免震重要棟と泉田知事そして東京新聞
2016年2月9日
宇佐美 保
先ずは、「ジャーナリスト岩上安身による泉田裕彦新潟県知事インタビュー:2013年9月7日」に於いて、
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/100574#more-100574
泉田裕彦氏(新潟県知事)は、次のように発言されております。
……2007年の中越沖地震では、……地震の影響でホットラインがつながらなくなったことを受け、 周囲に止められながらも 「ここで黙ったら人類に対する犯罪だと思った」として 免震重要棟を作り、 3.11の半年前には福島にもできたことで、最悪の事態を免れたことを吐露。 「もしその時に作っていなかったら、 東京には人が住めなくなっていたかもしれない」と語った。 |
更には、2013年8月28日の「日本記者クラブ」での泉田裕彦氏(新潟県知事)の会見並び質疑では、
https://www.youtube.com/watch?v=V0yP0ZeuuLo
泉田裕彦知事は、次のように発言されております。
新潟に「免震重要棟」を造った後、 フト考えると、“東電の原発は、新潟だけでなく福島がある。 新潟だけあって福島にないのは変ですよね”ということで、 |
如何でしょうか?
泉田知事は私達(日本、更には、世界)の恩人ではありませんか?
このように泉田知事が「日本記者クラブ」に於いて発言されているのに、マスコミの皆様は、私達に伝えて下さったでしょうか?
「反原発」の旗を掲げて下さると期待する「東京新聞」ですら、恩人泉田知事のご努力を伝えておりません。
例えば、2016年2月7日付けの東京新聞の1面は「申請の11原発 免震機能省く」との大見出しを掲げ、3面の「核心」に於いては、次に記述します。
……福島第一の事故では、吉田昌郎所長(当時)らがここを拠点とし、 周辺で電力と通信が途絶える中でも、本店とテレビ会議で対策を練った。 「あれがなかったらと思うとぞっとする」。 |
更に、東京新聞社説(2016年2月8日)が次の通りです。
…… 免震重要棟は、 二〇〇七年の新潟県中越沖地震の際に、 東京電力柏崎刈羽原発の緊急時対策室のドアが、地震の揺れで変形して中へ入れなくなったり、 室内の電子機器が倒れて使えなくなったりしたことを教訓に、東電が導入した。…… |
と書かれているだけで、泉田知事の免震棟に対する功績には一切触れておりません。
何故なのでしょうか?
やはり安倍首相の言われるように、委縮していないマスコミは『日刊ゲンダイ』だけなのでしょうか?
「日本記者クラブ」では泉田裕彦知事は、更に立派な発言をされておられます。
是非とも、その発言内容を確認してください。
その結果、我が国の首相には、マスコミを委縮させている現独裁者ではなく、“泉田裕彦氏こそが相応しい方”であると、どなたもお思いになるのではないでしょうか?
補足:免震重要棟の件以外の泉田知事の貴重な発言 |
事故は反省の上に対策を取るべきだ。
福島の消防車を使用しての注水が行われたが、
消防用のパイプが破断され水が出なくなった、東電は消防車を持っていなかったので、東電の消防隊は退避した。
そこで、消防車を持つ消防隊を作ってもらった。
その結果、福島にも同様な対策をした。 |
泉田知事の原発への懸念 |
懸念1 先の新潟地震では不当沈下が発生し、原発の建屋とフィルターベントの地盤に落差(1.5㍍)が発生した為、ベント用のパイプが外れた体験から、 |
懸念2 フィルターベントは希ガスは透過して住民被爆する。 従って、住民の安全性(住民避難)を考慮して、フィルターを設置すべきである。 ところが、新潟県は、防災訓練を、即時避難地域(半径5キロ以内)2万人の住民の内400人参加したが渋滞で、インターチェンジまでたどり着けなかった。 この件はどう対応すべきか! そこで、知事は、小学校単位で簡易シェルターを考えた。 原発の性能だけで、原発が安全とは言えない! |
懸念3 国会議員らは「安全基準」といっているが、原発安全規制委員会は「安全基」準とは決して言わず、「規制基準」と云っている。 規制委員会は、原発は、一定の確率で事故が起こるとの前提で、規制基準としている。 では、過酷事故が発生した際の対応はどうするか? IAEAの第5ランクが不備で国際基準に達していない。 福島事故の本質は何か? 多くの人は津波事故、電源喪失事故と思わされているが、冷却剤喪失事故である。 (冷却失敗すれば2時間でメルトダウン 事故時、会長、社長も不在で、武藤副社長は原子炉へ海水注入の決断が出来なかった。 この点を規制委員会は、どう対処すべきか!?) このような冷却に失敗する会社が原発を運転できるのか!? 事故が起きた際は規制委員会が政治介入を許さず任務に当たる覚悟もなく、規制委員会は原発の性能基準を専らとしている気がしたならない。 |
東電は、2007年の新潟での事故の際はよくやってくれたが、
今回は |
嘘をつく (メルトダウン起きているのを5月下旬まで言わなかった) |
社会的責任を果たさない 国も東電も責任を取らない(住民にしわ寄せ) (使用済み核燃料はどうするのか!?) このような会社が原発を運転する資格があるのか? 安全を蔑ろにして経営を優先する会社であり、社長の頭の中の9割は借金と賠償! |
現状各省庁に分散している災害対策は、法制度を一元化して、一律にやるべき。 破綻処理して体勢を立て直す事も選択肢の一つではないかとも考慮すべきと考えている。 |
問題点が分かっていて、口をつぐむのは、保身としては、泉田自身としては、楽ではあるが、 後世、歴史に対する、不誠実、背任であると思っているので、問題点はしっかり発信して行く。 |
原発に対しては、全体を責任を持っている司令塔がなく、 制度上では、その司令塔は、原子力規制員会と思っているが、 選挙もなく政治的責任もなく如何に責任を小さくするかとして動いているとしか見えない。 |
原子力規制委員長には、質問状を出しているが、知事と会うことを避けている |
今回の規制基準は福島の事故を検証をしていないにもかかわらず 事故率も、メルトダウン1万年に1回、大量放射能放出が10万年に1回とかで計算して安全基準を制定しているのは異常。 勧告権を持つ原子力の安全確保を任務としている安全委員会が、住民の命を守るという運用をする気持ちがあるのか!を聴きたいが、
|
原発同様な最先端の技術としては、宇宙開発があげられるが、スペース・シャトル事故である。 |
この事故では、原因を明らかにし、対策を取り、社会の合意を得て前に進んでいる。 日本は敗戦の場合同様に、1億総懺悔的に“みんなが悪かったよね”だけで、 東電は、事故の原因を分かるようにして、(何故2か月もメルトスルーを隠し続けたのか?)
検証と総括、社会的コンセンサスを取った上で、議論すべきと思っています。 |
知事は地震の直後から、CNNもBBCも見ていたが、国内放送とは大きな落差があった |
普通の政策だと、論点をあげるとその論点についてどうか?との政策議論になるけど、 原発問題になると、国内放送は“泉田知事が怒った”とかばかりを伝えるだけで、 知事が何に対して怒ったかが、伝えられていない。 |
会見の最後に、経済ジャーナリストと名乗る方が、次の質問をされました。 |
福島は動かないけれども、 柏崎原発を動かさないと、経済的にもったいない。 動かして電力代を安くしたい。 |
会見の最後に泉田知事は、次のように語りました |
知事に立候補した際、「自分の保身」と「良心に反すること」を比べた際、保身優先をやめようと決意した。 |
私の感想 |
このように素晴らしい泉田知事の会見を、何故マスメディアは多くの方々に伝えないのでしょうか!? 日本のマスメディアの方々は、まさか上掲の経済ジャーナリストと同じご見解とは思いたくありません。 どうか、泉田知事に見習って、 |
(補足)
You Tube 「泉田知事、東電社長に不快感〜原発再稼働めぐり」
https://www.youtube.com/watch?v=jIe_m2t2orw
に於いて、つぎの次のコメントも拝見しました。
凄い知事ですね、素晴らしい!身に危険が及ばないか心配。 |
国民は事故当初からまっとうな主張を続ける新潟県知事を孤立させてはならない。 |
私も全く同感です。
マスメディアの方々はいかがでしょうか!?