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東京電力のメディア対策

2011531

宇佐美 保

 

 『週刊金曜日(2011.5.27号):東京電力の正体』を読み、これではとても大手メディアを信用する事が出来ないと痛感しました。

そこで、その一部を掲載させて頂きます。

 

今回の記事は次の言葉から始まっていました。

 

3 メディアが東電を批判できない理由

南 元社長を役員にするフジサンケイグループ

 

電力会社や関連団体の年間広告費の総計は約二〇〇〇億円と言われる。

 この広告費ほしさなのか、東電幹部を役員に迎えるメディアもある

巨大企業との長い蜜月関係の中、メディアは東電通本当に批判することができるのか。

 

 

 この記述だけで驚いてしまいます。

 

 

 世界長大級のエネルギー企業・東京電力と、フジテレビやニッポン放送などを傘下に抱え、産経新開も実質的に支配下に置いている日本最大級のメディア企業複合体「フジ・メディア・ホールディングス」へ以下、「フジHD」)。二つの企業がいかに密接に結びついているのかを実感したのは、五月一二日の記者会見の席だった。この時、「フジHD」は東京証券取引所で二〇一一年三月期決算を発表したが、配布資料には二〇〇二年に原発事故の情報隠しで辞任した南直哉元東電社長が監査役留任となったとが記されていた。

……

 

 南氏と一緒に辞任した荒木浩・元東電会長もテレビ束京の監査役となっており、同日(一二日)に同じく留任していた。……

 

「メディアが東電に餌″を与えて広告費をいただくという狙いが透けて見えます。東電が役人や政治家や記者にしている便宜供与を、逆にメディアが東電に露骨に行なつているとも言えます。しかも原発事故の情報隠しで適任した両氏を監査役にするのは、例えは悪いですが、泥棒を警察官にするようをものです。……

しかも、原発事故の情報隠し事件で社長職の引責辞任に追い込まれながらも東電顧問として居座り、ウラで影響力を行使してきた。そんな南氏を「フジHD」は〇六年から監査役として受け入れていたのだ。

 

 

 このように「厚顔無恥」の方ばかりが蔓延るという事は、日本の文化の一面である「恥の文化」は、雲散霧消してしまったのでしょうか?!

次の記述にも又驚かされます。

 

 

コネ入社、お中元、お歳暮

 

……原発に批判的な立場を貫きながら、フジサンケイグループ内に新労組を結成したことで懲戒解雇された松沢氏は、こう話す。「私が知っているだけでも、大手メディアのエネルギー担当記者が子どもを東電に入れてもらうケースが二、三件あり、フジサンケイグループでも部長級社員の子どもが東電に入社しました。東電の担当者に皮肉を交えて聞いたことがあります。『新聞記者の子どもなんか出来が悪いでしょう。子会社にでも入れるのですか』と。すると、『大丈夫です。本社に入れます。本社は何万人もの分母があり、分子の不良品(社員)が多少増えても不良品率は非常に低い。しかし子会社だと、分母が小さいので不良品がいくつか入ると、不良品率が高くなって経営に悪影響を与える。だから本社に入れるのです』と明かしてくれました。

記者は子どもを人質に取られているようなもので、東電に批判的な記事を書けなくなるのは当然です

 電力業界の広報担当者は『マスコミに電事連を通じて何千万円もの広告を出すよりも、記者個人をターゲットにする方が有効』であることを熟知しています。接待や子どもの入社などの便宜供与によって記者を虜〃にするというわけです」

 東電が担当記者にお中元とお歳暮の付け届け(一万円弱のお仕立て券付きのワイシャツが多い)をすることも慣習化しており、付け届けを拒否していた大手紙の記者が「家を新築したので電気関係の設備(何十万円分)の面倒を見てほしい」と言ってきたことさえあったという。

 

 

 大名が参勤交代制度の下、妻子を江戸に住まわされる状態を、記者自らが招き寄せてしまっては、とても幕府(東電)に刃向かう事は出来なくなってしますでしょう。

又、記者自身が「お中元とお歳暮の付け届け」を貰っては、「機密費を懐にした評論家達」が飼い慣らされた状態と同じとなるのは明らかです。

 

 どこを向いても恥知らず、「電車の中で化粧をする女の子」を非難できますか?!

 
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