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村本大輔氏を支持します(1

201818

宇佐美 保

 

 

 私は、最近は、ほとんどテレビを見ません。

特に、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)は見ておりません。

ですから、Webサイト「リテラ」に於ける“元旦『朝生』のウーマン村本は全然間違っていない! 本当のバカは三浦瑠麗と落合陽一だ”を見て愕然としました。

 

 その冒頭では、次のように記述されております。

 

  元旦(1日未明)に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演したウーマンラッシュアワーの村本大輔が、放送直後からネット上でフクロ叩きにあった。ツイッターではこんな誹謗中傷が溢れている。

 

〈テメェの無知を国民や政治のせいにするな。テメェがアホなだけやろがぃ〉

〈ウーマン村本、ただのバカならまだしも、日本にとって害になってきましたね!〉

〈売国奴村本は日本人としての資格がないから、国外追放か死ねばいい〉

〈この人左翼からも若干嫌われとるよね。多分日本人やないよ。〉

 

 村本は、番組で憲法9条の改憲が議論になるなか、「(9条にあるとおり戦力を)放棄すればいい」「非武装中立がいい」などと敢然と言い放ち、他の出演者から「もっと勉強しろ」「侵略されたらどうするんだ」などと一斉に非難された。番組終了後には、これらの村本の発言がニュースとしてまとめられて拡散。井上達夫・東京大学教授から「少し自分の無知を恥じなさい」、「村本くんの発言の裏にある種の愚民観を感じる」など指摘されたことも含めて、村本の“無知”と“愚民観”がフレームアップされ、炎上しているらしい。

 

そこで先ず議論となった『日本国憲法第9条』を掲げましょう。

1.  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.     前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

       

 

 そして、リテラの文面を引用させて頂きながら、村本支持を展開させて頂きましょう。

 

 ……

「戦力を放棄すればいい」非武装中立に踏み込んだ村本

村本「いいですか。一瞬だけみなさんの大事な時間を借ります。どうしても気になるから。その『違憲』っていうのは何が違憲なんですか。すみません、そのレベルからちょっと」

三浦「自衛隊が? 自衛隊が違憲なのは……」

井上「君、92項の文章読んだことがあるの?」

村本「読んだことがない、だから聞いている」

田原「読めよちゃんと!」

井上「少し自分の無知を恥じなさい」

村本「視聴者の代弁者だから! テレビはそうなんですよ!」

井上「陸海空その他一切の戦力はこれを保有しない。交戦権は行使しない

村本「井上さん、これテレビですよ。これは若い人からお年寄りまで見てるわけですよ。だから1から10まで聞く必要があるんですよ」

三浦「村本さんの質問は、なんで自衛隊が軍じゃないかってことなの?」

村本「僕は武器は持たなくていいと思ってる」

三浦「2項を守れよってことでしょ?」

村本「うん。だって戦後72年、このままでよかったわけでしょ」

三浦「村本さんは、これ(2項)をそのまま守れよって言ってるわけ」

井上「いや、最初の話は自衛隊がなぜ違憲なんですかってことでしょ?」

村本「戦後70年ここまできてたのに」

井上「政府はずっと自衛隊は違憲じゃないって言ってきたし、護憲派も最近の修正主義的護憲派は専守防衛、個別的自衛権の枠だったら合憲だと言い始めた。でもこれは明らかに明文に反するわけね。自衛隊は予算規模で言えば世界で4位か5位の軍隊ですよ。イージス艦も持ってる、ファントムも持ってるわけですよ。これを戦力じゃないっていうのは本当は難しいんですよ。それが、仮にそうだとしても、日米安保のもとで、世界最高の戦力である米軍と一緒に沖縄の防衛はね、交戦権の行使じゃないってこれは嘘でしょ

村本「でも僕はそれ、戦力を放棄した方がいいかなと思うんです」

井上「それなら正しい。ただし、日本では護憲派も含めて、自衛隊を全部廃棄しろなんて言う人はいない、もう」

田原「放棄するってことは非武装中立にするってこと?」

村本「はい。ぼくはそっちです。非武装中立について教えてもらいたいです」

 CMで中断)

  井上「ちょっと質問していいですか。村本さんはじゃあね、非武装中立ね、それは本当に一番筋が通ってるけど、私は間違った理想だと思いますが、ただ多くの人は本当に非武装中立が何を意味するか理解しないで言っているわけね。じゃあ、攻撃されたらどうしますか?

村本「なぜ攻撃されるんですか」

井上「いや、それを言ってんの。侵略されたら、いや、侵略されないに越したことはない。じゃあ、もし侵略されたらどうするんですか。白旗を挙げて降参なの?」

村本「僕はそっちかなと思います」

井上「そしたら侵略者に対して侵略のインセンティブを与えちゃうよね。それでいいの?」

村本「なぜ侵略される、意味が分からないんですよ」

落合陽一「だって知らない人に通り魔で刺されたりするでしょ?

村本「だからなぜ中国や北朝鮮が日本を侵略するという発想になるのか、私は分からない 

 
 ここで、アップロードされている
動画「朝まで生テレビ 元旦SP 201811日」をチラリと見てみました。

そこでは(3時間3549秒付近)、中林美恵子氏が、北朝鮮が日本に攻めてくる愚にも付かない理由をグタグタと披露していました。

 しかし、「首相官邸」のホームページを訪ねると、「日朝平壌宣言」の内容を見ることが出来ます。

 

  小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。

  両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。

……

3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

と明記されています。

 

なのに何故アベ氏はこの条約を順守しないのでしょうか!?

この事こそ大問題ではありませんか!?

 

 ところが、朝生では、この「日朝平壌宣言(2002917日)」を無視しているアベ氏の非を問うことなく、その後の「六か国協議」を北朝鮮が無視していると非難しています。

(先ずは、アベ非難が先でしょう!)

 

 そして、村本氏が「北朝鮮が無視した理由」を問うても、一方的に北朝鮮悪者論が展開されます。

 

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

 

 ……2003年(平成15)初めに北朝鮮が核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言したため、アメリカ、中国、北朝鮮の3か国代表が同年4月に北京で三か国協議を開いた。この会合に日本、韓国、ロシアの3か国が加わり、20038月に第1回目の六か国協議が開催された。北朝鮮の核兵器製造問題を外交交渉で平和的に解決して朝鮮半島の非核化を目ざすと同時に、北東アジアの平和と安定の維持について話し合う20059月に、北朝鮮の核放棄などを盛り込んだ共同声明を採択し、20072月には核施設の停止・封印や無能力化などの段階的放棄で合意。20086月には、北朝鮮が寧辺(ねいへん)にある黒鉛減速炉の冷却塔を爆破するなど、一定の成果をあげたかにみえた。しかし、その後は核放棄の実効性をめぐり、北朝鮮と他の5か国の主張の隔たりが埋まらず、200812月の首席代表者会合を最後に開催されていない。この間、北朝鮮は2006年、2009年、2013年に核実験を強行したほか、ミサイル発射実験を繰り返した。このため国連安全保障理事会が北朝鮮を非難する声明を採択し、経済制裁を加えている。北朝鮮は表向き六か国協議の早期再開を主張しているが、日本、アメリカ、韓国はまず北朝鮮が非核化への具体的行動をとるよう主張している。

 ……

 

 村本氏は、

 北朝鮮側からの言い分をしっかり理解する必要があるのでは?

と発言しても、田原氏は一方的に、

 “金正日以来の北が南も統合しようとする野望である”

と決めつけたりします。

私は、村本氏の言い分通りに、北朝鮮側からの言い分を考えれば、次のようになります。

 

 リビアの崩壊そして、イラク戦争が終わって、はっきりしたことは、核を有さない国は米国に蹂躙されてしまう。

 

 だと思います。

 

従って、北朝鮮が核を手放す為には、米国(並び周辺国)の北朝鮮への確たる保障が新たに必要であると、条約締結後に気が付いた為だと存じます。

(この点からも、村本氏が出席者より優れた人物であることが分かります)

 

 

 井上「いや、それは君が問題を避けているの。君の良いところは問題を逃げないことだと思ったけど、今までの非武装中立論者はみんなそうやって議論から逃げてきた」

村本「じゃあわかりました。答えましょう。白旗を挙げて、僕はですよ……」

田原「ちょっとまって。具体的に言うと、もしも日本が米軍と自衛隊がいなかったら、尖閣は中国が取るよ」

村本「分かりました。じゃあ僕は逃げずに答えますけども、僕は、僕の意見はですよ……」

田原「取られてもいいわけね?」

村本「僕は取られてもいいです。僕は明け渡します。僕はですよ。うん」

落合「なんで?」

村本「だって、だってもし皆さんの身内に、自衛隊とか軍隊がいて、その身内が人を殺して国を守ることって……」

井上「じゃあ自分の身内が殺されるってときに、敵を殺さないと自分が殺される状況に置かれたらどうするの?」

村本「じゃあ、殺されます」

落合「なんで?」

村本「だって誰かを殺すわけでしょ?」

井上「いや、そういうことを言う人は多いの、ね? で、僕はそれはほとんど欺瞞的で……」

村本「僕の考えは僕の考えでいいでしょう!」

 

 

井上氏が村本さんを“ほとんど欺瞞的で……”を非難されるなら、井上氏も、また、出席者の皆様も戦場に出かけたらいかがですか?

(或いは、自衛隊が海外に派遣される場合は、少なくとも、その派遣に賛成した議員の誰かが同行すべきでしょう)

今の時代では、昔の歩兵のような行軍をせずに、ドローン、ミサイル等の攻撃のボタンを押す任務にも従事することは可能でしょう。

(優秀な頭脳をお持ちのようですから?)

 

 また、村本氏同様な発言を森永卓郎氏がなさって居りましたので、私のホームページ《小泉純一郎氏とトラー200459日)》の一部を下記に抜粋いたします。

 

 3月の終わりの、テレビ朝日の「たけしのTVタックル」で、経済アナリスト(?)の森永卓郎氏が、

「戦争は反対、悪い奴等が攻めてきても、何もしない」

と宣言していました。

大変立派だと思い、私は感銘を受けました。

 

 この森永発言に対して、舛添要一議員

ヒトラーみたいな奴が攻めてきたらどうするのだ!

と喚き、評論家の三宅久之氏

“敵に向かって、スッポンポンで、助かった国の歴史なんか無い!”

と云ったように、実に品無く喚きました

 

 (あまり品が無いので、私は、直ぐチャンネルを回してしまいました。)

……

私は、「戦争は反対、悪い奴等が攻めてきても、何もしない」との森永卓郎氏発言を支持します。

 

では、自衛隊をどうする?

張り子の虎的存在」で良いのでは?!

  自衛隊に30年居られた作家の浅田次郎氏が『それでも私は戦争に反対します:平凡社発行』に次のように記述されています。

 

 おまえも寒さには慣れているだろうが、イラクの夏はひどく暑いらしい。何でも暑さの世界記録は、バスラで観測されたそうだ。信じられるか、摂氏五八・八度だとよ。

 あのな。ロートル小隊長の最後の命令を聞いてくれるか。

 おまえ、撃たれても撃ち返すな。橋や学校をこしらえていて、もしゲリラが攻撃してきたら、銃を執らずにハンマーを握ったまま死んでくれ。

 正当防衛も、緊急避難もくそくらえだ。他人を殺すくらいなら、自分が死んでこその人間じゃないか

 自衛隊は世界一猥褻な、世界一ぶざまで滑稽な軍隊だけれど、そんな俺たちには誰も気付かぬ矜りがある。それは、五十何年間も戦をせず、一人の戦死者も出さず、ひとつの戦果さえ挙げなかったという、輝かしい不戦の軍隊の誇りだ。

 GHQと戦後日本政府がこしらえたおもちゃの兵隊が、実は人類の叡智の結晶ともいえる理想の軍人であることを、ブッシュにも、無能な政治家どもにもわからせてやれ

 いいか。俺は昔の戦で死んだ大勢の先輩たちと、ほんとうの日本国になりかわっておまえに命ずる。

 やつらの望んだ半長靴を、人間の血で汚すな。われらが日章旗を、人間の血で穢すな。誰が何と言おうと、俺たちは人類史上例を見ない、栄光の戦わざる軍人である

 復唱せよ。

 

 私は、この文章を読み涙が止まらなくなりました。

今も溢れてきます。

 

私は、小泉氏のアホな発言よりも、この浅田氏の文章こそを、小中学生の教科書に載せて頂きたいと存じます

 

 更に尖閣列島に関しては、野中広務氏は、1972年の日中国交正常化した直後に、当時の田中角栄首相から「尖閣諸島の領有権について日中双方が棚上げを確認した」と直接聞いたというのだ。

 

なのに、石原都知事(当時)は、以下の記述のように、「ちゃぶ台返し」をしてしまったのです。

 

  2012年、ワシントンのヘリテージ財団主催のシンポジウムで行った講演で、尖閣諸島を地権関係者から買い取る方向で基本合意したことを明らかにした。購入の動機については、島に港湾施設などを整備して日本の有効支配を確たるものにするためとした。

 

 そして、中国大使も務められた丹羽宇一郎氏は、氏の著作『戦争の大問題 東洋経済新報社 2017817日 発行』の中(136頁)で次のように記述されております。

 

  領土であれ、権益であれ、それは国を豊かにする手段である。

 したがって、国を豊かにすることに何ら貢献しない、むしろお荷物となるような領土、権益であるならば放棄したほうがましなのだが、領土に関しては「尖閣問題」や「竹島問題」に見られるように、国民の間で合理的な思考が止まり、領土自体が重大な目的のようになってしまう。これでは本末転倒ではないだろうか。

……領土問題で戦争をして、果たしてどれだけの利益を得ることができるのか。我々は尖閣諸島の主権問題にあえて白黒をつけずに棚上げとしたまま、平和友好条約を結んだ日中の先輩たちの智慧に学ぶべきだ。

 国力にとって、最も重要で影響力のあるファクターは領土や資源より労働力である

 

軍事ジャーナリストの田岡俊二氏も、同様な発言を常々行っておられます。

 

 尖閣列島周辺の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性のあっても、一方的に領土宣言せずに、お互いに歩み寄るのが利口だと存じます。

 

 それにしても、歯舞色丹2島の返還に関しては、誰も触れていなかったようですが、先ずは第1報としてここまでとさせて頂き、次は《村本大輔氏を支持します(2》に引き継ぎたいと存じます。

 
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