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CIAの秘密工作

2016214

宇佐美 保

 NHKのテレビ放送新映像の世紀04 冷戦~世界は秘密と嘘に覆われた:NHKスペシャル2016.01.24】は、
アメリカ
CIAの秘密工作も教えてくれます。

 

  20世紀初頭からイランの石油利権を独占していたイギリスにより、
イラン人は安価な労働力として酷使されるばかり、
そこに勇気ある政治家が現れた。

イラン首相(195153年)に選ばれたモハンマド・モサッデクは、
イギリスから石油資源を奪還した

 イギリスは、国連でモサッデクを激しく非難したが、モサッデクは一歩も引かなかった。

 

 アメリカはイランが共産化し(モサッデクは共産主義者ではなかったが共産党が支援)、
イランの石油がソ連に奪われることを恐れて、

CIA
のダレス長官は、イギリスの諜報機関と協力して、
モサッデクを倒す秘密計画「エイジャックス作戦」を開始した。

 

 2013年に公開された機密文書によれば、
CIAの工作員は、100万ドルをばら撒き、軍人やギャングを買収し、
暴力を使って強引に政権を転覆させようとした

 

 モサッデクは「国家反逆罪」として逮捕されCIAの仕掛けたクーデターは、
あっけなく成功した。

 

 アイゼンハワー大統領は、亡命先のローマから帰国したハーレビ国王を支援して、
新米政権を作った

アメリカ石油メジャー5社が、利権の4割に食い込んだ

 

 この成功に味を占めたCIAは、その後も世界各国で秘密計画を仕掛け、
反米政権を次々と転覆させて行く。……

 


このCIAの手口は、
ベネズエラの石油国営化を推進したチャベス
に向けられたのです。
(先の拙文《エコノミック・ヒットマンそして日本(1》をご参照下さい)

 

翻ってCIAと日本の関係となると、現在、圧力に屈し「マスゴミ」とさえ言われている新聞、テレビの件を考えれば、A級戦犯であり、公職追放処分を受けていながら暗号名「PODAM」で呼ばれつつCIAへの協力(非公式の工作活動)をおこなっていた「読売新聞の中興の祖」とも言われ「日本テレビ初代社長」である正力松太郎氏を思い浮かべざるを得ません。

(拙文《原発導入二人の父(中曽根康弘氏、正力松太郎氏)》も御参照下さい)

 

更には、戦後の米国の共産党対策としての、アベ氏の祖父である岸信介氏とCIAとの関係も多くの方々の頭に浮かぶでしょう

 

しかし、フリー百科事典ウィキペディアを見ても、岸氏とCIAの関係は記述されておりません

 それでも、共同通信(2006719日)の記述をご参考ください。

 

 左派弱体化へ秘密資金 米CIA、保革両勢力に

【ワシントン18日共同】

米中央情報局(CIA)が1950年代から 60年代にかけて、日本の左派勢力を弱体化させ保守政権の安定化を図るため、当時の岸信介、池田勇人両政権下の自民党有力者と、旧社会党右派を指すとみられる「左派穏健勢力」に秘密資金を提供、旧民社党結党を促していたことが18日、分かった。……

 

更には、次の記述を目にします。

 

 

日米安保条約の不平等性

……1957520日、「国防基本方針」を閣議決定し、アメリカの懸念を払拭するために、
日米協力による日本の安全保障、国力に応じて
防衛力を漸増することなどを明記した

 

 

対米自主外交

……鳩山とともに憲法改正を主張した

 

 

そして、又、『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」 有馬哲夫著:20061020日新潮社発行』を見ますと、次の記述に目が留まります。

 

 

 

……占領期間中に諜報部指揮下の民間検閲局の将校たちは日本のメディアの上層部を個人的に知るようになっていた。また、七年間にわたって検閲関係の交渉のなかでマインド・コントロールされつづけたので、合衆国情報サーヴィスの押し売りに抵抗することはなかなか難しかった。

 それに戦前に遡れば、さらにひどい言論統制と弾圧が行なわれていた。当時のジャーナリストや言論人はもともと言論の自由など経験したことがなかったのだ。

 アメリカ側は在日大使館を通じて占領後も日本のメディアの上層部と密接な関係を保持し続けた。そこに「指導者交流プログラム」、大リーグチーム招聴、ニュースや素材の提供、特ダネのリークなどの利益供与が加わる。

 
 アメリカ側は「非公然」の手段でなくとも、日本側の編集者たちに圧力をかけることができた

195398日付合衆国情報サーヴィス半期実績報告書は、「ようやく最近になって、しかも長期にわたり細心の注意を払って合衆国情報サーヴィスを売り込んだ結果、朝日(新聞)は編集方針のバランスをとり、(合衆国情報サーヴィスの)情報素材を受け取ろうとし始めた」と自慢している


 嫌米で鳴る朝日新聞がそうだとすれば、讀賣新聞がどうだったかはいうまでもないだろう。ドゥマンの来日を讀賣新聞よりも詳しく伝え、さらに彼の日本の若者観にもかなりの紙面を割いた毎日新聞も合衆国情報サーヴィスが売り込みに成功した例としてあげられている。

 
 ジャーナリストのなかにはアメリカ側の情報提供者として個人名まで記録されているものまでいた。
かつて占領軍が『世界』や『文芸春秋』と並んで知識人に影響力があり、なんとかコントロールしたいとしていた『改造』の元編集長原勝の例だ。彼は一九五五年、三木が保守大合同を成し遂げようと水面下で動き始めたとき、三木の意図とそれに対する保守党領袖の反応を事細かに分析して知らせている。

 
 保守系政党が一つにまとまり、憲法改正に必要な三分の二の議席を確保し、再軍備するというのが今日に至るまでのアメリカの願いだ。したがって
CIAはこの情報を高く評価した。

 
 朝日新聞が
19941010日、13日、1111日の三度にわたって、1950年代から1960年代にかけて自由民主党にCIAから秘密資金が流れたという報道をしたが、この状況証拠からしてもかなり信憑性が高いということが再確認できる。

 
 ちなみに、このような極秘文書の公開・非公開の判定に関わっているメリーランド大学の某助教授は、筆者とこのことで会話した際に「そのようなことを裏付ける文書は一〇年たとうが二〇年たとうが絶対公開されない」と断言した。
たしかにCIA文書岸信介ファイルからは彼を礼賛したアメリカの新聞記事しか出てこない

 
 公文書ではあっても現在の政権や企業や個人の活動に影響するようなものは公開できないルールなので、
自由民主党の成立ちに関わるこのような文書は、この党が存在し続けるかぎり、またアメリカ寄りの政策を変えないかぎり、でてこないのだ。……

 

ですから、岸氏とCIAの直接的な関係は公には出てこないのでしょう。

それでも、現在、アベ政権の圧力に屈しているマスコミは、既に(現在も?)CIAからの圧力を受けていたということなのです。

 

更に、CIAとの言葉から、エネルギー政策で反米的に動いたといわれる失墜された田中角栄元首相、更には、突然世を去られた橋本龍太郎元首相、小渕恵三元首相などの顔が浮かんできます。

 

国民の多数の反対の声にも耳を傾けず、自民党の誰もが逆らえない程の力を発揮して、日本を奈落の底へ落とし込もうとしているアベ氏に対して、 “彼はお爺さんが果たせなかった思い(前掲のフリー百科事典ウィキペディアの抜粋文)を今果たそうとしている”との 多くの評論家の方々の解釈では、アベ氏の本質を見失ってしまうと存じます。

 

アベ氏の人間性(幼児性等々)をとやかく批判しても始まらないのです。

問題の本質は浮かび上がって来ないのです。

 

  なにしろ、キューバ危機を回避したほぼ1年後、
米国の希望の星(いな!世界の希望の星)であった

ケネディ大統領が、

ダラスを車でパレード中に、暗殺者(オズワルド)によって、
車列の後方に位置する教科書倉庫の
4階から狙い撃たれたとされていますが、
今回放映されていた「新映像の世紀 4」では、
ケネディ大統領の頭部が
後方に向けて暗銃弾で吹き飛ばされる瞬間が映し出されていたのです
 

 

この映像から、はっきりと、暗殺者はオズワルドでないことが分かります。

しかし真犯人は不明のままです。

 

このような状態で、日本に「希望の星」が出現するでしょうか!?



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