序 ファラデーの電磁誘導の法則は誤解の産物です
2017年1月20日
宇佐美 保
現在の電磁気学(古典電磁気学と奇妙な名称を被せられています)は「マクスウェルの方程式」に支えられていますが、
その基礎は「ファラデーの電磁誘導の法則」(V=-k・dφ/dt)にあります。
この法則はどなたも御存じのように、閉回路Aに電流を流すとその電線の周囲に磁界が発生し、
その結果、隣接する閉回路B内の磁界量が変化し、
その変化の時間的変化(-dφ/dt)に比例して、閉回路Bにも電圧Vの電流が流れるという法則です。
しかし、この法則は、現在とは比べ物にならない程粗末な測定装置によって観測された結果をもとにしているのです。
そこで、現在の電気測定装置を用いて、この法則の妥当性を考察してみましょう。
先ずは、入力線(閉回路A)の横にセットした隣接線(閉回路B)に流れる電流に関する次の実験並びその結果をご覧ください。
電線として、一般的な常識を逸脱し、2本の5mmφの銅棒(1b長)を用いました。
何故なら、従来は、電気は、電流を一方通行的に、電源のプラスから、マイナスへ流れると教えられておりましたので)
往きの電流が流れる電線を「写真:1」のように、入力された側の電流の影響力が隣接する電線に、
出来る限り忠実に反映されるように(絶縁材などの影響を避ける為、電線周囲環境を空気のみとすべく)
互いの電線を真っ直ぐに、
且つ、又、電線間隔を一定に保つ為に、敢えて5mmφの銅棒(1b長)を2本
(プラスティックのスペーサーを2本の銅棒間隔を約0.7mmに維持する為に設置)釣り糸で縛り固定し、
一方、帰りの電流用の電線としては一般的な平行線(赤/黒被覆線:110cm)を用いました。
この電線系を、木枠を組み「写真:2」の様にして、
釣り糸を用いて2本の銅の丸棒(写真:1)を、この木枠に吊るし、平行線(赤/黒被覆線)は垂れ下がり状態としました。
この状態で、電源より1KHzの矩形波信号(1V/0V)を1パルス(1Vの直流電流を5ミリ秒でON/OFFした現象に相当)を、
入力側の電線へ流して、入力部入口と、その位置に隣接する隣接線の往きと帰りを結んだ抵抗間の電圧変化を、
電圧測定用端子(差動プローブ)を介してオシロスコープで観測し、次の「測定結果:1」を得ました。
測定結果:1 |
この測定結果の「隣接側変化」のように、
電流をON/OFFした際に、虫眼鏡対象物的に観測される「僅かな突起」の時間軸の1目盛(100μ秒/目盛)を、
現在の電気測定機器を用い、1万倍の「10ナノ秒/目盛」と時間的に拡大して表示しますと
(マイナス側の突起の時間的位置は微小突起に合わせてずらせて表示)、
この「僅かな突起」が、拡大表示しました
「プラス側突起」、「マイナス側突起」のような、
(と申しましても、約7ナノ秒間、即ち、今回用いた1b長の銅の丸棒を電流が往復する時間)
ファラデーが観測できなかった入力信号(矩形波)と同形の電流の発生を隣接線に観測することが出来るのです。
この「測定結果:1」の「隣接側立上り部/立下り部の拡大」の平坦部(入力波と同形の波形)が
隣接線でも観測された事実によって
「ファラデーの電磁誘導式(V=−k・dφ/dt)」は、誤解の産物であることにご納得頂けると存じます。
(なにしろ、この平坦形状は「ファラデーの電磁誘導式(V=−k・dφ/dt)」からは導かれる波形形状でないことは明らかな筈です)
ファラデーが実験の名手であっても、
今回使用しましたナノ秒単位での電気の挙動を測定する機器が使えなかったら、
とても、「測定結果:1」を得ることはできなかったのです。
その結果、多くの誤解が、更に発生しているのです。
このような数々の誤解を、次の「第1話」から次々と暴いてゆきます。
しかし、従来理論の誤解、矛盾を暴くだけではなく、
そのような誤解、矛盾を暴く実験結果から、
従来の電磁気学を塗り替える新たな電磁気学を独自で構築しました。
そして、その新たな電磁気学を『コロンブスの電磁気学』と銘打ち、
何回も改訂増補を繰り返し、窓文社から発行しておりますので、
それらの拙著『コロンブスの電磁気学』をご購読頂きたく存じます。