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ファラデーの電磁誘導の法則は誤解です(1)

201666日 宇佐美 保

 「ファラデーの電磁誘導の法則:コイル内に発生する起電力Vは、そのコイルを貫く磁束φの時間的変化に比例する」こそが、発電の原理であると、どなたも信じて疑わないと存じます。

 

(注)ファラデーの電磁誘導の法則の数式

 

 

   式:1

   

但し、kは比例定数、又、一連の拙著では磁束を磁界と表記しております。

 

 しかし、おかしいではありませんか!?

私達は学校で「発電現象」に関して、次の「図:1」のような「フレミングの右手の法則」を教わって来ました。

 

 「フレミングの右手の法則」
(図に於ける導体と磁石の相対的移動は左右方向)
 

 

  そして、先の『第10話 食塩水も銅線も同一発電現象』の「測定結果:3」でこの現象を実験的に確認しております。

但し、この場合は連続的な発電現象ではありませんので、次の「写真:1」のように、1本の導体(コの字型に曲げた銅棒(直径:3mm))の回転によって「フレミングの右手の法則」通りに「連続的な発電結果」を確保できるのです。

 

 

 尚、「の字型銅棒部分」を磁界内でモータを用いて回転させますが、その回転方向は、右の軸受け側から見て、時計方向の回転とし、「銅棒の発電部分(の字型部分)」と共に回転する「光遮蔽板」が「フォトインタラプタ(光センサ)」の光を遮る事で、「の字型銅棒部分」の存在位置が検出されるようにしました。 

「位置の検出モニター」の位置関係は、「銅棒の発電部分」が120)時(真上)の位置に来た際、「光遮蔽板」もその同じ位置に来て、その事象を「光センサ」で検出されるように設定しました。

 

 この「発電機」にて、次のように、磁石(30mm角、厚さ:15mmのネオジウム磁石)の設置(アルミ製の枠で固定)方法を変えて「測定結果:1」を得ました。

 

  

この結果に見ますように、「ファラデーの電磁誘導の法則(磁束規則)」とは無関係に、ループ(コイル)を形成しない「1本の導体」での発電が可能です。

 

当然ながら、各場合とも発電現象は、「の字型銅棒部分」が磁石に最も近付いた時、即ち、結果(2)の場合は、銅棒が(位置の検出モニターに対して)9時の位置、(3)の場合は、銅棒が3時の位置で最も顕著に認められます)

 

そして、そこでの発電状況は次の「図:2」に見ますように、「フレミングの右手の法則」そのものです。 

 


更に(4)はその両者の合算(測定結果:2-2のグラフと、測定結果:2-3のグラフを重ね合わせた状態)であり、日頃、コイルを磁石間で回転した場合に得られる発電状況そのものです。

即ち、この1本の銅の丸棒の回転によっても従来“閉回路内の磁束の変化に応じて閉回路に電流が発生する”と信じられてきた“コイル(閉回路)を回転した場合と同様な発電結果”が得られるのです

(繰り返して記述しますが、それも、よく知られている発電に関する「フレミングの右手の法則」通りの結果となっているのです)

 

ところが、発電の原理は「フレミングの右手の法則」に合致しない場合、即ち、「図:1」の導体が磁石の横の位置に存在する場合にも、発電現象が発生することを、先の『第10話 食塩水も銅線も同一発電現象』の「測定結果:1」に見るのです。

 「フレミングの右手の法則」に合致しない場合
(図に於ける導体と磁石の相対的移動は上下方向
 

 

そこで、この場合も先の「測定結果:1」を得た場合同様に、次の「図:34」のように、「の字型銅棒部分」に対して、N/S極を上下に向けてセットして、この場合も「測定結果:2」の連続的な発電結果を得るのです。

 

 


 


  2)と(3)の結果は同形であり、発電現象は磁石近傍に於いて発生しております。

 

次には、ポリプロピレン(PP)の枠(各辺の寸法は、幅:2cm、長さ:4cm)にエナメル線を20回巻き付けたコイルを作成して「測定結果:12」を得たと同様な実験を行い、各々「測定結果:34」を得ました。

 

 

 

 この実験は、磁石の前でコイルを回転しているのですから「ファラデーの電磁誘導の法則」に従って当然と思える状態ですが、
上の測定結果のようなゼロボルト状態は、「ファラデーの電磁誘導の法則」では説明できません。
(何故なら、磁界の中で回転するコイルを貫く磁界の量の変化が、長い期間にわたりゼロとなることはありません、
従って(式:1)から、発電電圧が、長い期間にわたりゼロとなることはありません

  

 

   

如何でしょうか?「ファラデーの電磁誘導の法則」をまだ信じますか!?

次話では、発電原理は「ファラデーの電磁誘導の法則」に関係ない事を更に証明します。