911への沈黙は裏切りとなる(2)
2010年10月4日
宇佐美 保
先の拙文≪911への沈黙は裏切りとなる(1)≫の最後の部分に、リチャード・ゲイジ氏の次の言葉を掲げさせて頂きました。
ビルの崩壊に対して我々の政府は嘘をついていたようです。 911調査委員会報告が嘘を塗り固め、FEMAと、NISTがそれを正当化しました。 そして、大手メディアがその嘘を繰り返し植えつけてきました。 |
そして、この「大手メディアがその嘘を繰り返し植えつけてきました」の最近の例としては、この9月11日の昼の0時から深夜の1時までヒストリーチャンネルの特別番組「特集:9.11(突如ニューヨークを襲った同時多発テロ事件を、いま再び振り返る)」ではないでしょうか?
(と申しましても、私はこの特集をすべて見ませんでしたから、まちがっているかもしれません。しかし、私が見た部分は全くリチャード・ゲイジ氏発言そのものでしたので、直ぐに見るのをやめてしまいました)
ところが、多分これらの番組を見て書かれたと思われるコラムを見て愕然としました。
なにしろ、『週刊現代(2010.10.2号)』の次の書き出しで始まる伊集院静氏のコラムを読み、911事件に対して伊集院氏があまりに無知なのと、その氏の記述をそのまま掲載する『週刊現代』の無神経さに愕然としたのです。
二〇〇一年のアメリカ同時多発テロから十年目を迎えた。 たまたま点けていたテレビで海外メディアで制作したこの事件のドキュメント番組をみた。・・・ |
しかし、私が驚こうがどうしようが、そのコラムの題名は「それがどうした」なのです。
それでも私は異議を唱えなくてはなりません。
何しろ伊集院氏は次のように記述されておられるのですから!
なぜ多くの人々がビルの崩壊を予測できなかったかが、私にはそれが疑問だったが、今回よくわかった。 ツインタワービルは世界でも有数の建築物で、その高い構造からも飛行機が激突する状況に対しても対策を練って建造してあった。その予測に盲点があつた。 旅客機の燃料が地下まで流れ込んだことと火災による鉄骨の温度の上昇がビル全体を軟弱にさせたという点だった。 |
伊集院氏は、9月11日の同じ日に、ツインタワービル(即ち、WTC第1、第2ビル)と全く同様に、旅客機に激突されていないWTC第7ビルが崩壊している事実をどうのように納得されておられるのでしょうか?
更には次の記述もあります。
「こんな街に住んでいられないわ」 と逃げ出す人もいたが、総じて(番組の編集もあろうが)事故を我が身に置きかえて見つめる人が多かった。 アメリカ人の称えられるべき面を見た気がした。 デマが流布するのにも驚いた。 人間はパニックになると判断能力をあきらかに失う。これが日本の、東京ならどうなるのか、と考えるのは当然のことだが、今の日本人、東京人に冷静に行動する能力はあるのだろうか。 |
伊集院氏ご自身が、デマの渦に飲み込まれ、ツィンタワービルのパニック的崩壊から判断力を失ったのはではありませんか!?
伊集院氏は(更には編集者も)、週刊誌上で(虚言に翻弄されつつ)勝手な推論を披歴する事は、沈黙以上の裏切り行為となるでしょう。
ですから、『9/11:真実への青写真 DVD』を一度、ご覧になるべきと存じます。
ただ、伊集院氏の名誉の為にも次の記述も引用させて頂きます。
若い時、海で溺れている人を何度か助けたが、首や腕やあちこちに爪痕を残されて出血したケースがほとんどだ。 殴りつけて気絶させてから首根っ子をロックして岸に泳ぎ着くのがいいのだが、これって誤解されるからナ。 今週はテロの番組の話から妙な話になってしまった。 ″君子危きに近づかず″と言うが、私は当然、君子じゃないから、飛び込むナ。 自慢じゃないが海で救助した人全員がちょっと礼を言って、どこかに行ってしまった。あれって良くないですよ。 表彰ってのも時間取られるしナ。美談の主人公ってほとんど怪しいものナ。第一締切り多いからサッサと現場から去るよナ。 |
海で溺れている人を何度か助けた伊集院さんには敬意を表しますが、「救助した人全員がちょっと礼を言って、どこかに行ってしまった。あれって良くないですよ。」の件では、溺れて救助された方は、「人間はパニックになると判断能力をあきらかに失う」の状態だったかもしれませんね。
それともやはり日本人の精神の荒廃の表れなのでしょうか?
更には、次の拙文≪911への沈黙は裏切りとなる(3)≫に続けさせて頂きます。