第12話 |
コイルでの発電は、
コイルの断片、断片での発電の集積結果です
2016年6月7日 宇佐美 保
前の『第11話 ファラデーの法則を生んでしまったファラデーのコイル発電実験』を補い、今まで記述してきましたように「ファラデーの電磁誘導の方程式」が誤解の産物であることを証明します。
但し、実験方法はファラデーとは異なり、リング状のコイルを四辺形のコイルに変えて、ファラデーと同じような実験を行いました。
即ち、0.5φのエナメル線をコイル材として使用し、「写真:1」に見ます外径が約40mm角のポリプロピレン(PP)の筒の外部に巻き付け、その内側を、上部からネオジウム磁石(30×30×30mm)を(N極を下側に向け)コイルへ向かって自然落下(約25cm)させました。
但し、コイルの巻方向は、次の「図:1-1〜4」のように、磁石の出口側から見て、時計回り方向に、コイルの一部としての1辺(──)ずつをポリプロピレン(プラスチック)筒に固定して行きました。
(赤矢印はオシロスコープの信号線端子、青矢印はグランド線端子へ導きました)
そして、“コイルとしての1辺のみ、1&2辺、1〜3辺、1〜4辺(即ち、コイル1巻分)とプラスチック筒に巻き付け辺数を増大して行く状態”での発電結果は、次の「測定結果:1〜6」です。
「測定結果:1」から、コイルの1辺1辺ずつ増加させて行き、「測定結果:5」では、20辺分、即ち、コイルとして5巻き(=20/4)分となりますので、その後の「測定結果:6」では、1辺1辺ずつ増加させることなく、10巻き、20巻き分の測定結果を付け加えました。
そこで、各測定値のプラス側の最高値とマイナス側の最低値の差(ピーク/ピーク値)を「表:1」に纏めてみますと、1辺、1辺ずつ発電電圧値が合算されて行くのが分かります。
(尚、ピーク/ピーク値を、スペースの都合で一部p/p値と略記しました。
又、ピーク/ピーク値は、オシロスコープ内で自動的に算出された値を採用しております)
更には、コイルの巻き数を、1、3、5、10、20巻と増大した場合の各測定値のピーク/ピーク値を「表:2」に纏めました。
当然の結果として、このように、巻き数に比例して、発電電圧は増大して行きますが、その根源は、「測定結果:1〜6」に於いてコイルの巻き数が変化しても、「コイルの1辺のみからの発電電圧(今回の1辺当たりの発電電圧は、約30mV)」の合算結果となっている事が、より鮮明になったと存じます。
何度も繰り返しますが、発電現象は、コイル(閉回路)内での磁界の時間的変化に応じてコイル(閉回路)に電圧が発生するという「ファラデーの電磁誘導の法則」に準じて発生するのではありません。
即ち、フランツ・エルンスト・ノイマン(Franz Ernst Neumann)によって、次のような形式で表現された「ファラデーの電磁誘導の法則」が、此処までの実験考察によって全くの誤解の産物であることを御認識頂けたと存じます。
(式:1) |
なにしろ、発電現象は、磁界変化の対象物がコイルであるからではなく、その対象物が、導体(エナメル線)の1辺(ひいては1か所)である事が根源なのです。
あくまでも、発電現象は、金属片(導体)と、その金属片(導体)に影響を与える磁石(磁界)の位置関係の変化によって発生するのです。
(銅の円板を1本の針金の集合体と見做すことが出来た偉大なファラデーが、コイルも1辺の針金(ひいては針金の断片断片)の集合体であることに気が付かなかったのは残念であります)
更には、私のホームページの『コロンブスの電磁気学』(新増補改訂カラー版 第1巻)の概略に於ける『第6章 マクスウェル方程式の変革』、更には、『第3章 発電の原理は「ファラデーの電磁誘導の法則」とは無関係です』もご参考にして下さい。
勿論、拙著直接ご参考にして頂けることを願ってやみません。
尚、従来の発電原理を崩壊させた今、新たな発電原理を構築いたしましたが、この件は、後に、ゆっくりと紹介させて頂きます。
しかし、“ゆっくり待っていられない!”と、お急ぎのお方は是非とも、拙著『コロンブスの電磁気学』(新増補改訂 カラー版 第1巻)、或いは、新『コロンブスの電磁気学(第2巻)』新たな発電原理をご購読いただけましたら幸いと存じます。