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おもてなしの心は裏ばかり

2013年9月25日 宇佐美 保

 

 書いても書いても限(きり)が無いほど、あまりに信じられない事ばかりで、最近は、このホームページの更新から遠ざかっておりました。

 

 しかし、福島の惨状を見捨てて、東京でオリンピックを開催する事態に及んでは、少しは書かなくてはならないと存じました。

 

 何しろ、「日経MJ2013年9月20日付」には次のように書かれているのですから!

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGF1201S_S3A910C1H1EA00/

 

2020年の東京オリンピック開催が決定したが、東京五輪招致の最終プレゼンテーションで話題となったキーワードの一つは、
フリーアナウンサーの滝川クリステル氏による「おもてなし」だろう。

 

呆れてものが言えなくなり、この文章を書くこととしました。

 

 この文章の表題「おもてなしの心は裏ばかり」からもうお分かり頂いたと存じますが、取り敢えず、表題を漢字書きにしてみますと、次のようになります。

 

「おもてなし(表無し)」の心は「裏ばかり

 

(この「裏ばかり」に関しては、「オリンピック利権」等々、わざわざ私がここに書き連ねる必要はないと存じます)

 

 「もてなす」の意味を広辞苑で見ますと、「歓待する」だけでなく、「世話をする」も目にします。

 

 従って「もてなす」のなら、「遠来の客人を歓待する」前に「福島の方々のお世話をする」が先ではないでしょうか!?

 

オリンピックへのお金は福島復興に向けるべきと、拙文「復興は平和の礎(石原氏と天罰)

http://members.jcom.home.ne.jp/u33/i%20think%20110319fukkoupeace1.htm

にも記述しました。

 

 なのに、インターネットの世界では、「オリンピックの東京開催に反対する輩どもは、「非国民」との罵声を浴びせられる」とのことです。
 

 おかしな世の中です、なんたって福島原発事故の諸問題が未解決のまま、他国へ原発売り込み等を企む安倍首相の支持率が依然として高いというのですから!

 

 その可笑しな背景として、イチロー選手が4000本安打を打った際の、彼の次の談話に対する多くの方々が、“さすがにイチロー選手ならではの発想である”との賛辞からも窺えます。

 

「誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。
それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」

 

 私は、イチロー選手の談話の中に、次のような文言があるのかと、次の記事を全文見てみましたが、見当たりませんでした。

「日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130822-00000214-mlbjp-base

MLB.jpGyaO!) 822()1531分配信

 

 私が探した談話とは、次のような談話です。

 

4000本安打の中の半分以上を占める、2533本は、
マリナーズ時代(2001年〜2011年)にマリナーズのチームメートに多大な迷惑をかけた結果であるから、
今、彼らに与えた多大な迷惑を謝罪し、且つ、彼らへの感謝の念を捧げさせて頂きます。

(日本(オリックス時代)で1278本、残りはヤンキースで189本)

 

 残念ながら、このような談話を見ることが出来ませんでした。

このイチロー選手とマリナーズの選手たちの関係を、「東スポWeb 914()169分配信」の「「あのクラスの選手が…」イチローの“バレ批判”はマ軍時代の確執か」に見ることが出来ます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130914-00000009-tospoweb-base

 

……イチローはバレンティンの何が「腹に据えかねた」というのか。メジャーに詳しい関係者によると「バレンティンはマリナーズに07〜09年まで在籍していたが、そのころのイチローは他の選手たちと対立していた。08年9月25日には選手たちのイチロー襲撃計画が地元紙シアトル・タイムズで報じられたほど」と指摘した。

 

 当時、同紙が報じた内部告発記事によると、個人記録中心のイチローのプレースタイルを見かねた選手たちが、実際にイチローに対して暴行を加えようと計画

 

「knock him out(ぶっ飛ばしてやる)」という選手のコメントも掲載した。計画は未遂に終わったものの、これにより「多くの選手がイチローのことを嫌っていた」ことが明るみに出た。バレンティンが「襲撃計画」に加わっていたかは定かではないが、イチロー側からはそう見えていたのかもしれない。

 

 いずれにせよ、そんな過去の因縁まで話題になるほど、バレ砲が注目を集めているということか。しばらくこの騒ぎは続きそうだ。

 

 イチロー選手は野球人であって、彼に関して人格云々するのは可笑しいと思われる方もございましょうが、彼は、松井秀喜氏を次のようにも評価されて居られるのです。

(「デイリースポーツライン(2012年7月27日)

http://www.daily.co.jp/mlb/godzilla_topics/2012/07/27/0005245612.shtml

 

米大リーグの公式サイトは25日、マリナーズからヤンキースに移籍したイチロー外野手が、戦力外となった松井がかつてヤンキースで活躍したことを高く評価するコメントを紹介した。イチローは通訳を通じて「ヤンキースで長くプレーするには選手としてだけでなく、人格者でなければいけない。私が高く評価するのは彼が長くここにいたという事実だ。彼がいい選手であり人格者であることを示している」と語ったコメントを報じた。

 

 従って、イチロー選手も松井秀喜氏を目標として努力されるように期待するのです。

 

 何しろ、先の4000本安打の際の談話には、次のような記述も見ることが出来るのですから!

 

そもそも僕は学生時代にプロ野球選手というのは打つこと、守ること、走ること、考えること、全部できる人がプロ野球選手になるもんだと思っていたので、今もそう思ってるんですけど、実はそういう世界ではなかったというだけのことでね、それが際立って見えることがちょっとおかしいというふうに思いますね。さっきの話とちょっとかぶりますけど、僕にとって普通のことですね。そうでないといけないことですね」

 

 従いまして、イチロー選手の言われる「全部できる人」の条件として「考えること」以外にも、松井秀喜氏同様な「人格者」となるように努力して頂きたく念じてやみません。

 

 そして、イチロー選手の野球に関する賛辞は兎も角、彼の発言内容への賛辞は、彼が「人格者」として発言されるまで、私は待たせて頂きたく存じます。

(補足)

先に引用させていただいた「日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答」には、次のような問と答えが書かれています。

─同じグラウンドにM.リベラ、D.ジーターがいる。そこにふさわしい自分でありたい

「ま、ふさわしさと言うのは、数字だけではないと思うし、もちろん大事な事ですけども、出てる空気とか雰囲気とかあるじゃないですか、それが全く合わない人っていますよね、ピンストライプが似合わない人、ま、僕が似合っているかどうかは別として、明らかに似合わない人いるじゃないですか、あれはいくら結果出しても無理だと思うんですよね、そう言う人は。だからそう言う事が僕にとって大事、と言う意味です」

 しかし、 ピンストライプが似合わない人”が私の目(節穴?)では判別できません。

それよりもイチロー選手ご自身がヤンキースから放逐される危機があった事実を、豊浦 彰太郎氏による次の記述を目にします。

苦戦中もブレなかったヤンキースの編成方針

http://www.jsports.co.jp/press/article/N2013090215194801.html

MLB nation2013090215:18

……苦戦を強いられながらも財力にモノを言わせる補強を踏みとどまってきたことです。

ヤンキースは、今季22810万ドルの年俸総額を、来季はぜいたく税(納入するのはMLB機構に対してです。実際に納税する訳ではありません)が免除となる18900万ドル以下とするのにやっきになっています。昨年オフに、中心打者の1人だったニック・スウィッシャーや正捕手のラッセル・マーティン、マリアーノ・リベラが故障欠場中の「代魔神」ラファエル・ソリアーノらのFAとの再契約を見送ったのもそのためですイチローだけは営業面での効果を考慮し、ハル・スタインブレナー・オーナーがブライアン・キャッシュマンGMの反対を押し切り2年契約に踏み切りましたが)。……

 
何故、ヤンキースはイチロー選手を評価しないのでしょうか?

それは、ヤンキースのジラルディー監督も、打率よりも出塁率を重視されるからです

常に、一番打者として試合に出ていたガードナー選手が、負傷して試合に出られない今は、(打順が7番とか8番であった)イチロー選手が代役を務めていますが、二人の打率と出塁率を比較すればヤンキースの評価がはっきりするでしょう。

イチロー選手 ガードナー選手 川崎選手(ご参考)
2013 打率 .260 .273 .225
出塁率 .296 .344 .322
2012 打率 .322(ヤンキース) .323 .192
出塁率 .340(ヤンキース) .417 .257

 (尚、イチロー選手に関しては「記録のイチロー選手と捨石の松井選手」など書かせていただきました)

 更に補足させて頂きますと、国を挙げて、東京オリンピックに向けてスポーツ選手の強化を図るようですが、そのような選手たちが、松井秀喜氏は兎も角として、イチロー選手を心身共に、凌駕する領域に達することが出来るでしょうか?

今の日本にとって、大事なことは、スポーツ大国となるよりも、先ずは、日本人全員が、裏の無い「真のもてなしの心」を持てるように精進を積むことではないでしょうか!?


(追記)

先に引用させていただいた、「日経MJ2013年9月20日付には「おもてなし」に関して、次のようにも書かれております。

早くも今年の流行語大賞に推す声も聞かれる。
 

 しかし、私は

裏の流行語大賞」として、「おもてなしの心は裏ばかり

を採用して頂きたく存じております。

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