目次へ戻る

 

戦争よりもエコが良い(1

2009930

宇佐美 保

 ここまでの3つの拙文《911」事件に対する元外務省国際情報局長&前防衛大学校教授のご見解》、《日米同盟の正体を知らなかった日本人》、《911」事件に対する元外務省国際情報局長&前防衛大学校教授のご見解(2》中で引用させて頂いた孫崎亨氏(元外務省国際情報局長、前防衛大学校教授)のご見解を知るに従って、「日米同盟」、「陰謀・謀略」等に対する受け取り方が米国と日本(或いは私だけでしょうか?)とでは、まるで異なっている事に驚きました。

 

 米国では、冷戦終了後、クリントン政権は一時、「もう脅威は存在しない」と軍備を縮小したのに対向して、世界随一の強大な軍備確保を目論見真珠湾攻撃のような破局的、かつ何かを誘発するような事件(9・11)」を用いて2001年にブッシュ政権の安全保障関係の中核を構成メンバーよりなるアメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)空前のレベルの軍備拡大してしまっても、それが正義とされてしまっているのです。

(即ち、従来の米国では、無理が通れば道理引っ込む、どころか、

「米国=最強軍事国」が通れば「道理」引っ込む

と言うことなのでしょう)

 

 しかし、「最強軍事国米国」が、米国民に幸福を齎したどころか、アフガニスタン、イラクへの相次ぐ侵略戦争は、米国の財政赤字に拍車を掛け、米国の信頼を損ねただけではありませんか!?

(只、元ブッシュ政権の中枢部の方々(拙文《ブッシュ元大統領と国防関連企業》を御参照下さい)だけは、大儲けされたと存じますが……)

 

 私は、『西部邁・佐高信の学問のすゝめ』(朝日ニュースター)を楽しみにしていますが、御二方の博識と記憶力の素晴らしさに毎回感銘を受けておりますが、先週(2009926日)の放送では、西部氏は次のように語っておられました。

 

 エドモンド・バーク(17291797年)は、あの時代で、「アイルランドの独立運動」、「アメリカの独立戦争(1776年)」を一方的に無慈悲に抑圧弾圧するのは、わがイギリスの歴史の名誉に反すると、孤立無援でも言う。

 更に、その100年後

ギルバート・ケイス・チェスタートン(18761936年)は、イギリスが、ボーア戦争で南アフリカに金鉱を奪いに行ったいわば泥棒行為に対して、チェスタートン達だけが“こんな風に他所の国に金鉱が発見されたからと言って軍隊を以って取りに行くと言うのは、わがイギリス人の名誉に反する”と不平不満を言った。

 

 

 バーク氏も、チェスタートン氏も、とうの昔に、「軍隊で以って、他国へ干渉する非」を唱えているのです。

 

 

 そして、今や、ドルの地位は下落して、ロイター(2009 09 28日)は、次のように報じております。

 

 世界銀行のゼーリック総裁は、他の選択肢も浮上しているため、米国は世界の主要基軸通貨としてのドルの地位を当然視すべきではないとの見解を示した。……

 

 

 更に毎日新聞(914日)の記事は次のようです。

 

 

 米国の公的医療保険制度(筆者注:現状では先進国の中で唯一存在しない)は、低所得者・高齢者・障害者のみを対象とし、民間保険会社の高額保険料を負担できない一般勤労世帯などの約4600万人が無保険者と言われる。オバマ大統領は、国民皆保険を可能とする新たな公的制度の法制化を連邦議会に求めている。しかし議会では、政府の市場介入と肥大化を嫌う共和党を中心に根強い反対があり、法成立のメドは立っていない。

 

 

 それなのに、その記事の前半は次のようです。

 

オバマ米大統領が推進する医療保険制度改革に抗議する数万人規模のデモ行進が12日、ワシントン中心部で行われた。「政府の肥大化」などに反対する世論は高まりつつあり、政権への反対行動としては最大級。一方、大統領は国民から支持を得る運動を展開しており、この日もミネソタ州ミネアポリスで約1万人の市民集会を開催した。……

 

 

 現在の米国は、なんだか変ではありませんか!?

お金のない人は、医療制度もなく、志願して戦争に行き、
お金の有る人は、徴兵制度も無いので戦争にも行かず、
私的な保険制度で満足している

ように私は感じてしまいます。

 

その上、元防衛大学教授の孫崎氏は、次のようにも書かれておられるのです。

(先の拙文《日米同盟の正体を知らなかった日本人》をご参照下さい)

 

 

今日の安全保障戦略を考えるとき狭い意味の軍事のみでなく経済的結びつきも含めて考えるという広い視野を持って考察する必要がある。」

 

 

 このように、「軍事で米国民を幸福にするとの詭弁が通用しなくなり、軍事関係で大金をせしめる事が難しくなった現在」と私は思うのですが、こんな時、私が、ラムズフェルドのような立場(性格)の人物だったらどうするでしょう?

そうそう!タミフルです!

どこかで以前、ラムズフェルド氏がタミフル関係の会社の役員である事の記述を見た事があります。

 

 そこで、インターネットを検索しましたら、山本尚利氏のホームページを訪ねる事が出来ましたので、その一部を引用させて頂きたく存じます。

(山本尚利氏の頁をお訪ねになって、全文を、御読み下さい、更に、詳細に記述なさっておられます)

 

 

 ところでタミフルと聞いて、筆者がすぐに思い浮かぶのは、ロナルド・ラムズフェルド元米国防長官の顔です。タミフルは、スイスの大手医薬メーカーで、中外製薬の親会社でもあるロッシュが販売していますが、実際にタミフルを開発したのは、米国医薬ベンチャー、ギリアド・サイエンシズ社(タミフル販売に伴うロイヤルティ収入は販売額の10%)といわれています。ラムズフェルド氏は1997年から2001年までギリアド社の会長であったとのことです。

 

 さらに、20057月、国防総省(当時の長官はラムズフェルド氏)は兵士用に5800万ドル分のタミフルを大量購入していたそうです。これらが事実なら、もう開いた口が塞がりません。タックスペイヤーとして小うるさい米国民から、何の苦情もでないのが実に不思議です。

 

 このようなタミフルの背景が事実なら、小泉政権時代、当時のブッシュ政権(ラムズフェルド氏が国防長官)の指導によって、日本政府が、500億円近いタミフル輸入計画を立案した可能性が高いと思われます。

……

 

 

 それに、このタミフルが適用される「新型インフルエンザ」も眉唾物です。

当初は、「豚インフルエンザ」と呼ばれていたのが、米国の養豚業界の圧力(だったでしょうか?)で、名称変更されたり、メキシコで最初の患者が発生と報道されながら、実は、米国の養豚場での発生が最初との記述も見た事があります。

 

 

 この点などは、山本尚利氏が指摘される「マッチポンプ的」な「新型インフルエンザとタミフル」の関係に思えてなりません。

 

 しかし、これがラムズフェルド氏の謀略であったとしても、米国民の利益になるでしょうか!?

確かに、ラムズフェルド氏のは多額の金銭が舞い込んでくるのでしょうが?

 

 従いまして、私達日本人は、今更、米国に「日米同盟」等で思考をあわせる必要はないと存じます。

そして、軍事ではなく、「新型インフルエンザとタミフル」でもない、もっと建設的で、多くの人が幸せになれる方策で「日米同盟」を(「世界同盟」)を結ぶべきと存じます。

なにしろ、

軍事で人を幸せにするなどは、時代錯誤も甚だしい事です。

 

 それは、「鳩山首相、温室効果ガス「25%削減」世界に宣言」なのだと存じます。

朝日新聞(2009922日)

 

 鳩山由紀夫首相は21日夜(日本時間22日午前)、就任後初の外国訪問先となる米ニューヨークに到着、22日の国連気候変動サミットの開会式で演説した。将来の地球温暖化対策の焦点である先進国の途上国支援策を「鳩山イニシアチブ」と名付けて世界に発信。米中などの削減努力を前提に「90年比で25%」という20年までの日本の温室効果ガスの削減目標を国際的に公約し、排出量取引導入を明言するなど国内対策を加速する姿勢を示した。

 

 

 世の中には、“地球温暖化と温室効果ガスの因果関係はない!”と力説される方も居られるようですが、「因果関係が有ろうが無かろうが」どちらでも良いのです。

「軍事」にお金をつぎ込むのとは比較にならない効果です。

「軍事」では、その関係者以外は幸福になれません。

「エコロジー産業」は、多くの方を幸せにします。

太陽電池、風力発電などから、砂漠の方も、僻地の方も、電気の恩恵に与れます。

(石油は、大事な化学原料です。それを安易に燃やしてしまうのは、勿体無いし、子孫に申し訳ないことです)

水だって、海水利用とかを世界的規模で行うべきです。

そうすれば、世界的な水の争奪戦、食糧危機への対処も可能でしょう。

 

それなのに、日本の経済界は、世界的な競争力が低下すると苦情を呈しています。

彼らは、自分の会社の利益(現時点の利益)だけしか考えてないようで、情けなく思います。

(彼らは、「お手」だけでなく「お顔」を洗って出直して欲しいものです)

 

 

 ここで、私のホームページを訪ねて下さる方からのメールを転記させて頂きます。

 

 

麻生さんはいざ知らず、民主党の公約25CO2削減、高速道路無料化など前向きな発言を応援したい気持ちです。

高速道路無料化とCO2 25%低減、一見して矛盾する計画は実は完全に一致している計画であり、鳩山首相のバックに何か戦略家がいるような気がしています。ものすごい外交カードがこの中に埋められています。絶対に成功させたいと思っています。

 

25%の一番重要な実施施策はフランスのように原子力100%に向けてがんばることで、柏崎原発の2号機から6号機を補助金を出してでもよいから早期復活させるべきです。さらに新規計画や再処理計画を推進する施策を強調するべきです。

もちろん今潮流である太陽電池発電も補助金を出すべきと思います。このような戦略を打ち出すことで産業界の反発をなくせばよいのです。CO2を出さない電力をじゃんじゃん使って産業を活性かできます。

高速道路の無料化は地域格差解消と産業の活性化に役立つはずです。

CO2排出が増えるという理論は施策により排除できます。

電気自動車にすればよいわけです。電気自動車に対して補助金を出せばよいのです。

工学系の政府ですので、小沢氏などのまとめで上記大々的布石ができないものでしょうかある程度布石ができたらそれを公開すればよいのですが・・・。

 

ヨーロッパの学会で政治の話で米国人は「がき」「Kids]で日本人は赤ん坊「Babyと何もはばからず、米国人と私が居る前の円形テーブルの食事会で言っていました。

みんな笑って聞き流しましたが、米国人も私も反論できません。

チャーチルの喜んだ真珠湾攻撃に対する米国民の単純さ、当時の日本のエコノミックアニマル(動物的侵食)から見て反論できない発言でした。

教育の場に吉田松陰塾がないからと思います。相手が強く攻めるときはそのバックに何があるかという解析が出来ない国民です。政治化を含め、外交カードをカードとして利用できない国民です。

 

少子化対策はフランスで成功したように馬鹿にされない潜在力を持つ国との証であります。

日本は、現在全く馬鹿にされ、無視されています。

数年前のドル基軸経済を回避するためその候補に上がった紙幣は円です。

今は、円は完全に候補から下げられ、ユーロと元です。残念です。

 

 

 但し、私は、「原子力100%」に関しては、腰が引けるのです。

次のような朝日新聞(2009928日)の記事も目にします。

 

 

 クリントン米国務長官は、27日放送の米CBSとのインタビューで、核開発疑惑をめぐって来月予定されるイランと関係6カ国の交渉に向けて、イランに対して核開発計画の全面開示を強く迫り、「我々の期待する回答や態度の変化がなければ、制裁に向けて動き出す」との考えを示した。

 

 クリントン長官は、新たに発覚したイランのウラン濃縮施設建設計画について「(発電など)平和利用が目的なら、当初から計画を公表していたはずだ」と語り、核開発疑惑の新たな根拠になると指摘した。

 

 

 このように、「発電と核開発疑惑の分離」は問題です。

更に、2009929日付けの記事は次のようです。

 

 インドのシン首相は29日、当地で開かれた核の平和利用に関する国際会議で、同国内の原子力発電能力を2050年までに現在の100倍以上にあたる47万メガワットにすると発表した。「これにより、化石燃料への依存を大きく減らし、国際的な地球温暖化対策に大きく貢献できる」としている。

 

 現在インドには17基の原発があるが、燃料用のウランの不足などのため、発電能力は4120メガワットにとどまっている。火力や水力も含めた総発電能力(約15万メガワット)に占める割合は約3%。今後、経済発展に伴い、爆発的な伸びが予想される電力需要のかなりの部分を原発でまかなう意向とみられる。

 

 

 こうなると核の拡散は、限りなく拡がって行くのではないかとの心配があります。

それに事故も心配です。

東京新聞(2009930 夕刊)の記事は次のようです。

 

 

 茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で起きた国内初の臨界事故から三十日で十年を迎えた。事故で二人が死亡、六百六十六人が被ばく。同村役場で臨時の朝礼が開かれ、職員が犠牲者に黙とうをささげ、「事故を風化させない」との誓いを新たにした。

……

 臨界事故は一九九九年九月三十日午前十時三十五分ごろ、同事業所内の転換試験棟で発生。社員の大内久さん=当時(35)=ら二人が死亡し、周辺住民ら六百六十六人が被ばくした。

 

 原子力発電所が多くなれば、残念ながら、それだけ事故の危険性は増大して行くでしょう。今こそ、過去から決別しても、大きな飛躍が必要と存じます。

 

 “米国人は「がき」「Kids」で日本人は赤ん坊「Baby”と言われる状態での「日米同盟」に代えて、現状を打破しようとする「Yes we can」のオバマ大統領と、「宇宙人」とも言われる鳩山由紀夫首相の連携関係に私は期待したいのです。

 

 

 どうも、私のホームページは長くなってしまいますので、ここで一旦中断して、次の《戦争よりもエコが良い(2)(鳩山由紀夫首相への期待)》に続けさせて頂きます。

目次へ戻る