次世代に付けを回す喫煙擁護者(1)
2008年7月27日
宇佐美 保
『週刊現代(2008.8.2号)』に「嫌煙は権利かファシズムか」との特集が組まれ、17名の方々が愛煙、禁煙論を繰り広げていました。
その中で一番驚いたのは、欧米やアジアの禁煙条例事情にも精通している神奈川県知事の松沢成文氏の“健康を害する「たばこ」の命運が「厚生労働省」ではなく「財務省」”という次の記述です。
たばこ被害に関しては、日本は世界の後進国なんです。 なぜ、そうなのか、理由はハッキリしています。霞が関の縦割り行政の弊害です。日本でたばこに大きな影響力を持っているのは、国民の健康を管理する厚生労働省ではありません。たばこ税、JTを管理している財務省なんです。財務省にすれば、たばこ対策で喫煙者が減り、たばこ税の収入が減るのが困るんです。 だって、JTの筆頭株主は財務大臣なんですから。要はこうした利害のしがらみもあって、政府のたばこ対策は一向に進まないんです。 それなら、全国に先駆けて、まず、この神奈川県で受動喫煙の防止対策をやってみようというわけです。 |
「たばこ」の命運を「厚生労働省」を握っていたら、 「たばこは嗜好品ではなく、ニコチン中毒を引き起こす、健康阻害品である」と明確に打ち出し、 禁煙への流れがより促進されていたでしょう。 |
なにしろ、「健康増進法」に於けるたばこに関する部分は「健康増進法第25条」であって、そこには次のように記述されているのです。
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない |
この法律は、喫煙が主流を占める状況で、非喫煙者が辛うじて保護される法律でしかありません。
厚労省がたばこの主導権を握っていれば、この法律は「他多数の者が利用する施設での喫煙は禁止されねばならない」となり、松沢氏の神奈川県での受動喫煙の防止対策も容易に実施された事でしょう。
それに、先の拙文《ペンは剣より強く金より弱し(金で煙草を擁護する輩)》にも書きましたが、
ガンや中皮腫を発症させる石綿の危険性も、法律による規制なくしては、 今の禁煙対策と同じだったでしょう。 |
なにしろ、“石綿が危険だからマスクをしろ”と言われても作業性が悪くなるとかの口実でマスクをしなかったのが、一転“マスクをしないと労災の認定が下りない”との法律が出来るとマスクをするようになる具合なのですから。
(法的規制がない、JRのシルバーシート等は、ハンデのある方への思いやりに欠ける若い方々の特等席となっています)
それに、石綿は、たばこに比べて、私達の生活にはずっと有用な物質です。
耐熱性に優れ、丁度も強く、化学的にも大変安定な物質で、多分値段もそれほど高くなかったと記憶しています。
法律で規制されなかったら、今以って使用され、被害者の数は増大の一途を辿っていたでしょう。
なにしろ、
私の40年前の仕事仲間(最近判明した11人)の内、3名が肺がんを発症(2名は亡くなって居られます)、 その他に、3名は石綿による何らかの病気を発症(その1名はかなり重度)ということですから、 石綿にかかわった仲間の約50%が石綿によって健康を奪われているのですから! |
更に、“統計が全てを物語る!喫煙する人は、吸わない人に比べてがんになる危険率が高い肺がん4.5倍、喉頭がん32.5倍・・・煙草はやっぱり身体に悪いんです”と説く、祖父江友孝氏(国立がんセンター がん情報・統計部部長)は、次のようにも書かれておられます。
現在、日本においては、20歳以上の男性の45・8%、女性の13・8%がたばこを吸っています。これだけの人が、疾患のリスクを高める物質に接している例は、他にはありません。アスベストなどによって肺がんなどのリスクは約2〜3倍になりますが、社会全体から考えると、極めて頻度が少ない。たばこを吸う人数とは桁が違うわけです。 ・・・ たばこが主な原因だと考えられている呼吸器疾患に、COPD(慢性閉塞性肺疾患)があります。・・・最終的には酸素ボンベを常時携帯していないと呼吸できない体になってしまいます。これは、50年程度の長期間たばこを吸い続けた人は必ず発症すると言っても過言ではない病気です。そして、現在の医療では極めて治りにくいのです。・・・ 生活習慣の改善で、病気のリスクが減少するということは、たばこでしか実証できていません。 |
ところが、名取春彦氏(独逸医科大学放射線課医師「たばこ有害論に異議あり!」著者)は、次のように論じて「たばこは有害であると言う根拠は怪しい」と唱えています。
日本の禁煙・嫌煙運動の理論的裏づけは、1966年から1982年にかけて行われた、生活習慣と病気との関係を追った大規模疫学調査の結果によるところが大きいのです。この調査は、当時の国立がんセンターの疫学部長・平山雄氏と厚生省が中心となって行ったものですが、「たばこは有害だ」という結論が先にあり、それに結びつくデータしか採用していないという点が問題だと思うのです。 |
では、世界の又、米国の禁煙・嫌煙運動の理論的裏づけは、どうなっていると名取氏は、考えておられるのでしょうか?
田中宇氏のホームページ「アメリカ・たばこ訴訟の裏側(1999年10月6日)」には、次のように記述されています。
昨年11月に和解した「たばこ訴訟」だった。この裁判は、アメリカの46の州政府が、アメリカ国内の大手たばこメーカー5社を相手に、州政府が医療保険への補助金として支出したお金のうち、喫煙によってかかる病気の治療に使った分を、たばこ業界に支払うよう求めた裁判だった。 和解金は、総額2460億ドル(約25兆円)で、アメリカの裁判の和解金としては、史上最高額である。被告となったRJレイノルズ、最大手メーカーのフィリップ・モリスなど大手5社は、この額を今後25年間以上かけて、分割払いで支払うことになっている。 |
たばこの害が無いとしたら、たばこ会社は何故「約25兆円の巨額な和解金」の支払いに応じるのでしょうか?
それに又、フィリップ・モリスのホームページ(喫煙と健康)には、次のように書かれています。
喫煙には、依存性があります。禁煙はとても難しいことかもしれませんが、このために禁煙をあきらめるべきではないでしょう。 喫煙は、喫煙者に肺がん、心臓病、肺気腫、その他重大な疾病を引き起こします。喫煙者が肺がんなどの疾病にかかる割合は、非喫煙者に比べるとはるかに高くなります。「安全な」たばこというものはありません。 喫煙は危険であり、依存性があります。 |
この記述を名取氏はどう考えておられるのでしょうか?
『週刊現代』の特集記事の、第1番目には、この3月に『たばこ1箱千円への値上げを』と題する論文を書かれた、日本財団会長の笹川洋平氏の記述の一部を抜粋させて頂きます。
日本は現在、約1000兆円、国民一人あたり約830万円の財政赤字を抱えています。私はこの危機的状況をどうするか、という問題に国民が目を向けるきっかけとして、たばこ税の問題を取り上げたのです。そして、税収の増加分の計算だけでなく、大きな議論になるよう、あえて「1箱1000円」と提案したのです。 ・・・ 税収、という側面だけでたばこ問題を考えることは、まったく意味がありません。現在、喫煙による経済的損失は年間7兆5000億円、そのうち、たばこが原因での病気の治療費だけでも、年間1兆3000億円と言われています。 さらに、昨年、喫煙が理由で補導された未成年者はじつに60万人います。たばこの火の不始末が原因の火事は4000件以上に上ります。1箱1000円になり、税収が増えればそれに施したことはない。喫煙者が減って税収が増えなくても、それはそれでさまざまな損失がカバーできるのです。 ましてや若い人の健康はお金に替えられません。 また、たばこ増税は「弱いものいじめだ」とか、「サラリーマンの楽しみを奪うものだ」などという意見も国際的にはまったく通用しません。ちなみに喫煙者の22・8%、非喫煙者の75%が1箱1000円に賛成しています。 たばこにまつわる議論を両論併記しているのは、世界で日本のマスコミだけ。 「喫煙はニコチン中毒による病気」、と捉えるのが世界の趨勢です。 ・・・ また、1箱1000円になれば日本のたばこ文化が変わります。現在の喫煙者を見ていると、明らかに吸いすぎですし、ポイ捨てをするなど、マナーが悪い。 しかし、値段が3倍になると同時に、吸う本数も3分の1にすれば、エチケットを守りながらたばこをもっと楽しめるようになるのではないでしょうか。 「朝飯の後に一服」「会社の休憩時問に一服」「夜は酒席で3本」などと、計画的にたばこを吸うのはどうでしょう。私自身、40歳まで一日1箱くらい吸っていました。確かに計画的に吸うと旨いですよ。のどは痛くならないし、朝飯まで美味しくなる。 そのようにたばこ文化が変われば、今のような喫煙者と非喫煙者がとげとげしく対立することはなくなるのではないでしょうか。 |
誠に、立派なご見解と存じます。
ところが、愛煙家にたばこを提供し続けているJT(日本たばこ産業株式会社)副社長山田良一氏は、「反対の理由は大きく三つあります」と次のように書かれています。
すでに約2兆3000億円もの税金を納めている、全国約2700万人の愛煙家だけが、なぜそれを負わなくてはならないのか。著しく公平性を欠いています。 ・・・ 増税をきっかけに、たばこをやめる人が増えているのです。そのため、期待された税の増収は実現されていません。 ・・・ たばこは合法の噂好品です。それを、医療費がかかると勝手に決めつけて、喫煙者を減らそうというのは、理屈があいません。 |
このようにJT副社長の山田良一氏は、笹川氏の提案の趣旨の「喫煙者が減って税収が増えなくても、それはそれでさまざまな損失がカバーできるのです。ましてや若い人の健康はお金に替えられません・・・
「喫煙はニコチン中毒による病気」を完全に無視しています。 |
(更に、「たばこの消費量が減ると・・・農家に壊滅的な打撃を与えるでしょう」と書かれていますが、この件も石綿のでも、その産業に従事されている方は、それなりの打撃は蒙った筈です)
同様に、猪瀬直樹氏(作家・東京副知事)は、“財政難と愚策のツケを喫煙者に押しつけるのはもうやめろ”、と吼え、依田高典氏(京都大学大学院 経済学研究科教授)は“「価格を上げれば税収が増える」はあまりに楽観的。むしろ逆効果”と、笹川氏の提案趣旨を無視しています。
その無視具合は猪瀬氏の“たばこ税増税は、「たばこ離れ」を引き起こすだけ”、依田氏の“私の研究室で、喫煙者616人を対象に行った調査によると、・・・禁煙しょうと思う人の割合は、・・・一箱1000円となった場合、その割合は97%にまで高まるという結果が出ました。”といった按配で笹川氏の「
若い人の健康はお金に替えられません」を完全に無視しています。 |
笹川氏の趣旨通りに「税収なんかはどうでもいい」と語る禁煙派の作田学氏(日本禁煙学会理事長・杏林大学医学部教授)は、“若い女性向けパッケージなど言語道断。なぜ子どもの頃から「禁煙教育」をしないのか、「キムタク、オダギリジョーがこの国を煙まみれにしています」”と次のように語っておられます。
たばこを吸い始めた動機をわれわれ禁煙学会が調査したところ、「『大人のしるし』と考えたから」「仲間との連帯感を得るため」という意見が最も多かった。どちらも軽い気持ちですが、たばこの場合、10本も吸えば依存症になってしまう。しかも、吸い始めた年齢が下がれば下がるほど、依存症になりやすくなるんです。 とはいえ、悲しいことに、若ければ若いほど、人は周囲からの影響を受けやすい。未成年の男の子にとっては、ドラマや映画で俳優が喫煙するシーンは、間違いなく格好よく映ってしまうんです。 そういう意味でわれわれが今、要注意人物としてマークしているのは、木村拓哉(35歳)とオダギリジョー(32歳)の二人。キムタクはドラマ『CHANGE』で喫煙者という設定でたばこを吸っていましたし、オダギリジョーは映画『転々』などで、幾度となくアップでの喫煙シーンを披露している。 そういった演出に踊らされぬためにも、早期の禁煙教育が必要となるのです。 |
私は、作田学氏のお話に大賛成です。
ところが、
「10本も吸えば依存症になってしまう」たばこから若者を守ることの重要性 |
を訴える作田学氏に対して、「自己破壊的な生き方を売りにしている」と私には思える中村うさぎ氏は“地上最後の愛煙家になっても、私はたばこを吸い続ける・・・喫煙者本人は自分の健康に良くないことを承知でたばこを吸っているのだから個人の自由であろうし・・・”と
中村氏ご自身が若者へ与える影響力を全く無視しています。 |
又、岩見隆夫氏(政治評論家・毎日新聞客員編集委員)は、“脅迫的な「禁煙運動」や上から目線の排斥はやめろ・・・ 喫煙権≠ヘ法的に認められた市民の権利”と主張していますが、その権利に関して次のように書かれています。
私は愛煙家の一人ですが、近頃急速に広がる全面禁煙の流れや、たばこを一箱1000円に値上げしようという「1000円問題」については、異常なものを感じますね。 まず大前提として申し上げておかねばならないのは、日本は法治国家だということです。ご存じのように、たばこに関する法律としては、たばこ事業の健全な育成を謳うたばこ事業法と、5年前に施行された健康増進法があります。特に後者の増進法では、「分煙に配慮する」という基本線が盛り込まれています。日本のたばこ文化は、この2法により分煙時代に入った。言い方を変えると、この2法が保障する市民的権利として、「喫煙権」というものがきちんと認められているということなんですね。・・・ たばこも酒も嗜好品であり、それぞれ文化的な側面も有している。何度も言いますが、喫煙が自分にとっては必要だと考える人が現にいる以上、そして、法がそれを認めている以上、その市民的権利を封殺しちゃいけない。 |
しかし、岩見隆夫氏が“「喫煙権」というものがきちんと認められている”と主張する「健康増進法」に於けるたばこに関する部分は、冒頭の松沢氏の記述に関して書きましたように、「健康増進法第25条」であって、この法律は、喫煙が主流を占める状況で、非喫煙者が辛うじて保護される法律でしかありません。
この喫煙が主流を占める状況に関して、「嫌煙権擁立をめざす人びとの会」共同代表の中田みどり氏(運動の開始時、中田氏の勤務先でも周囲はみんなヘビースモーカーだった)は、次のように書かれておられます。
1978年2月──勇気を出して非喫煙者の権利を主張しても、怒鳴られ、殴りかかられる時代だった・・・
「嫌煙権」という言葉を造って30年 この流れだけは止めたくない・・・
最近は、なんだか私たちが過激なことばかり言うような団体だと、よくそういうご批判をされる方がいらっしゃるけれど、ずっと煙が苦手で、過去、苦しみ続けてきた人がどれほど多かったかに思いを馳せていただきたい。とにかく今までが酷すぎましたから。 |
本来は、「他多数の者が利用する施設においては、喫煙を禁ず」となるべき法律なのですから、岩見氏の「喫煙権」は雲散霧消すべき存在なのです。
又、岩見氏は、「たばこも酒も嗜好品」と認識されていますが、
「たばこは嗜好品ではなく、10本も吸えば依存症になってしまう物質であって、 その依存症になった方々が嗜好品と誤認してしまう有害物質」 |
なのです。
そのたばこ依存症になった方々を、岩見氏は「喫煙が自分にとっては必要だと考える人」と認識されているだけです。
岩見氏が「喫煙を法が認めている」と認識している法、 それ自体が改正されなければならない存在なのです。 |
なにしろ、この「健康増進法第25条」で定められた「受動喫煙を防止」の不十分さを、ルポライターとして、「煙害」を訴え続ける宮島英紀氏(『まだ、タバコですか?』著者)は、次のように書かれています。
・・・集合住宅に住んでいる喫煙者は、家族を受動喫煙の害から守るため、ベランダや窓辺でたばこを吸いますが、隣近所はたまったものではありません。結局は有毒ガスをまき散らして洗濯物に臭いをつけたり、隣室に煙を吹き込んだり、スモハラ攻撃を掛けることになるのです。 飲食店では、喫煙席と禁煙席を設けるようになりましたが、スペースを壁で区切り、完全に分離している店は滅多にありません。分離しないのなら、それは単に喫煙者を1カ所に集めただけのこと。煙は禁煙席に押し寄せ、なんの効果もありません。禁煙や完全分煙ができていない飲食店は「健康増進法」の第25条違反ですが、罰則規定がないのをいいことに、涼しい顔で営業を続けています。これでは妊婦や乳幼児、呼吸器系の病気や化学物質過敏症に苦しんでいる人々などは、飲食店に来るなと言われているようなものです。 列車でも喫煙と禁煙の車両分けがなされているから、共存できていると思うのは間違いです。喫煙車と隣り合う禁煙車には、たばこ煙が流入し、気道や肺を害する粉塵の濃度は、環境基準値の3倍に達します。 ・・・ そもそも、喫煙にマナーなどといういうものがあるのでしょうか?ニコチンにはヘロインに匹敵する強い依存性があり、たばこ煙には一酸化炭素やベンゼン、カドミウムなど、約200種類もの有害物質が含まれていることは、いまや小学生でも知っています。肺がんや喉頭がんなど、喫煙がもとで亡くなる人は、年間11万人以上。先端に火をつけて煙を吸うという正しい使用法″を守った消費者に対し、これほどの殺傷力をあらわす商品など、他にあるでしょうか。 ・・・喫煙という悪習慣を手放そうではありませんか。 |
このようなたばこに関する事情に無頓着に“喫煙者が沈黙せざるをえない今の世の中の流れはおかしい「たばこは個人の嗜好品。他人がとやかく言うのは無粋よ」私は吸わない。けれど「嫌煙権を振りかざすのはいじめです」”と語る金美齢氏(評論家)は、次のような見解を吐かれておられます。
最近は、テレビでもたばこの煙の映像が流れなくなった。バラエティ番組はまだしも、ドラマではまず放送されないでしょ。たばこを吸うっていうのは、一部の人間の自然な行動なのに、必然性でなりたっているドラマから、たばこを吸うシーンをすべて消しちゃうなんてのは、不自然を通り越して異常現象ですよ。 実際、テレビ局にはいっぱいたばこを吸ってる人がいるのにね。 |
この点はとの若者への悪影響に関して無頓着です。
更に、金氏は次のように続けておられます。
喫煙は、健康に悪いといえば、確かに悪いでしょう。 客観的に考えたって、吸わないほうがいい。おカネだって倹約できるしね。でもね、何だってたくさん摂りすぎたら身体には悪いのよ。私だって大好きなコーヒーを飲みすぎて、しょっちゅうお医者さんに注意されてますよ。 |
喫煙の害とコーヒーの害の相違には全く無理解状態です。
更に、支離滅裂状態を続けられています。
もし喫煙で身体を悪くしたら、それは個人の責任の問題、勝手に壊れればいいんです。私の息子(商社勤務・42歳)はヘビースモーカーだけど、私は本数を減らしなさいとは言うけれど、決してやめなさいとは言わないわ。ただ、私よりも先に死ぬことば絶対に許さないからとは言ってますけどね。 |
金氏は、ヘビースモーカーの息子さんに「本数を減らしなさいとは言うけれど、決してやめなさいとは言わない」と言いつつ「私よりも先に死ぬことば絶対に許さない」と言っている事は、「やめなさい」と言っている事と同じではありませんか?
一般的な家庭では、母親からのこのような注意で、お子さん達はたばこの本数を減らす事が出来るでしょうか?そんなに簡単な事ではないはずです。
フィリップモリスインターナショナルのホームページ(禁煙しようとする場合に理解しておくべきこと)には次のように書かれています。
一般的に、たいていの禁煙治療での1年間の禁煙達成率は10〜40%である」と述べています。 禁煙したいと思い、そのためには第三者のサポートが役立つとお考えの場合には、いろいろな方法を検討し、その中からご自分に合ったものを選択されることをお勧めします。 |
更に、金氏は続けます。
結局のところ一番気にくわないのは、日本全体がこっちを向いたから皆そっちを向くっていう雰囲気になっていることです。マスメディアが作ってしまっている世論の流れに対して、NOと言えるチャンスが少なくって、もの言えば即干されてしまうような社会って、やっぱり変だと思います。たとえ功罪いろんなことがあるにせよ、「弱者はかばわなくちゃいけないよ」というバランスを取りながらやってきたのが、これまでの日本の社会でしたよね。今の喫煙者はいじめを受けているとしか思えません。 |
多くの喫煙擁護者は、この金氏の見解に近いのだと存じますが、たばこの害を石綿の害と同列に考えれば、(更に、喫煙の次世代への悪影響を考慮すれば)このような喫煙擁護者の怒りは、間接喫煙に悩む方、禁煙をしようとして出来ない方、大人の真似をしてたばこ中毒に陥らんとする若者達への配慮が欠落していると思えてなりません。
それに、肺がんの発症率は、石綿とたばこが重複すると2倍になるというのですから、石綿を肺に溜め込んでいる私はたばこの煙を断固拒否したく存じます。
余り長くなりましたので、以下は、次の《次世代に付けを回す喫煙擁護者(2)》に続けさせて頂きたく存じます。