第9話 |
食塩水も銅線と同一発電現象
2016年6月6日 宇佐美 保
前節の“電解液が、通常の導体同様に電流を流す”のであるなら、『第7話 ピップエレキバンの効用?』に於ける、人体同様に発電現象も観測されると推測し、次の「図:1&2」のように、人体(腕)の代わりに、電解液(写真:1&2)の横をプラスチック(0.75mm厚さのポリプロプレン)の筒をガイドにして磁石を約50cm落下(但し、磁石が損傷しないように下部にクッションを設置)させての発電実験を行い確証しました。
尚、アクリルパイプは、外径18φ、内径16φ、長さ20pを用いて内部を飽和食塩水で満たし、両端に銅箔の電極を設けました。
更には、次の「図:1」のように、アクリルパイプではなく通常電線の横に磁石を落下する実験も行いました。
(ここに「アクリル内食塩水」セットした理由は、「アクリル内食塩水」での発電で発生した電流は、その内部の食塩水の電気的抵抗で微小化されてしまいます。
一方、銅線で発生した電流を、そのまま測定器に導くと銅線は「アクリル内食塩水」のように抵抗値が高くありません。
そこで、測定器による両者の発電電流値を揃える為に、故意に「アクリル内食塩水」にセットしました)
この実験の際の、磁石の落下方向を、N極を下に向けた場合とS極を下に向けた場合の2方法にて観測した結果を次の「測定結果:1」に、又、N極を食塩水パイプに向けた場合と、S極を食塩水パイプに向けた場合の結果を「測定結果:2」に掲げます。
この測定結果から分ります様に、『第7話 ピップエレキバンの効用?』の場合の「腕」の場合同様な発電現象が観測されます。
それに加えて、「測定結果:1」では、通常の導体である「銅線」の発電現象と同じ結果(「アクリル内食塩水」をセットして観測値を低下させていますので)が得られることもわかります。
更には、「測定結果:2」では、磁石と「アクリル内食塩水」の位置関係から、学校で“磁界に対する導線の動きと、それに伴う発電電流の法則”として教わった「右手の法則」同様の結果を得ています。
次には、「食塩水」以外の導体でも同様な発電現象を得ることを確認します。
先ずは、ソーセージ(長さ:約15p、直径:約3p)を使用しました。
このソーセージに、電極を2本立て(電極間:約12cm)、各々、差動プローブの端子へと導きました。
尚、ソーセージ(電極間)の抵抗値をテスターで測定しますと、約10KΩでした。
(但し、「写真:3」に見ますように、「写真:1&2」の食塩水の実験の場合と異なり、発電体(この場合は、ソーセージ)が、磁石落下枠の前面にセットされています)
この測定結果を見ますと、食塩水を用いた場合同様に、ソーセージを用いた場合でも、導体(銅線、銅箔等)を用いての発電と同じ発電現象を得ることが出来ることが確認できました。
即ち、先の『第7話 ピップエレキバンの効用?』の場合の「腕」の場合と同じ発電現象が、「銅線」「食塩水」「ソーセージ」「人体」の場合に得られたのですから、「導体とは何か?」「電流とは何か?」を改めて見直す必要が生じたのです。