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人質と自衛隊のイラク撤退

2004年4月10日

宇佐美 保

 

 イスラム過激派と見られる犯人グループが、バグダッドに向かっていた3人の日本人を拉致し、次なる声明を発したとの、悲しい事態が発生してしまいました。

 

犯行グループの声明文(要旨)

 神の名のもとに。この世の中にいるいろんな国民がみな良い関係になるように生きなければならない。

 (以上はコーランからの引用)

 日本の友人たちへ。日本の国民はイラク国民の友人だ

 我々、イスラム教のイラク国民は、あなたたちと友好関係にあり、尊敬もしているしかし、あなたたちはこの友好関係に対し、敵意を返してきた

 米軍は我々の土地に侵略したり、子どもを殺したり、いろいろとひどいことをしているのに、あなたたちはその米軍に協力した

 今、あなたたちの国民3人は、我々の手の中にいる。

 そして、あなたがたは二者択一をしなければならない。自衛隊が我々の国から撤退するか、それとも彼ら(3人)を殺害するかだ

 ファルージャでやった以上のことを3人にもやるだろう。

 このビデオを放映してから要求を実行するために3日間の時間を与える。

4月9日付け朝日新聞より)

 

 この声明文中の「拉致した方々を殺害する」件は非人間的な行為で、私は絶対に賛成は出来ません。

しかし、その他の部分は、声明文通りであると納得します。

 

 従って、“自衛隊はイラクから即刻撤退すべき!”と存じました。

 

 テレビを見ますと、被害者のご親族の方々が自衛達のイラク撤退を訴えていましたが、残念な事に久米宏さんは引退されてしまい、「ニュースステーション」は「報道ステーション」との番組に変更され、番組を仕切っていた古舘伊知郎氏は、はっきりと自衛隊はイラクから撤退せよとの発言はしませんでした。

(久米さんは、番組の最後まで“私は、自衛隊のイラク派遣は反対です”と自己の立場をはっきりと表明していました。)

 

 そして、ニュース23の筑紫哲也氏は、 “国家は国民の命の安全を第一に考えるべき”旨を例によって発言するだけで、自らは“自衛隊はイラクから撤退すべし”とは発言されません

 

 ご家族のお一人は“私達8人の力では、政府は全く動いてくれない”嘆かれました

 

 私はお気の毒で堪りません。

政府が動いてくれなくても、拉致議連の議員の方々なら、北朝鮮に拉致されている方々の苦しみに御理解のある方々と存じましたので、政府への働きかけのメールを出そうと思ってインターネットを探りましたが、アドレスが判りませんでした。

 

 そこで、或る民間の拉致問題支援グループのアドレスが判りましたので、次のようなメールを発信しました。

 

拉致されている方々のご苦労は計り知れないと存じます。

そして、イラクに人質となられてしまった方々も、同じような、否!

死が間近に迫っているだけ、それ以上の苦しみを、(家族の方々も)負っておられると存じます。

救う会の皆様も、自衛隊の撤退を政府に迫って頂きたいと存じます。

又、この件を、拉致議連の方々にもお伝え頂きたく存じます。

宇佐美 保

 

 早速、ご親切に、ご返事を頂く事が出来ました。

でも残念ながら、次のような文面でした。

 

救う会のみんなと貴兄とはかなり考えが違うようです。

少なくとも、私(救う会○○)と、○○○○は貴兄と正反対です。

イラクで人質になった3人は日本にとって大変な迷惑
素人がエエカッコしてノコノコと危険地帯に行くからです

どうして身勝手な3人のために国家の威信を背負った自衛隊が引き揚げなければならないのでしょうか。

 

 私は、ビックリして悲しくなりました。

 

 そこで、日頃、“日本人が外国に拉致された場合には、その国に戦艦を差し向けてでも救出を図るべき!”と主張している石原東京都知事なら、“3人の救出の為には何はさておき、自衛隊のイラク撤退を行うべき”と発言しているのかと思い、毎日新聞(4月9日)のページを見ましたら、次のような、拍子抜けする記事が載っていました。

 

 石原慎太郎・東京都知事は9日の定例記者会見で、イラク邦人人質事件で、政府が自衛隊を撤退させないという方針を示していることについて「(自衛隊は)平和の再建という目的で行っているのだから正しいと思う」と評価。人質の3人に関しては「政府はこういうことがありうると、退避勧告をしていたわけでしょ。十分覚悟して行ったと思う」と述べた。

 

 テレビでは、麻生太郎総務大臣が“イラクには行かないように、アナウンスしていたと思うけど……”と発言していましたので、外務省のホームページ訪ねますと、確かに、次のような退避勧告が載っていました。

http://www.pubanzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=045#danger)

 

イラクに対する渡航情報(危険情報)の発出(2004/03/19)

●全土

    :「退避を勧告します」 (継続)

 ☆詳細については、下記の内容をよくお読み下さい。

イラクへの渡航を予定される皆様及び同国に滞在されている皆様へ

1.2003年5月の戦闘終結宣言後も、イラク国内の治安は依然安定せず、武装勢力によるテロ攻撃が頻発しています。当初は、米軍等に対する攻撃が中心でしたが、2003年夏以降、攻撃対象が拡大の様相を呈し、バグダッドの現地国連本部における爆発事件、国際赤十字委員会事務所等における連続爆発事件等が発生し、11月にはティクリートにおいて、我が国の外務省員2名及び現地人運転手1名が殺害される事件が発生しました。2004年に入ってからも、2月のイラク北部エルビルにおけるクルド二大政党事務所での連続爆発事件、3月のバグダッド及びカルバラにおいて連続爆発事件等が発生し、いずれもイラク市民に多数の死傷者が出ました。

2.イラクにおいては、上記以外にも民間人・施設を標的とするテロ事件が多数発生しており、日本人や日本の関連施設等がテロ攻撃の標的となる可能性は依然として排除されません。また、現地の警察制度が未整備である等の理由により、在イラク日本国大使館による邦人援護活動は極めて困難な状況にあります
 つきましては、イラクに滞在されている全ての邦人の方々に対し引き続き退避を勧告します。また、イラクへの渡航については、如何なる目的であれ、情勢が安定するまでの間延期して下さい

 この文面から一番先に気が付く事は、イラクが“戦闘行為が行われている状態”である事が判ります。

となると、「イラク特措法」によって、イラクに派遣されている自衛隊はイラクから撤退しなくてはなりません。(否!、本来は派遣すべきではなかったのです。)

(この件は、次に抜粋する第一章 第二条 3を御参照下さい

 

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法

第一章 第二条 

3 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。……

 

 しかし、日本政府は今まで、“イラクの戦闘行為は、テロやフセインの残党の仕業だから、「国際的な武力紛争」の一環ではない”と誤魔化してきたようです。

 

 でも、「シーア派とスンニ派が「反米」で共闘」と朝日新聞(4月10日)は報じています。

 

 イラクでイスラム教スンニ派とシーア派の武装勢力が「反米」で共闘する動きが始まっている。バグダッド陥落から1年の9日、首都のモスクでは、双方の信者が金曜礼拝で共に祈った。旧政権下で対立していた両派が宗派を超えて礼拝を共にするのは異例だ。反米感情が高まるなか、別々に米軍と戦ってきた両派が連携すれば、占領軍には大きな脅威となる。

 バグダッド北西部のスンニ派地区アダミヤでは7日、米軍が大規模な過激派掃討に乗り出し、武装勢力との激しい銃撃戦になった。戦闘に参加した40代のスンニ派男性は「今月5日からシーア派組織と共闘している」と明かした。……

 

 この様に「シーア派とスンニ派が「反米」で共闘」と云う状態では、全く「イラクは国際的な武力紛争状況下にある」のですから、特措法にて派遣されている自衛隊はイラクから即刻撤退すべきなのです。

 

 ところが、小泉首相は、4月9日には次のように語っています。

 

 「まず無事救出だ。私自身の問題ではない。国全体のイラク復興支援にどうかかわるかの問題だテロリストの卑劣な脅しに乗ってはいけない
(朝日新聞4月10日付け)

 

 “テロリストの卑劣な脅し”云々はともかくとして、今日(4月11日)のasahi.comを見ると、次の記事があります。

 

 イラクでの邦人人質事件について民主党の生方幸夫、岡島一正、小林千代美ら中堅・若手の衆院議員5人が10日、国会で記者会見し、自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求めるアピール文を発表した。同党の衆参議員27人が署名したもので、生方氏によると、署名者以外でも、小沢一郎代表代行や横路孝弘副代表も賛同しているという。

 同党が9日に菅代表名で発表した談話は撤退に触れていなかった。生方氏は「『戦闘地域には自衛隊を派遣しない』とするイラク特措法に基づいて撤退を決断すれば、(テロに屈したと)国際的に非難されることはない」と述べた。

 

 イラクはもう戦闘地域なのですから、自衛隊は撤退すべきなのです。

そして、小泉氏は“イラク復興支援”を口にしますが、イラクに今程に反米運動が高まっているという事は、イラクの人達は、“イラクの復興”の前に “イラクの自主独立(米国からの)”が急務と考えている事を反映しているのではありませんか?!

 

 だったらこのイラク人達の思い(“イラクの自主独立(米国からの)”)を優先すべきではありませんか!

 

 なにしろ、次に掲げるイラク特措法の「第一章 総則 (目的)第一条」にも有るように、米国はもとより我が国もイラクに民主主義を根付かそうと努力しているのではありませんか?!

 

イラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組に関し、我が国がこれに主体的かつ積極的に寄与するため、……

 

 民主主義の第一原則は、民意の反映ではありませんか?

ならば、イラクの人達の選択を他国がとやかく口を挟むべきではない筈です。

 

 更に付け加えますと、小泉首相は“テロリストの卑劣な脅しに乗ってはいけない”と発言していますが、このイラク問題は、或る意味では、9.11の同時多発事件に於けるブッシュ大統領の“邪悪なテロリストに付くか、我々に付くか!”と二者択一を迫ったのが発端ではありませんか?!

 

 9.11事件当時は、“テロリストの言い分も聞くべきだ”との意見もあったはずです。

しかし、“テロリストの要求を聞いたら、それに味をしめて、今後、更にテロが多発するようになる”との見解によって、テロリスト達との話し合いの場が放擲されてしまったのです。

 

 そして、ビンラディンが犯人だとの確たる証拠も示されず、アフガニスタンを破壊し、且つ、アフガン攻撃中も、ラムズフェルド国防長官達は、「イラク侵攻」をブッシュに提言していたのです。

この件は、拙文《ブッシュ氏とその政権の危険性(2》等を御参照下さい。

更に、毎日新聞(3月27日付け)には、次のように記述されています。

 

クリントン、ブッシュ両政権でテロ対策担当者を務めたリチャード・クラーク氏が、自著などで、チェイニー氏やラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ氏らが政権発足直後からイラクと反米テロの関与に強い関心を示していたと指摘。同時テロ直後にイラク関与説を主張し、報復攻撃を示唆したとしている。ブッシュ大統領からも、イラク関与を調査するよう直接強い指示を受けたという。

 

 この様に、大義(イラクの大量破壊兵器保持)もなく、イラクを攻撃し1万人以上のイラク国民を殺害した米国のイラク侵略がテロより邪悪でないと何故云えるのですか!?

(この様な侵略を支持した日本はもっとイラク人の声を聞くべきではありませんか?)

 

 世界は、9.11以降のブッシュ政権の行動以降、ボタンの掛け違いをしているのです。

それから、私にとって、もう一つ不思議なのは、我が国の愛国者と自称する方々が、何故“テロは邪悪、テロは根絶すべき”と唱えるのでしょうか?

日本が若し米国のような強大な国に滅ぼされた時、愛国者と自称する方々は、テロリストとして占領軍に立ち向かわないのでしょうか?

 

 テロと武力で対立して平和が訪れるのでしょうか?
力ずくでテロを殲滅出来るのでしょうか?

「平和憲法」を有する日本こそが、(今までの、アラブからの評価をも財産として)テロと平和的に話し合い、話し合う仲立ちをすべきではないのですか!?

(今回の、小泉首相の一連の行動で、アラブからの信頼は薄れつつありますが、今からでも遅くありません。

もう一度、平和憲法の日本に立ち返り、アラブのそして、世界の信頼を取り戻すべきではありませんか!?)

 

 それに、福田康夫官房長官の

“イラクでの邦人人質事件は自衛隊を撤退させる理由にならない”

との見解に対して、ラムズフェルド米国防長官が、

明らかに妥当で健全な立場であり、称賛に値する

と発言するのもおかしな事です

 イラクで命を失わんとしているのは、米国人ではなく日本人なのです。

それを、米国人のラムズフェルド氏が、何故、“妥当で健全な立場”等と評価が出来るのですか?

 日本は(未だ)米国の属国ではないのです。

 

 そして、何よりも驚いたのは(小泉首相、政府の対応、犯人の卑劣さは別として)、今回の3人の行動への非難が、多かった事です。

なにしろ、高遠菜穂子さんのホームページは、非難中傷の書き込みが余りにも多くなったりしたので、閉鎖されたとの以下の記述も見ました。

 

 イラクで人質になった高遠菜穂子さんのホームページ(HP)に事件報道後、アクセスが殺到した。……

 5年足らずで3万件だったHPへのアクセスは事件報道から丸一日たった9日午後9時までに約17万件に増えた。掲示板には報道後45分で約90件の書き込みがあった。

 大半は、批判や中傷で「こんな時期に民間人がイラクに行ったらいかんよ」「自業自得。リスクは承知の上で行ったんでしょ」。同内容が繰り返し書き込まれている例も多かった。
(asahi.com 4月10日より)

  

この、高遠菜穂子さんへの非難は、先に転記させて頂いた、拉致の会の返信「素人がエエカッコしてノコノコと危険地帯に行くからです。どうして身勝手な3人のために……」に代表されると思います。

 

何故この様な見解が出てくるのか、私には理解出来ないのです。

ストリートチルドレンたちを体を張って助けようとしていた高遠菜穂子さん、“劣化ウランの悲惨さを伝える絵本をつくるために、この目で現地をみておきたい”とイラク行きした今井紀明さん、“現地に行かないと伝えられないことを伝える為にカメラマンとして行った郡山総一郎さん非難を浴びせる資格が、何故私達にあるのでしょうか?

 

 世界の平和は、国と国の表向きの外交だけでは築き上げる事は出来ません。

高遠菜穂子さん今井紀明さんのような個人の活動からも、お互いの信頼感が生まれるのではありませんか?

郡山総一郎さん達のジャーナリストの活動なくして、どうして今のイラクの状態を私達は知る事が出来るのでしょうか?

 私は、高遠さんや、石井さん達の若い活動力こそが、武力でしか国際関係を築く事ができないと情報操作され、再び争いの世界への向かいつつある私達の歩みを変える糸口になると期待しています。

そして、情けなくも行動出来ない私は、彼等に尊敬の念を抱いているのです。

 

 拘束された3人の方々、そして又ご家族の方々も、イラクに行って命を落とす事は、覚悟の上だった筈です。

 

 只、誰もが予想出来なかった事態が起こったのです。

今朝(4月10日)のフジテレビの番組で、テリー伊藤氏が次のような正直なコメントを発していました

 

“新幹線の爆破などの危険性などは考えたが、人質を捕らえて自衛隊のイラク撤退を脅迫する今回の事態を誰が予想したろうか?
私も、全く予想していなかった。”

 

 私だってそうでした。

日本政府だって予想していなかった筈です。

予想していたら、外務省からの退避勧告(前掲)のみでなく、もっと強硬な手段を(アンマンでの、イラクへの入国阻止など)講じていた筈です。

(しかし、そんなことをすればする程、自衛隊のイラク駐屯の違法性が明らかとなってしまうのです。)

 

人質になってしまわれた方々、そして、ご家族の方々も予想してなかった事態が起こったのです。

人質として捕らえられた方々は、この事態に陥った時点で命を落とす事を覚悟されたはずです

でも、ご家族の思いは別です。

ご自分のお子さんが、兄弟姉妹が、焼き殺されるという際、助けを求めるのは人間として当然の行動ではありませんか!?

何故この様な事態に陥ってしまった方々を非難中傷されるのでしょうか?

 

 私は、3人の方々を非難される多くの日本人と異なり、イラクの方々が、3人の高貴な心を理解して、3人が奇跡的に解放される事を願わずには居られません。

 

 

(補足:1

2004411

 奇跡が起きたのですね。

「人質、24時間内に解放」中東TV、犯人側意向伝える」の報道を今朝一番に眼にする事が出来ました。

本当に良かったですね。

次に、犯行グループの声明を抜粋させて頂きます。(asahi.comから)

 

犯行グループが衛星TV局に送った声明文(要旨)

 慈悲深く慈愛あまねく神の名において

 日本政府が3人や日本の国民を気にかけない、悲しい状況の中、我々がイラク国民のためにどうするかを考えるときがきた。高慢な日本政府の指導者はブッシュ(米大統領)やブレア(英首相)の犯罪的な振る舞いに従ったまま考えを改めず、自衛隊を撤退させようとしない。

 米国は広島や長崎に原子爆弾を落とし、多くの人を殺害したように、ファルージャでも多くのイラク国民を殺し、破壊の限りを尽くした。ファルージャでは、米国は禁止された兵器を用いている。

 我々は外国の友好的な市民を殺すつもりはないと全世界に知らせたい。なぜなら、我々はイスラム宗教者委員会が我々に殺害をとどまるよう求めたことを今晩の報道や特別な情報源から知ったからだ。

 我々は、次のことを決めた。

(1)我々は、イラクのイスラム宗教者委員会の求めに応えて、3人の日本人を24時間以内に解放する。

(2)我々は、親愛なる日本の民衆に対して、日本政府に圧力をかけ、米国の占領に協力して違法な駐留を続ける自衛隊をイラクから撤退させるよう求める。

 神は偉大なり。勝利するまで戦いは続く。

  ヒジュラ暦 1425年サファル月19日

     西暦 2004年4月10日

サラヤ・ムジャヒディン

 

(補足:2)

 福田官房長官は8日夜の記者会見で、

“我が国の自衛隊は、イラクの人々のために人道・復興支援を行っている。撤退の理由はないと考えている”

と述べていましたが、これは与える側の論理であって、受け取る側のイランの方々の論理ではありません。

 

 例えば、我が家は整理整頓が悪く家の中はグチャグチャで足の踏み場もない位です。

だからと云った、頼みもしないのに勝手に他人が我が家に入り込んで来て、“住み易いように家の中を整理整頓してやる”と云われても困るのです。

その上、その助っ人が純粋に私の為だけでなく、別の思惑を抱いているのでしたら尚更の事です。

 

 今朝(4月11日)のサンデープロジェクトでは、元タイ大使の岡崎久彦氏は、

“今回の自衛隊のイラク派遣は、同盟国である米国への友情の証”


と明言していました。


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