新『コロンブスの電磁気学』(第6巻)
「交流理論は砂上の楼閣」へのご案内
2015年8月23日 宇佐美 保
窓文社 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-2-4-402 電話 (03)3355-6265 FAX (03)3355-6270 |
ここまでの本小冊子『第1〜5巻』、或は、『コロンブスの電磁気学』(新増補改訂 カラー版 第1巻)を御高覧下さりましたら、従来の「電磁波(光)」に対しての、“光は、波と粒子の二重性格を有する”との認識が、電気に関しての全ての誤解の根源でもあったことにお気付き頂けたと存じます。
なにしろ『第1巻 新たな電流理論』21頁の「測定結果:1」に見ますように、発信時間が25ナノ秒でしかない20MHzの1パルス(1周期分)の矩形波信号が、600b長のケーブル末端への出力波形が2μ秒以上(100倍近く)に伸びきっているのですから、従来通りの粒子説通りにこの20MHzの1パルスの矩形波信号を1つの粒子と見ることは困難です。
そこで、『第1巻』以降(拙著『コロンブスの電磁気学』シリーズ)に於いては、「1パルスの矩形波信号」、更には、1パルス(1周期分)のサイン波信号も、量子的存在である「電磁子」(筆者の命名)の集合体と解釈しました。
この背景としては『第1巻 第7章 電流と川の流れ』に記述しましたが、「川や、海の波」は、それらを構成している「水の1分子1分子の動き」が反映されているのですから、この「水の1分子」を「電磁子の1個」と置き換えれば、電磁波の挙動がよりはっきりと分かる筈です。
その結果、電気回路の接続方法としては、従来の「直列接続」、「並列接続」以外に「縦列接続」(筆者の命名)が存在することに気が付きました。
この「縦列接続」の概念を導入しますと、コンデンサもコイルも単なる「縦列接続された伝送路」であることが解明され、その結果、コンデンサやコイルを流れる電流は、入力された電流方向と共に逆方向に流れる電流が存在することが明確化されました。
(勿論、伝送路中に抵抗が存在すれば、その抵抗の存在による電流の反射現象が存在します)
更には、前著『第5巻 新たなトランス理論』に於いて、電気は「近接作用」ですから、トランスは、自身に流れ込む電流が「直流」であるか「交流」であるかを知る由もなく、「直流」、「交流」の区別なく機能していることが判明しました。
(『第1巻 新たな電流理論』では、コンデンサに関しても同様な結果を得ました)
従って、従来の電気理論、即ち、交流に特化した理論の見直し再構築が必要と存じます。
何しろ、今や、デジタル信号(矩形波信号)の時代なのですから!
本著をご高覧頂く前に、次の記述並び実験、計算結果にお目通しください。
「交流理論(共振回路)の誤解:交流も直流も同じ電気」
電源に接続した同軸ケーブルの信号線部に、コイル、コンデンサを図のように直列接続して、同軸ケーブルの出力端部に終端抵抗(50Ω)をセットして、差動プローブで測定し、矩形波信号で共振現象の発生を確認しました。
配線状況 |
測定結果:1 入力信号の周波数の変化と出力信号の変化(各 500mV/目盛 50μ秒/目盛) |
||
サイン波入力の場合 (500mV/-500mV) | 入力周波数 | 矩形波入力の場合 (1V/0V) |
100Khz 50Khz 27.8Khz 20Khz 10Khz |
次は、上図の回路に、矩形波信号(500KHzの矩形波信号など)、サイン波信号(合算結果の参考としての27.8KHzのサイン波)を、各1パルス入力しての出力波形の「測定結果」を、又、計算ソフト「Excel」による「500KHz矩形波の出力」を合算した結果も、その次に掲げます。(前著『第5巻
新たなトランス理論』、更に『第1巻』でも用いたExcelによる手法)
測定結果 Excel計算の準備データ (各 20?秒/目盛) |
/目盛 | |
(1)基本となる500KHzの矩形波信号 (2)基本となる500KHz矩形波の出力波 (3)27.8KHzの矩形波の出力 (4)27.8KHzのサイン波の出力 |
1V 1V 500mV 500mV |
測定結果 Excel計算の準備(実測)データ (各 20?秒/目盛) | ||||
Excel計算方法 |
入力方法 |
出力結果(実測並びExcel計算結果) |
||
1 |
27.8KHz矩形波 測定結果の(3)に相当 |
27.8Khz/2=1?秒×18 | ||
2 |
基本(500KHz)矩形波 信号部のみ18連続 |
|||
3 |
27.8KHzサイン波 測定結果の(4)に相当 |
27.8Khz/2=1?秒×36 | ||
4 |
(2)の36個にサイン関数を乗じて計算 |
|||
5 |
(4)を27.8KHz周期で、5波合算 |
このExcel表示の結果を見ますと、今回基本とした500KHzの矩形波信号の出力波形を1?秒ごとに連続しての合算結果が、27.8KHzの矩形波、基本矩形波の出力波形にサイン関数を乗じながら(1?秒ごとに)合算した結果が、サイン波の出力波形の実測値と一致することを確認することが出来ます。
しかし、“27.8KHzのサイン波の実際の出力波形と合致はしていても、その形状がサイン波とは異なって見えるので、何かおかしいのでは?”と思われる方も御座いましょうが、上記の(5)に於ける「(4)を27.8KHz周期で、5波を合算した」の結果は、合算された個所で、はっきりとサイン波形状を示しております。
勿論「コンデンサ並びコイルを並列接続」した場合も同様な測定結果、計算結果を得ることが出来ます。。
「並列接続」の場合も「いわゆる共振回路」は、誤解です
「直列接続」の場合同様に、電源に接続した同軸ケーブルの信号線部に、コイル、コンデンサを右図のように並列接続し、同軸ケーブルの出力端部に終端抵抗(50Ω)をセットして、「直列接続」の場合同様に、矩形波信号(基本となる500KHzの矩形波信号など)、サイン波信号(合算結果の参考としての27.8KHzのサイン波)を、各1パルス入力した場合の出力波形を差動プローブで測定した結果と、Excelを用いての合算結果等を、その次に掲げますが、1パルスのサイン波出力波とてもサイン波の形状をしておりません。
配線状況 |
測定結果 Excel計算の準備データ (各 20?秒/目盛) |
/目盛 | |
(1)基本となる500KHzの矩形波信号 (2)基本となる500KHz矩形波の出力波 (3)27.8KHzの矩形波の出力 (4)27.8KHzのサイン波の出力 |
1V 1V 500mV 500mV |
測定結果 Excel計算の準備(実測)データ (各 20?秒/目盛) | ||||
Excel計算方法 |
入力方法 |
出力結果(実測並びExcel計算結果) |
||
1 |
27.8KHz矩形波 測定結果の(3)に相当 |
27.8Khz/2=1?秒×18 | ||
2 |
基本(500KHz)矩形波 信号部のみ18連続 |
|||
3 |
27.8KHzサイン波 測定結果の(4)に相当 |
27.8Khz/2=1?秒×36 | ||
4 |
(2)の36個にサイン関数を乗じて計算 |
|||
5 |
(4)を27.8KHz周期で、5波合算 |
このExcel表示の結果を見ますと、基本となる500KHzの矩形波信号の出力波形の合算結果が、実測値と一致することを確認することが出来ます。
このように「いわゆる共振現象」は、「直列接続」、「並列接続」の場合とも「交流:サイン波」特有の現象ではないのです、即ち、交流も直流も同じ電気なのです。
目次
まえがき 1
第1章 交流理論は計算の世界 1
序 1
第1章 第1節 交流理論のほころび 2
第1章 第2節 電流と電圧の位相ずれは誤解です 5
第1章 第3節 共振回路への誤解 8
第1項 コンデンサ並びコイルからは逆流電流が発生する 8
第2項 コンデンサとコイルを直列接続した場合 13
第3項 抵抗も関与した場合 30
第4項 各素子間の多重反射と結合部の長さ 35
第5項 コンデンサとコイルを並列接続した場合 40
第6項 LC回路の誤解 50
第7項 コイル(コンデンサ)特性は入出力伝送路と相関関係にあります 53
第2章 表皮効果もケルビンの方程式も誤解です 56
序 表皮効果は誤解です 56
第2章 第1節 表皮効果が誤解である証明 57
補足:1 多重反射現象 65
補足:2 現在も実験科学の時代 66
第2章 第2節 ケルビンの方程式も誤解です 67
補足:1 内部抵抗が50Ωの電源の電源電圧(V0)と、出力電圧(V)との関係 71
補足:2 電気信号の流れの周波数依存性の有無 72
第2章 第3節 プラス/マイナス波での多重反射を再確認 74
第3章 テレビ電波と]線に対する私見 76
あとがき 80