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松井秀喜選手MVPおめでとう、しかし……

2009119

宇佐美 保

 松井秀喜選手、ワールドシリーズMVP獲得おめでとうございます。

6戦で6打点を一人で叩き出した大活躍は、お見事としか言いようがありません。

 

同じワールドシリーズの第6戦で、1977年には、レジー・ジャクソン選手は3打席全て初球打ちでの連続本塁打でヤンキースを優勝に導いています。

更に、第5戦最終打席にも本塁打を放っているので、通算ではワールドシリーズ史上初の4打席連続ホームランという信じられない成績を残しています。

 

それでも、松井選手の今回の働きは、このジャクソン選手の働きに匹敵すると存じます。

 

しかし、そんな素晴らしい松井選手に、畏れながら苦言を呈させて頂きます。

 

 優勝が決まった直後、ヤンキース・スタジアムでのMVP獲得の喜びのインタビューに、何故、通訳を介して日本語で答えていたのでしょうか!?

とても残念に思いました。

 

 松井秀喜選手は、米国に渡って既に7年間活躍されているのです。

だったら、日常的な、又、野球に関する会話は、英語で不自由ではない筈です。

事実、英語の質問に対して、松井選手は通訳を介さずとも時折頷いておられたように見えました。

(又、8日夜のS・1Jスポとのテレビ番組では、元巨人のエース槙原氏に、ご自身の英語力を披露されておられました)

 

 なのに、その質問を通訳の方が直した日本語に、松井選手は日本語で答え、又、通訳の方が英語で質問者に答えておりました。

 

 ただ、松井選手の性格からして、「質問には忠実に答えよう」の思いから通訳の方の力を借りておられるのかと推測します。

しかし、残念ながら、通訳を介したからといっても、「質問には忠実に答えよう」は成就されないようです。

 

 たとえば、先のインタビューで、次の英語での問いに対して、

 

“今オフにフリーエージェントになるが、
もう一度ヤンキースでディフェンディングチャンピオンの一員として戦いたい!?”

 

 松井選手は通訳の日本語訳を聞かれた後に、次のように日本語で答えていました。

 

 

“勿論、そうなればいいと思うし、
ぼくはニューヨークが好きだし、
ヤンキースが好きだし、
チームメートが好きだし
ここのファンが大好きだし、それだけです”

 

 確かに、チームメート、特にジーター選手の存在は松井選手の大きな支えであった筈です。

しかし、私の耳には、通訳の方は“チームメートが好きだし”の言葉が聞き取れませんでした。

 

後に補っておられたのかもしれませんが、次の [Yankees.com]の記述にも、“ヤンキースのチームメートが好きだ”は見当たりません。

 

"I hope so," he told the still-assembled crowd at Yankee Stadium after accepting his MVP award.

"I love New York.
I love the Yankees.
I love the fans here.
"

 

 更には、“ここのファンが大好き(I love the fans here)”の言葉は、通訳に向かってではなく、スタンドのファンに直接発すべきであると私は感じました。

 

 スタンドを埋め尽くしたファンの中には、他国から移り住み苦労しながら数年かけて英語をマスターした方も大勢居られた筈です。

 

勿論、松井選手のチームメートの何人かも然りだと存じます。

 

 このような立場の方々は、松井選手の通訳を介しての日本語での受け答えをどのように感じられたでしょうか?

 

 来シーズンもヤンキースでご活躍されるなら、そして、“ここのファンが大好き”の言葉が本当ならば、来年こそは通訳を介さずご自身の英語で直接インタビューに応じて欲しいものです。

 

 そして、松井選手の性格上、正確を期す必要があるなら、通訳の方が横に控えていてチェックし補足する体制をとられることを進言させて頂きたく存じます。

 

 勿論、ヤンキースではなく、レッドソックス、或いはエンゼルスに移ろうとも!

 

 松井選手の今回の大活躍を同僚のテシェイラ選手は、

“シーズン後半にベンチに入る選手枠が40人と増えた時の未熟なピッチャーを打ったのとはわけが違う”

と松井選手を称えていました。

しかし、けちをつけるわけではありませんが、打ち込んだ相手ピッチャーのペドロ・マルチネスは大投手とはいえ、往年の97マイル(157キロ)の速球を投ずることは出来ませんでした。

マルチネス投手は、さぞかし無念な思いでしょう。

好漢マルチネス投手の無念さを払拭する為にも、来シーズンはワールドシリーズ以上の活躍を期待します。

 

 そして、その為には、打撃フォームを一層磨き上げて下さい。

先の拙文《記録のイチロー選手と捨石の松井選手》にも指摘させて頂きましたが、松井選手は、“ライト方向に打つのが一番飛ぶ”の信念で、「左足(後ろ足)の踵に重心を移動させて、体の軸を斜め後ろに倒してスイング」しているように見えます。

 

 このような体勢のままで、(ライトスタンドへ)ホームランしたのは稀だったのではないでしょうか?

そして、この体勢でのスイングが、松井選手の膝を痛めているように思えてなりません。

樵(きこり)の方々は、
毎日、何回もバットより重い斧(今では電動鋸でしょうが)を木に叩き付けて(バッティングして)いても、
膝を痛めていなかった筈です。

 

 デーモン選手の打撃フォームからは、このような

「きこり打法(バッティング打法)」

的な様相を感じます。

(いわゆる打った後もバットが大きく体の後ろに振られる(私が勝手に命名する)

「スイング打法」

ではなく)

そして、今シーズンは24本のホームランを打ちました。

 

 デーモン選手ほど極端ではなくともアレックス・ロドリゲス(A・ロッド)選手の「きこり打法(バッティング打法)」を感じます。

A・ロッド選手が自宅の打撃練習場での、ティー・バッティングでボールをセンター方向(レフト方向ではなく)へ打っている様子をテレビが紹介していました)

 

 松井選手ご自身も、快打された際は、ほとんどの場合、体の軸は真っ直ぐだったように見えました。

(今回のマルチネス投手の場合はともかく、数々の名投手からホームランを奪った際も、ライト方向よりもセンター方向が多かったと記憶しています)

 

 ヤンキースは、A・ロッド、ジーター、ポサーダ、それにデーモン選手らが高齢の為、時折彼らに休養をとらせる目的で、指名打者に使うから、松井選手の出番が減り又その為必要性が無くなり放出されるかもしれないとの説がありますが、松井選手ほどに指名打者役割を、彼らが果たせるでしょうか?

 

 守備につかずに、打撃だけに専念しなければならないので、指名打者の役割をこなすのは難しいからこそ、松井選手の今シーズンでのホームラン数28本が、指名打者としてヤンキースの歴代指名打者No.1の記録になったのでしょう。

 

 ヤンキースの首脳陣(首脳か?腫膿か?どちらだか私には理解不能ですが)がどう判断するかは別として、松井選手は、今以上に打撃技術を向上させて、ニューヨークの人だけでなく、多くの人に喜びを与えて下さい。

 

 そして、出来ますことなら、

ジャクソン選手の背番号44に並ぶがごとくに、
松井秀喜選手の背番号
55番が
ヤンキースの永久欠番となることを夢見させて下さい。

 

 

(補足)

 

もう一つ苦言を書かせて下さい。

どうか「遅刻」はやめてください!

 

イチロー選手のように、試合の何時間か前(イチロー選手は3時間前でしたかしら?)にスタジアムに行き、ストレッチなどで体の準備をして下さい。

 

わが道を行く!も結構ですが、学ぶ価値のあることは、他人からどんどん学び、盗んで下さい!

 

 
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