ジャーナリスト安田順平氏と平和
2018年11月7日
宇佐美 保
約3年4カ月ぶりに武装勢力解放されたジャーナリスト安田順平氏がご帰還された事を嬉しく存じます。
そして、11月2日、日本記者クラブで帰国後初めて記者会見し、「ジャーナリストが紛争地域に行くことについて」を次の様にも語られました。
国家は人の命を守る存在であると思っていますが、国家と国家が争う場合、戦争というものは“国家が人と殺す”と云う決定をする。それについて、それがどのような影響を及ぼすのか? “殺された人は、なぜ殺されなければいけなかったのか?”その国家が、そういうことを続けることに、その国家の行動をすることに対して、我々は良いと考えるのか?その事を判断する材料は絶対に必要です。 民主主義の国にとって絶対に必要であり、その為の判断材料は当事者である国家から提供されるものだけではなく、第3者から提供されるものがあるべきと考えています。 従って、紛争地が非常に厳しい場所であっても、現地の情報を取りに行く人が絶対に必要であるというのが私の考えです。 |
ここで安田氏が述べた“紛争の国家間ではなく、第3者から提供されるものがあるべき”との件では、「フリージャーナリスト・I.F.ストーンの信念である"政府は嘘をつく"」の一部を拙文の《村本大輔氏を支持します(4)》から抜粋します。
http://u33.sakura.ne.jp/496-20180122mura4.htm
アメリカの大手メディアに疑問を抱くフリージャーナリストたちに迫ったドキュメンタリー映画『すべての政府は嘘をつく』。(筆者注:2018/1/4&1/5にNHK-BSで再放送)……題名はフリージャーナリスト・I.F.ストーンの信念を表した言葉に由来する。 I.F.ストーンはニューヨークポストなどで記者として活動した後、1953年から『週刊I.F.ジャーナル』紙を自費出版、多くのジャーナリストたちに影響を与えた人物として知られている。映画は、そんなI.F.ストーンの信念を受け継ぐジャーナリストたちが主人公だ。 …… I.F.ストーンは、ベトナム戦争の1964年の「トンキン湾事件」を徹底検証、アメリカ政府に疑問を呈し続けた。7年後に機密文書が流出したことで、アメリカが参戦するための口実を作る陰謀があったことが明らかになり、これを報じたニューヨーク・タイムズを始め、アメリカのジャーナリズム全体が政権を批判していった。 |
そして、
“米国の軍事費は所得税の60%です” |
と語るマイケル・ムーア氏の,次のように語る映画「世界戦略のススメ」を御覧ください。
1月2日国防総省の総合参謀本部に呼ばれて陸・空・海・海兵隊から、“第2次大戦から我らは勝てず、戦争は戦争を生んだだけ”とのことで、マイケル・ムーアはアドバイスを求められた。(これは映画のお話です) そこで、マイケルは世界に旅立つ。 イタリアでは、二人の若いご夫婦に聴き、毎年、8週間の有給休暇が有り、他の企業でも、毎日お昼休みは2時間あり、自宅に帰って昼食を取る。…… フランスでは、小学校の給食は料理人が4品のコース料理を作り、子供たちは、それらが運ばれて来るのを楽しみに待ち、この状況は貧しい地区でも同様です。 ですから、米国の機内食同様なお盆に設えられたお弁当を見て“気持ちが悪い”…… (それから、性教育の徹底……) 一見、フランスの方が米国より税金は高いようですが、学校教育、医療……を積み重ねると、米国は遥かに遥かに遥かにオーバーして行きます。 そして、米国の軍事費は所得税の60%です。 次は、ポルトガルでしたかしら、ここでは麻薬放任主義です。 その結果、その使用者は激減しています。(麻薬扱い人の手数料が激減?) 米国に悲惨さとは比べようがありません…… 国際的に学力のトップをひた走るフィンランドの話です。 或る時代までは米国と似たところを(下位)を走っていましたが、何と宿題を廃止したのです。 生徒が将来向かう道が選べるようにと、音楽、図工にも力を入れ、詩も取り入れました。 ドイツでは、勤務者の帰宅後の電話等の連絡は禁止。 学校では、第2次大戦での残虐非道を自虐的にまで反省し、途中からドイツ人になられたお方も将来その道を歩かないように反省の中に加わります。 チェニジアでは、妊娠等の医療は無料…… さて、次はアイスランドです。 1975年10月24日、全国90%の女性が仕事を離れ、男女同等のデモを行い、その5年後、女性が大統領となる。 経済の崩壊:3大銀行が破綻し(他の唯一黒字銀行は女性が経営)、70人近い銀行家が起訴され有罪となった。 その際、一人の方が活躍されたとのことで、その際なんと米国人の、米国での金融事故の際の担当検事がアドバイスを行ってくれたとのこと。 さて、ムーア氏は“このアイスランドでは、米国では金融関係者の誰も収監されなかったのに、米国からのアドバイスで銀行家を収監し、又、いろいろな国の素晴らしい点は、かつて米国が目指していた点でもあったのです。”と語ります。 |
実際に、所得税の60%が軍事費に取られなかったら、米国はこれらの国々以上の恩典を米国民に与えることが出来たはずです。
なのに日本では、米国の言われるままに軍事費を増大しています。
それから、日本では、ドイツの贖罪教育とは全く逸脱し、贖罪教育を無として、明治150年を祝ったりしています。
徴用工賠償問題に関しては、……安倍政権が今度の韓国最高裁の判決は100%間違いだと言わんばかりに対韓国強硬外交を進めようとしている。(天木直人氏のブログから)
ということですが、北朝鮮との今後の交渉の際、外交問題と、この様な徴用工賠償問題、慰安婦問題等が表舞台で論じられると、どうなるのでしょうか?!
第2次大戦までのアメリカの様子は?
「魔法の帝国主義とアメリカの万里の長城」サイトの一部を引用させてください。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-cc23.html
……“500年以上、アメリカ大陸先住民は家を荒らされ、略奪され、殺害され、搾取され、差別され、迫害された”…… アメリカ合州国侵略と、メキシコの広大な領土の奪取: “……米墨戦争は、アメリカ合州国の地理的境界を形成することに寄与した。この戦争の結果として、現在のテキサス州、アリゾナ州、ニュー・メキシコ州、カリフォルニア州と、コロラド州、ワイオミング州、ユタ州と、ネヴァダ州の一部を含め、アメリカは約100万平方マイルの領土を増やした” …… |
全文を是非ご覧ください。
しかし、米国の野球チーム(MLB)の多くのチームのホームグランドが、メキシコから奪い取ったこの土地にあるようですね!
更には、第1次大戦では?
岩上安身氏のIndependent Web Journalから、次の記事を抜粋させてください。
「米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の「告発」〜「戦争はいかがわしい商売だ」」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/232961
……戦争は、おそらくもっとも古く、何にもましてもっとも金になり、はっきり言ってもっとも悪質な行為だ。唯一、国際的な広がりをもつ。そして、儲けをドルで、損失を命で勘定する唯一のものだ。 …… ……少なくとも2万1千人の百万長者や億万長者が新たに誕生した。それだけの人が、所得税申告で多額の利益を報告したというわけだ。ほかに申告をごまかした戦争成金がどのくらいいたかは、誰も知らない。 …… これら百万長者のうち何人がライフルを担いだだろうか。何人が塹壕を掘っただろうか。ねずみが走り回る地下壕でひもじい思いをするのがどういうものか、何人が知っていようか。銃弾や散弾や機関銃弾をよけながら、恐ろしい、寝られぬ夜を、何人が過ごしただろうか。敵が突く銃剣を何人がかわしただろうか。何人が戦闘で負傷し、あるいは殺されただろうか。 *1916〜31年の1米ドルは当時の日本円でおよそ2円。当時の物価や給料と現在の物価や給料を比較すると、当時の1米ドルは現在の日本円で4千〜5千円に相当すると思われる。すなわち1億ドルは約4千〜5千億円ということになる。 (第一次)世界大戦は、わが国の参加が短期間〔1914〜18〕であったにもかかわらず、米国は520億ドルもの費用がかかった。ちょっと計算してみよう。これは、つまり、米国の男、女、子どもの一人一人に、400ドル〔現在の日本円で約160万円〕もかかった、ということだ。しかも、負債はまだ返済していない。今返済中であるが、われわれの子どもたちも払い続けることになろう。その子どもたちもだ。 …… 第一次大戦で、この企業はどういう成果を上げたのだろうか。デュポンは愛国的な企業である。 1910年から14年までの同社の平均収益は年間600万ドルであった。それほど大きくはないが、デュポンとしてはこれでうまくやっていけた。それでは、1914年から18年までの戦時中の平均利潤を見てみよう。なんと、年間5千800万ドルの利潤をあげている。通常の10倍近くというわけだ。通常でさえ、結構いい利潤をあげていたのに、それが950パーセント以上も増えたのだ。 …… 統計専門家や経済学者によれば、政府の戦費は520億ドルにのぼったという。そのうち390億ドルは実際の戦争に使われた。この支出は、160億ドルの収益を生んだ。こうして、2万1千人もの百万長者や億万長者が誕生した。160億ドル(筆者注、先の当時の1米ドルは現在の日本円で4千〜5千円から、64〜80兆円)というのは、ばかにできる額ではない。かなりの額だ。それがごく少数の手に渡ったのだ。 |
(もっと引用したかったのですが、「岩上安身氏のIndependent Web Journal」は赤字で、苦しんで居られるそうです。
是非ともご興味を抱かれたお方は、このサイトの会員となってください)
そして、今や米国は、テロとの闘いとやらで、多くの米国民も犠牲になっているでしょう。
その上、“北朝鮮にまで攻撃をかける”と云う人物まで登場しています。
そして、安倍晋三氏は、米国軍にどこまでも付いてゆくとホザイテいます。
今までの日本の発展は、安保の傘の下で日本が守られて来たのではなく、
吉田茂氏の“憲法9条を盾に、日本が戦場に行かさなかった” |
為なはずです。
戦争ではなく平和なのです。
この件に関して、サッカーの本田圭佑氏も“戦争ではなく平和”
KeisukeHonda(本田圭佑) 戦争は経験したことはなくても日本人が世界平和を声に出すべきだと思ってます。 どんなに不可能に近くても理想は捨てたらいかんでしょ。 |
更に、本田氏は、「本田圭佑から届いたメッセージ〜朝鮮学校訪問の理由、愛国心とは、日本人であることとは〜」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimmyungwook/20181011-00100025/
金明c氏(スポーツライター )の次の様な書簡を交わされて居ります。
7月19日、本田は横浜市にある神奈川朝鮮中高級学校を訪れた。名古屋グランパスエイトでチームメイトだった在日コリアンの安英学の招きを受けて実現したサプライズ訪問だった。 …… ――朝鮮学校の生徒たちには、何を一番伝えたかったでしょうか。 「僕が一番伝えたかったのは、両国の間に歴史として様々な事があったとしても、僕らが人である限り、“仲間”になれるんだ!ということを伝えたかったんです。そして少なくとも僕とヒョンニン(安英学)はそういう関係だということを伝えたかった。そして朝鮮学校を訪問することで、間接的に日本人にも同じことを伝えられればという想いがありました」 ――(朝鮮学校では)具体的にどのような話をされましたか? 「僕は基本的には夢の話をしました。大きな夢を持って、それを忘れずに諦めずに追い続けて欲しいというようなことを話しました。彼らの環境は、僕の想像をはるかに超えるレベルかもしれない、ということには同情します。でも僕が自分の人生で学んだことは、置かれた状況を良くしたいなら、一番最初に変えないといけないのは、“自分”だということです。簡単ではないですが、ポジティブに考えて何にでも挑戦して欲しいと思います」 ――「働き方改革」の話が出たので聞きますが、サッカーだけでなく、広くビジネスも展開されている本田選手から見て、特に政治の世界での日本は日韓、日朝、日中の東アジアの平和構築、日米関係など、果たすべき役割はたくさんあると感じていますか?政治家が果たす役割など、個人的な見解があれば教えてください。 「すべてにおいて簡単なことではないですが、結果から言うと世界を平和にすることではないでしょうか?国益だけを考える政治家は、今後は必要とされなくなっていく時代になると思います」 |
ご夫婦でイタリアに行って居られる私の友人は、ご自身がイタリアで活動し、今はイタリアからの年金で暮らし、毎年2回ほど日本に帰ってこられます。
本田氏のご発言の様に“国益だけを考える政治家は、今後は必要とされなくなっていく”んだと思います。
何も考えずに、“国益、国益”と喚き、その陰で裏金を取ったりと、人として恥ずかしい方々が、政治家になったり、それを応援したりする世界は、もうコリゴリではありませんか!
矢部宏治氏の「なぜ日本は、アメリカによる「核ミサイル配備」を拒否できないのか」
2018年11月2日 を是非お読みください。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58278
最新刊『知ってはいけない2??日本の主権はこうして失われた』を書く過程でわかったことだが、その最大の原因は、現在の安倍首相の祖父である岸首相が「安保改定」で結んだ「3つの密約」にあったのである。
……ごく簡潔に紹介しておこう。
1960年1月6日、安保改定の調印(同19日)から約2週間前、岸政権の藤山外務大臣とアメリカのマッカーサー駐日大使(有名なマッカーサー元帥の甥)によってサインされたその文書には、次の4つの密約条項が明記されていた。
A:「核兵器の地上配備」以外の、兵器に関する米軍の軍事行動については、日本政府との事前協議は不要とする
C:Aの「核兵器の地上配備」以外で、旧安保条約時代に日本国内で認められていた米軍の軍事行動については、基本的に以前と変わらず認められるものとする
岸がアメリカ政府やCIAとのあいだで結んだ、国民の知らないあまりに異常な合意が、いま「戦後日本」という国に大きな危険をもたらしている。
なぜなら自国の軍事主権を、完全に他国の手に委ねることは、ほとんど自殺行為に近い暴挙だからだ。少し想像してほしい。
今年の2月までの米朝の軍事的対立期に、もし米軍が日本の基地から北朝鮮を攻撃したら、私たちの未来にどんな悲劇が待ち受けていただろう。もしも、米軍が核兵器の地上配備を行っていたら、私たちはどれほど深刻な危険にさらされていただろう。
軍事主権の放棄とは、戦争を「始める権利」の放棄であると同時に、戦争を「しない権利」の放棄でもある。国家にとってそれほど危険な状態はないのだ。
「朝鮮戦争の終戦」という世界史レベルの変化が起こりつつあるいま、私たち日本人には、かつて自国の首相が結んだ「誤った密約」の存在に真正面から向き合い、「ポスト戦後日本」の行方を正しく選択する大きな歴史的使命が与えられているのである。 |
安倍氏は“岸氏のできなかった「憲法改定」をやる”と云うは方々が居られますが、私は、安倍氏は、岸氏以上に「トランプらの戦争派」に日本を売ったのだと思います。
なんとしてもこの様な方々な消え去ることを願うのです。
トランプに心がありますか!
“No! No!”ではありませんか!
本田氏のご発言の様に“国益だけを考える政治家は、今後は必要とされなくなっていく”のとは、全く異なる“米国NO.1”を叫び捲るの方なのです。
この様な方々が消え去ることを願わずにはおられません。
でも、こういう方に騙される米国人が多いのです。
今回の米国中間選挙に於いても!
更には、安倍晋三氏を支持し、安田順平氏に自己責任論を吹っ掛ける!方々が大勢いるのです!