに、日本の国を守る、日本の独立を守る戦闘組織に対して、しかるべき名誉と地位を与える時期が来ると確信している。

522に付け朝日新聞)

 

この小泉発言は私流に言い換えさせて頂きますと、次のようになります。

 

 我が国が「自衛隊」と称していても、外国は「軍隊」とみなしているようだから、外国基準に合わせて、「自衛隊を軍隊」と呼称できるように我が国の憲法を変えよう。

なにしろ、「自衛隊」との名前では、いくら日本の国を守る、日本の独立を守る戦闘組織であっても、然るべき名誉も地位もないのだから。

 

 何故、世界に類を見ない日本独自の組織である「自衛隊」が存在してはいけないのですか?

(世界共通基準に合わせようとする、グローバリゼーションの一環ですか?)

 

小泉氏の言われる「日本の国を守る、日本の独立を守る戦闘組織」が、何故ノコノコとイラクまで出掛けてゆくのですか?

イラクが他国から侵略されるのを救助する為ですか?

イラク国民同士の紛争を仲裁する為にですか?

 

 違うではありませんか!

大量破壊兵器を保持しているからと言掛かりを付けて(そして、その査察が未だ進行中だったのに)国連の決議を無視して、勝手にイラクに侵略していったアメリカ・イギリスをイラクの反撃から守る為ではありませんか?

そして、日本の自衛隊を派遣する根拠として、「国益」「国益」との旗を振り回す方々の多いのには悲しくなります。

米英が「大量破壊兵器の排除」(そして、この根拠が怪しくなると)「イラクの民主化」「フセイン独裁政権からの解放との錦の御旗」を掲げる事に異論を挟まないのは可笑しいではありませんか?

 

 今回の、米英の侵略前に、世界の誰が“イラクをフセインの独裁政権から解放してあげよう、民主化してあげるべきだ”等の声をあげた方が御座いましたか?

 

 自民党の野中広務氏は、危険な方向へ向かいつつある日本への警告の意味で政治家を引退を引退する事を決意されたそうですが、今回の自衛隊イラク派遣に対して、週刊文春(2003.9.25)の寄せられた手記の中で次のように述べておられます。

 

……アメリカやイギリスがやった戦争の後始末のために、あれほど友好国だったイラクと戦わなくてはならないのは、本当にやりきれないことでしょう。……

 

 少し話がそれますが、次のようにも書かれておられます。

 

……ボランティアで子供たちに戦争の歴史を語り継ぐ「語り部」のようなことを命が続く限り続けようと思っています。

 

 なのに、大変不思議な事に、野中氏の後継者と自他共に認めておられるでしょう古賀誠氏は、最近のサンデープロジェクトで、 “私は、護憲論者であったが、これからは改憲論者となる”旨を語っていました。

更には、先の自民党総裁選の小泉対立候補の3名も「改憲」を口にしていました。

 

 再びイラクに戻りますと、日本はODA事業で立派な道路を建設して、「中曽根ロード」とまで言われて感謝されていたのではありませんか?

 

 可笑しくはありませんか?

「中曽根ロード」建設中は、フセインは独裁者ではなかったのですか?

(北朝鮮の歴然とした独裁者金正日はどうするのですか?彼の圧政に苦しみ食糧不足で飢え死にしてゆく人達はどうなるのですか?)

 

 そして、9月27日放映の「朝まで生テレビ」では、司会者の田原総一朗氏の、“米兵の負傷者数が米国内で問題になって、米国がイラクから撤退でもしようものなら、イラクはテロの・オリンピック(各国のテロリスト達が集結するという意味でしょうか?)となって、大変な事になる、従って、米英の侵攻に反対したロシア、フランス、ドイツも最近では米英を追い詰める事をせず、国連決議で多国籍軍をイラクに派遣しようとしている”との発言に対して、出席者の殆どの方々(共産党の佐々木憲昭氏と、山田厚史(朝日新聞「AERA」スタッフライター)以外)は、“日本の「国益」を考えて、自衛隊を派遣すべし”と発言していました。

(官僚を辞め政治家になろうとしている方々が、スタジオに詰めておられましたが、彼等も同じでした。)

 

 そして、女性出席者(横江公美氏:VOTEジャパン社長)までも、“私にも発言させて下さい!”と何度か怒鳴った後“新聞によると、モンゴルなども既に派兵しているのだから、日本も早く自衛隊をイラクに送り込むべきだ!”と発言しました。

(その新聞記事は、多分以下のような記事と思います。)

 

……米国務省は20日、米軍が主導するイラクの治安維持活動を支援する形で派兵している諸国は現在、27カ国で、その兵力は計約2万1700人だと発表した。7月に発表した「参加確保」リストから日本だけが脱落している。……

 国務省が20日の発表で列挙した既に派兵中の27カ国は次の通り。(記載順)

 アルバニア、アゼルバイジャン、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドミニカ共和国、グルジア、エルサルバドル、エストニア、ホンジュラス、ハンガリー、イタリア、カザフスタン、ラトビア、リトアニア、マケドニア、モンゴル、オランダ、ニカラグア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、韓国、スペイン、ウクライナ、英国。

8月21日付け毎日新聞

 

 可笑しいではないですか!?

勝手に他国を破壊しておいて、今度は、テロ対策だ復興だとの名目で世界中からイラクへ兵隊を送り込んで良いのですか?

 

 その前にやる事があるのではないでしょうか?

先ず、国連の決議さえも無視してイラクを破壊し尽くした米英がイラク国民に謝罪すべきではありませんか?

少なくとも、ブッシュ、ブレアとも引責辞任すべきではありませんか!?

そして、ブッシュを盲信追随した小泉氏も、少なくとも謝罪すべきです。

 

 そして、先の番組中、原口一博氏(民主党・衆議院議員)等が、“自衛隊派遣云々の前に小泉首相は謝罪すべし”と発言していましたが、司会の田原氏は“そんな事している暇はない、早急に派遣を検討すべし”と言って彼等の発言を押しとどめました。

可笑しくはありませんか?

田原氏は、氏の著書『日本の戦争(小学館発行)』の「あとがき」に、次のように書かれています。

 

 あの戦争(太平洋戦争)が始まった原因は、軍部の暴走ではなく、世論迎合だった

何故、戦後われわれ日本人は、戦争責任をあいまいにしてきたのか。この間、色々言われてきたが、この作業(『日本の戦争』の執筆)をやってきて、私は、それをはっきり理解した。

()内は、私が加筆しました

 

 今回の小泉首相の行為は「世論迎合」どころか「ブッシュ迎合」ではありませんか!

そのブッシュが情報操作の下に米英の国民をしてイラクの国土を破壊してしまったのですから、その責任の一端は小泉首相にもあります。

 

 更に、田原氏は“日本は独自の情報を得る事が出来ないのだから、アメリカに追随するしかない”旨を発言していましたが、今回のアメリカのイラク攻撃に際して、“国連の決議なしの対イラク攻撃は何があっても阻止すべきである”等の意見具申を小泉首相、川口外相にして、外務省を解雇された元レバノン大使天木氏の著書『さらば外務省!(講談社発行)』には次のように記されています。

 

 今回の米国のイラク攻撃はすでに一年も前から決まっていたのだ。暴君サダム・フセインを叩いても誰も同情しないであろうという読みが米国にはあった。イラク攻撃で米国の圧倒的な軍事力を見せつけておいて、その後、次々とアラブ諸国を米国流の民主国家に変えていく。そしてパレスチナ抵抗運動や反米、反イスラエルのテロ組織を根絶することで、イスラエルの安全保障を確保する。そういう有利な状況を作りあげることで、積年の課題である中東和平を実現する――という戦略を、当初から米国は練りあげていたのだ。

 攻撃開始直前の二月、中東に在勤している米国の大使が集まってワシントンで会議が行われた。そこでの議論はもっばら戦後のイラクに集中した。なんとその会議では、全員がイラクの混乱を予期しながら、誰一人としてそれを解決する見通しを持っていなかったというのである。多少の混乱はあっても、対応策はそのときになってから考えるしかないという。これこそ、米国がいかにいい加減に戦争に踏みきったかの証左だろう。

 イラクによる脅威が差し迫っていたという情報も、まったく信憑性がなかった。私が入手していた情報のほとんどは、「米国の対イラク戦争は以前から決定されていた、米国の軍事力を誇示するには、サダム・フセインという悪役のいるイラクを攻撃するのが一番都合がいい、これを機会にアラブのテロリストを一気に武装解除すべし」などという、「初めに攻撃ありき」の姿勢を裏づけるものばかりだった。これではたとえフセインが譲歩しようと、米国の攻撃を止めさせることなどできるはずはなかった。

私はこれらの情報をその都度、本省に打電した。ところが、それらの公電が活かされることはなかった。相も変わらず小泉首相は、「サダム・フセインが譲歩すれば、米国も戦争を始めなくていいんです」とか、「大量破壊兵器の脅威を取り除かないと、日本の安全保障にも脅威が迫ってくる」などといった見当違いの発言を繰り返すばかりだった。

 アラブの民は、米国のアラブを見下した政策を熟知している。また彼らは、自分たちの指導者が国民の意思に反してまで米国の庇護を受け、政権保持に汲々となっていることも知っている。だからこそ、中東に直接の利害関係を持たない日本、中東地域を植民地化した経験のない手の汚れていない日本が、公平な立場から中東和平に貢献してくれることを期待しているのである。

 その日本がいち早く米国を支持した。私のまわりのレバノン人は一人の例外もなく、「驚いた」「失望した」「悲しかった」「何かの間違いではないか」とその落胆ぶりを口にした。地道に友好関係を育んできたわが国の対アラブ外交は、小泉首相の決断によって、一瞬のうちに突き崩されたのである

 

 何故、日本外交は自国の情報を重用しないのですか?

 

 しかし、拙文《愛国心と政治家と戦争》にも引用させて頂きましたが、天木直人氏は、小泉首相に代表される日本の外交姿勢の体たらくぶりを次のように暴露しています。

 

……年に一度、東京で開催される「中東大使会議」に集まった中東地域に駐在する大使が、小泉首相を表敬訪問して、各大使が中東情勢の生の声を伝えた後の小泉首相の返事は、中東情勢には全くない様子で、たった一言“君たちの重要な任務はその国の首脳と親しい関係を作ることである”と言い残して席を立っていった。……

 

このような外務省に、何故55億円以上の外交機密費の予算が計上されるのでしょうか!?

 

 更には、アメリカのイラクへの暴挙に対しても、小泉氏を初めとして、日本の政治か評論家達は、アメリカは日米安保条約を結んでいる日本との同盟国なのであるこら当然日本はアメリカと行動を共にすべきと、判ったような判らないような事を唱えています。

ところが、天木氏の著作には、日米安保条約に関して、次の件が書かれています。

 

……同僚からホッチキスで綴じられた十数ページの薄っペらいタイプ打ちの冊子を渡された。

「市販の解説書をいくら読んでも役に立たないよ。外務省の職員が読むべき解説書はこれだけさ。いわばバイブルだ。他の解説書を読むとむしろマイナスになる」

この冊子こそ、栗山が条約課長の時代にものした日米安全保障条約についての「外務省員洗脳の書」なのである。それは日米安保条約の全体を解説するというよりも、主としてこれまで国会でどのような論戦がなされ、政府としてどう答えてきたかという虎の巻のようなものである。しばらく読み進んだところで私は、「あっ」と声を上げんばかりに驚いた。

 それは日本が実際に軍事攻撃された場合、果たして米国は自ら血を流して日本を防衛してくれるのかという根本的疑問に関するくだりであった。栗山は言う。

「米国は日本と共通の価値観を有する信頼できる唯一の国である。そのような国に対して助けてくれないかもしれないなどと疑念を抱くこと自体、誤りであり米国に対して失礼である

これが外務省条約課長の教えなのである。いかなることがあっても、常に米国に盲従していく外務官僚の原点が滑稽なまでにここに表れている。

これが外務省職員のバイブルだというのだ。まさか国民は、わが国の外交がこれほどまでに底の浅いものだとは想像もしていまい。しかしこれが、日米外交の偽らざる実態なの

である。

 

 このような外務省のOBである評論家の岡崎久彦氏は、氏のホームページの「米のイラク攻撃支持:勇気ある小泉発言(読売新聞「地球を読む」2003年3月30日掲載)」で次のように、アメリカ追随指向を披露しています。

http://www.glocomnet.or.jp/okazaki-inst/iraqkoizumijp.html

 

……日本の国家戦略の根源にさかのぼれば、資源の乏しい島国である日本にとっては、七つの海を支配しているアングロ・アメリカン世界と強調して行くほかは生きる道はない。日本国民が、安全と繁栄とそして自由を享受したのは、日英同盟とその後の満州事変までの三十年の期間と、日米同盟の半世紀だったことは、否定しようのない事実である。……

 

 更には、拙文ちんけなチェンチェイ中川輝政京大教授》にも引用させて頂きましたが、

雑誌「諸君!」(2003年8月号)の京大教授中西輝政との対談に於いて、岡崎氏は次のように語っています。

 

国際情勢を的確に見極めて、いかにして日本国民の安全と繁栄を守るかという国益外交に徹すれば、アメリカとの協調を選択するしかないんです

 

 日本は、「自国の国益の為」に、アメリカに尻尾を振らなければならなくて、アメリカは「自国の国益を無視」して、“自由と民主主義、そして人間性を尊重する政治原則を外交政策の上でも重視していくとの世界戦略を打ち出しています”と言うのですか!?

アメリカだって「国益」で動いているのではありませんか?

 

(しかし、最近では、アメリカは「国益」以外にも、ブッシュ大統領親子を初めとする「政権幹部の個人的利権」でも動いているのではないかと、取り沙汰されています。

拙文《ブッシュ元大統領と国防関連企業への投資会社との関係》等を御参照下さい。10月26日加筆)

 

 更に、岡崎氏は、先の中西教授との対談で次のように語っています。

 そういう独裁政治だったからこそ、イラク国民はフセインを支持していなかつた。開戦直後はまだ恐怖政治の金縛りになっていたが、やがでそれが明らかになった。本誌四月号でも、私はどんなに反戦運動をやってもどうぜ戦争は始まる。そうなれば一ヶ月足らずで反戦運動は無意味となり、バグダッドの市民たちは歓喜の渦となってフセイン政権の崩壊を祝福するだろうと予測しました。これは普通の情報感覚を持っていれば当然予測しうる結末だった

 ですから小泉首相が、この間、微動だにせず英米支持を貫いたことは立派だったと思います。

 

 この岡崎氏の「普通の情報感覚を持っていれば当然予測しうる結末」との大見得を切った予測は、現在見事に外れています。

 

従って、岡崎氏の「小泉首相が、この間、微動だにせず英米支持を貫いたことは立派だったと思います」との、小泉外交(外交というのかポチの尻尾振りというのか?)への評価の正当性は疑わしくもなります。

 

日本が、「自国の国益の為」に、「微動だにせず英米支持を貫いた」としても、いつの日かアメリカは、「自国の国益の為」に日本を切り捨てないとも限りません。

 

現に、ルーズベルト・アメリカ大統領は、第一次大戦の反省から、アメリカ国民の88%が欧州の戦争に巻き込まれるのを嫌っていたのに、この世論の反対を押し切ってアメリカを欧州の戦争に参戦させんが為に、日本に数々の難題を押し付け、日本を真珠湾への奇襲に誘い込み、アメリカ国民に反日感情を叩き込み、その結果、アメリカ国民を第2次大戦へと誘導して、日本を壊滅させた厳然たる歴史が有るではありませんか!?

この件に関しては、ロバート・B・スティネットの著書『真珠湾の真実』(妹尾作太男:監訳:文芸春秋社発行に詳述されています。)

 

しかし、この事実も、岡崎氏外務省OBの方々は、次のように解釈されるのでしょうか?

 

軍部の圧政に苦しむ日本国民に、民主主義をもたらす為にアメリカはやむを得ず行った戦争であって、これは、恰も、フセインの圧政に苦しむイラン国民に民主主義を授けてあげる事を目的としたイラン攻撃と同じである。

 

従って、民主主義という大義が成就される為には、戦場での多くの犠牲者、原爆や無差別空襲、更にイラクの場合は劣化ウラン攻撃などで、多くの民間人が犠牲になろうがそれは仕方ない事である。

 

何かしら「大義の旗」掲げるならば、どんなに残虐な行為でも「戦争」と名が付き許されるのでしょうか?

 

 更に、冒頭に掲げた「小泉発言」の“「自衛隊」も「軍隊」とほぼ同様な内容を含んでいるのだから、同じ言葉でくくってしまえ”を延長したら、当然「テロ」も「戦争」も同じ範疇に入る筈です。

 

何故、「テロ」と「戦争」は別物なのですか?

この件に関しては、先の拙文《戦争とテロ》や、《911の同時多発テロを今思うと》にも引用させて頂きましたが、次の記述を忘れる事が出来ません。

 

 アルジェリアの独立戦争を描いた『アルジェの戦い』という映画に忘れ難いシーンがある。一人のゲリラが買い物カゴに爆弾を仕込みフランス人が集まる店で爆発させ、捕えられる。卑怯だと罵られたゲリラは「君たちは飛行機で我々を攻撃する。我々は飛行機を持っていない。君たちが我々に飛行機をくれるなら我々は君たちに買い物カゴをあげよう」と言って処刑されるのである。

(岸田秀氏:文芸春秋200110月緊急増刊号)

 

 何故「戦争」が名誉ある行為で「テロ」が卑劣な行為なのですか?

(イスラエルは正義で、パレスチナは邪悪ですか?)

 

何故、小泉氏は、「テロ」を憎悪し、「特攻隊」には涙し、「戦争」を賛美するのですか?

そして、小泉氏のみならず、先の9月27日放映の「朝まで生テレビ」での、司会者の田原総一朗氏を初め、出席者の大多数の国会議員達、又、議員を目指す人々は、イラクの「テロ」退治との名目で、日本を軍事国家へと方向転換する動きに賛成するのでしょうか?

 

 「テロ」を行う人々も、「戦争」を行う人々同様に、彼等なりの大義があるはずです。

何故その大義を、圧倒的な武力で撲滅しなくてはならないのですか?!

 9.11の多発テロ事件直後には、“テロ側の言い分も聞くべき”との意見もありましたが、“テロの意見を聞けば、テロを肯定する事になるから、テロを根絶する為には何が何でも武力行使”との見解のもと、アフガニスタンの国民への非情な攻撃が是認されてしまいました。

 

 圧倒的な武力経済力を有するアメリカ、それに付随する日本などが「国益」を、何やら訳の判らない「大義」で覆い隠し、弱小国を破壊して行って良いのですか?

 

圧倒的な武力で世界を制圧した後に何が残るのですか?

 

 また、新たな「テロ」が発生するのではありませんか?

何故もっと話し合わないのですか?

 

 英語には、「noblesse oblige」なる言葉が有るではありませんか!

エクシード英和に拠りますと、日本語訳は、「高い身分には(道徳上の)義務が伴うこと」とあります。

 

 もういい加減に、アメリカ、日本などの先進国は「国益(とんでもない政治家達の利権)」を度外視して、noblesse oblige」を他国に遂行する義務があるのではないでしょうか?

(「金持ち喧嘩せず」でもあります。)


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